【検証】米国株の1月効果との新年度アノマリー|1月と4月に米国株を買うと儲かるのか

1月と4月に米国株を買うと儲かる?みなさんは、そんな話を聞いたことはないでしょうか。

米国株投資で効率的に投資を行いたいけど、より良いタイミングやパターンなどを知りより高いパフォーマンスを上げたいと思っている人も多いのではないでしょうか。

そこで知っておきたいのが「アノマリー」です。

「アノマリー」とは、マーケットにみられる規則性や傾向のことです。例えば、小型株のパフォーマンスは大型株を買うよりもパフォーマンスが出やすいとか、割高株よりも割安株の方が上がりやすい時期があるなどがあります。アノマリーと呼ばれるものは、市場平均よりも期待値の高いパフォーマンスが望めます。

なかでも有名なのは「1月効果」、「新年度相場」、「サマーラリー」、「Sell in May」や「ハローウィン効果」など、季節や時期に関係したアノマリーがいくつもあります。

今回は「1月効果」と「新年度相場」について解説・検証していきます。

米国株市場の1月効果と新年度相場とは?

NYダウ、S&P500、ナスダック、日経平均の月足チャートを見ておきましょう。

日経平均と比べると、アメリカ株の指数は数十年の期間で上昇相場であるのは一目瞭然です。

そんな上昇を続けてきた米国株市場でも、何月に買えば平均よりも高いパフォーマンスが得られるのでしょうか。

1月効果

1月に株を買うと期待値が高くなり儲かりやすい相場だと言われることから「1月効果」と言われています。1月のパフォーマンスが上がる理由は、所説ありはっきりとしていません。

新年度相場

また、新年度相場は4月に株を買うと儲かりやすい相場状況の事を指しています。日本株であれば、4月は重要な時期ですが、なぜ米国で傾向が出るのか不思議なところではあります。

このふたつに共通している点は、新しい年、年度という期間的なものです。そのため、新しい年だから、投資をやってみよう!3月にボーナスが出て、投資に回すという投資家心理的なモノが多いのではないかと考えられます。

では、本当に1月と4月のパフォーマンスは確率的に高いパフォーマンスが得られるのか、検証していきます。

パフォーマンス検証方法

1月(または4月)の営業日1日目にS&P500とNYダウ、ナスダックを買い始め、その月の最終営業日に売却した場合のパフォーマンスを比較していきます。

月ごとのパフォーマンス検証結果

1985年1月から2020年8月までのデータを使った場合、やはり1月と4月に買った場合のパフォーマンスは全体平均よりも高いことがわかりました。

特に、1月はナスダックなどの新興市場のパフォーマンスがNYダウやS&P500よりも高い傾向にあります。一年を通して、1月がナスダック市場の値上がりが最も期待できるといえます。

1月の3指数のパフォーマンス平均は、+1.45%です。これと比べて4月のパフォーマンス平均は、+1.93%でした。1月よりも4月の方がまんべんなく様々な業種の銘柄でポートフォリオを組むと、パフォーマンスが上がりやすいといえます。

4月は、1月とは違い、NYダウの方がパフォーマンスが良くなりました。それも、一年のうち最も高いパフォーマンスを出し、平均して2.28%の上昇が見込めます。

では、この36年間で4月に株価が上昇した回数は24回でした。年単位では、33.3%の確率で下落するということです。

1月は、36年間で上昇した年が25年で、マイナスの年は11年となり、4月とほとんど変わらない結果となりました。

このグラフを見ると、1月に買い始めて4月にも買い増して、パフォーマンスが落ちる8月までに銘柄を決済するという売買戦略を組み立てることができます。

ちなみに、日経平均のパフォーマンスが米国株に勝っている月は、3月のみとなりました。やはり、米国株の投資効率の良さが一層分かる結果となりました。

【検証データ表】

・1月と4月は年平均に比べて、株価上昇率が高い
・【1月効果】1月に一番パフォーマンスの高い指数は、新興市場であるナスダック
・【新年度相場】4月に一番パフォーマンスが上がる指数は、NYダウ
・過去36年でこのアノマリーが当てはまる確率は約70%

まとめ

米国株市場でも、アノマリーを使うことで効率よく投資を行え、投資パフォーマンスを上げられる一助となるはずです。ぜひ投資スタンスの参考に、アノマリーを活用してみてください。そしてあなただけしか知らないアノマリーを見つけられれば、それは投資パフォーマンスを飛躍的に上げるきっかけとなること間違いないでしょう。

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