革新的なETFで注目されるARK(アーク・インベストメント)とは?

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目次

ARK社(アーク・インベストメント)とは?

ARK(アーク・インベストメント)は、2014年1月に設立された新しい資産運用会社です。設立したのはアラアンス・バーンスタインでテーマ型の株式運用をしていた、キャサリン・D・ウッド氏です。アメリカでは、革新的なETFを数々と設定し大きな資金を集めています。

日本で提携している日興アセットマネジメントのホームページに、アーク・インベストメンツについての詳しいプレゼンテーションが掲載されています。

https://www.nikkoam.com/sp/ark?utm_source=fund&utm_medium=sidemenu&utm_campaign=ark&icid=1801_ark_fund_smn

出所:日興アセットマネジメントのホームページ

彼らの運用方針は、他の運用会社とは違い、独特のポリシーを持っています。ホームページのトップに掲載されている文章は以下の通りです。

“世界は急速に変化しています。従来の投資家がベンチマークやパッシブ戦略に安全性を求めるのに対し、アークはこのような行動は逆効果であると考えています。イノベーションが混乱を引き起こし、従来の世界秩序に伴うリスクが増大しています。私たちは、イノベーションのペースに合わせた投資を心がけています。”

ARK(アーク・インベストメント)の資産運用方針

破壊的イノベーションに特化

ARK社(アーク・インベストメント)は株式市場における破壊的なイノベーションを捉えるための投資ソリューションを提供することに特化しています。

経験豊富な投資リーダーシップ

ARK社(アーク・インベストメント)のCIOと調査ディレクターは15年近く一緒に仕事をしてきており、イノベーションにはダイナミックなアプローチが必要だと認識しています。

テーマ別アナリスト イノベーションによる組織化

ARK社(アーク・インベストメント)のアナリストは、市場や産業の垣根を越えて技術の融合を図るために、分野横断的なイノベーションをテーマに組織されています。

透明でオープンなリサーチ体制

従来の金融リサーチにテクノロジーのコンセプトと外部からのインプットを加えたオープンなリサーチアプローチを採用し、より透明性の高い学際的な投資プロセスを生み出しています。

長期投資の時間軸

市場は短期的な値動きに気を取られてしまうことがあります。アークの積極的な経営は、破壊的な技術の長期的な効果に焦点を当てています。

日本で購入できるARK(アーク・インベストメント)のファンド

2016年12月に、日本の日興アセットマネジメントと提携し、日興アセットマネジメントがARK社に出資し戦略的パートナーとして助言をもらい「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド」、「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」、「グローバル全生物ゲノム株式ファンド」、「グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド」、「グローバル・フィンテック株式ファンド」などが販売されています。ARK社(アーク・インベストメント)が日興アセットマネジメントに助言を行っているファンドは以下の通りです。

デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド<愛称:ゼロ・コンタクト>

https://www.nikkoam.com/products/detail/654700/basic

https://www.nikkoam.com/files/lists/news/2020/news1105_01.pdf

https://www.nikkoam.com/files/fund_pdf/654700/file/m_zero_contact.pdf

このファンドは、米国の上場しているどのETFとも違うようなので、ARK社(アーク・インベストメント)に投資一任をしているファンドのようです。アジア系の舞柄が多く、アリババ・ショックの影響を受けなければ、面白いと思います。米国上場のETFでは、「ARK Next Generation Internet ETF」が似たコンセプトのETFになります。運用報酬は、 年率1.7985%(税抜1.635%)、信託報酬はて年率0.1%、別途販売手数料が最大3.3%かかります。

販売会社は、岩井コスモ証券株式会社、エイチ・エス証券株式会社、SMBC日興証券株式会社、株式会社SBI証券、株式会社鹿児島銀行、九州FG証券株式会社、株式会社群馬銀行、株式会社滋賀銀行、株式会社清水銀行、株式会社第三銀行、第四北越証券株式会社、株式会社千葉銀行、中銀証券株式会社、株式会社東北銀行、浜銀TT証券株式会社、株式会社肥後銀行、ひろぎん証券株式会社、株式会社福井銀行、株式会社三重銀行、株式会社みちのく銀行、株式会社三井住友銀行、三井住友信託銀行株式会社、めぶき証券株式会社。(2020年11月末時点)

グローバル・プロスペクティブ・ファンド<愛称:イノベーティブ・フューチャー>

https://www.nikkoam.com/products/detail/644730/basic

https://www.nikkoam.com/files/lists/news/2020/news1106_01.pdf

https://www.nikkoam.com/files/fund_pdf/644730/file/m_Gpros.pdf

ポートフォリオの中身から判断すると、「ARK Innovation ETF」のようです。運用報酬は、年率1.658%(税抜1.58%)程度、信託報酬は年率0.1%、別途販売手数料が最大3.3%かかります。

販売会社は、みずほ証券のみです。(2020年1月末現在)

グローバル全生物ゲノム株式ファンド 

https://www.nikkoam.com/products/detail/645014/

https://www.nikkoam.com/files/sp/library/pdf/kamishibai-05.pdf

ARK社(アーク・インベストメント)がアメリカで上場している「ARK Genomic Revolution ETF」と同じコンセプトのファンドですが、投資銘柄は似通っているのですが、構成比率が違っています。運用報酬は年率1.804%(税抜1.64%)、信託報酬は年率0.1%、別途販売手数料が最大3.3%かかります。販売会社は、エース証券株式会社、岡三証券株式会社、おかやま信用金庫、株式会社荘内銀行、大和証券株式会社、ちばぎん証券株式会社、東洋証券株式会社、株式会社北都銀行、丸八証券株式会社、水戸証券株式会社、ワイエム証券株式会社。(2020年1月末現在)

設定日:2019/1/16

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド

https://www.nikkoam.com/products/detail/643963/basic

https://www.nikkoam.com/files/lists/news/2020/news0828_10.pdf

このファンドも、ARK社(アーク・インベストメント)が助言しています。このコンセプトのETFは、米国に上場していません。ARK社による新しいコンセプトのファンドのようです。上位組入れ銘柄を見ると、テスラだけでなく、自動運転関連やドローン関連の企業も多く入っています。

運用報酬は、年率1.925%(税抜1.75%)、信託報酬は年率0.1%、別途販売手数料が最大3.85%かかります。

販売会社は、愛知銀行、秋田銀行、池田泉州銀行、愛媛銀行、岡地証券、鹿児島銀行(九州FG証券株式会社)、九州FG証券、静銀ティーエム証券、清水銀行、十八親和銀行、常陽銀行、大和証券、千葉銀行、西日本シティ銀行、肥後銀行(九州FG証券株式会社)、ひろぎん証券、広島銀行、福岡中央銀行、福島銀行、碧海信用金庫、三重銀行、宮崎銀行、武蔵野銀行、山形銀行(2020年11月末現在)

グローバル・フィンテック株式ファンド
設定日:2017/9/15

https://www.nikkoam.com/products/detail/643335/basic

https://www.nikkoam.com/files/fund_pdf/643335/file/m_g_fintech.pdf

このファンドもARK社(アーク・インベストメント)が助言しています。ARK社(アーク・インベストメント)が米国で設定しているETF「ARK Fintech Innovation ETF」と銘柄は非常に似ていますが、構成比が違います。

運用報酬は、年率1.925%(税抜1.75%)、信託報酬は年率0.1%、別途販売手数料が最大3.85%かかります。販売会社は、藍澤證券、あかつき証券、秋田銀行、阿波銀行、イオン銀行、岩井コスモ証券、エイチ・エス証券、エース証券、auカブコム証券、SMBC日興証券、SBI証券、岡三オンライン証券、岡地証券、神奈川銀行、熊本銀行、ぐんぎん証券、群馬銀行、京葉銀行、滋賀銀行、四国アライアンス証券、清水銀行、ジャパンネット銀行、十八親和銀行、十六銀行、十六TT証券、証券ジャパン、ソニー銀行、第四銀行、筑邦銀行、千葉銀行、中京銀行、東海東京証券、東邦銀行、とうほう証券、富山銀行、西日本シティTT証券、野村證券、浜銀TT証券、ひろぎん証券、広島銀行、フィデリティ証券、福岡銀行、福邦銀行、北越銀行、北陸銀行、松井証券、マネックス証券、丸三証券、丸八証券、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、三菱UFJ銀行(三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社、宮崎銀行、楽天証券。(数が多いので、略称としました)(2020年1月末現在)

グローバル・スペース株式ファンド

このファンドもARK社(アーク・インベストメント)が助言しています。米国のETFに無いテーマですので、日興向けに特別に助言を行っているようです。

https://www.nikkoam.com/products/detail/644404/basic

https://www.nikkoam.com/files/fund_pdf/644404/file/m_space_1y.pdf

以下の上位構成銘柄から見ると、宇宙の通信とドローンに特に注目しているようです。

IRIDIUM COMMUNICATIONS INC 7.9%
米国の衛星通信会社。低軌道周回衛星の一群からなるイリジウム通信網を有している。新たな衛星群をSpaceXを通して打ち上げる計画である。

TRIMBLE INC 4.5%
米国の計測機器メーカー。ソフトウェア、データ、センサーを組み合わせたドローンプラットフォームを提供するほか、建設や物流業界向けにフリート管理サービスも提供する。

VIRGIN GALACTIC HOLDINGS INC 4.2%
宇宙旅行ビジネスを構築している。長期的なプランでは、2地点間の極超音速旅行を計画している。

JD.COM INC-ADR 3.9%
中国のオンライン直販会社。ドローンでの配送を計画している。

KRATOS DEFENSE & SECURITY 3.9%
小型ドローンを米軍向けに提供している。米空軍と共同で、有人航空機のそばを飛行する自動操縦ドローンを開発した。

FLIR SYSTEMS INC  3.7%
監視用および撮影用の小型自動運転車を提供するほか、軍事用の自動陸上車両も提供している。

LOCKHEED MARTIN CORP 3.4%
航空宇宙業界で世界最大手の一角。あらゆる航空宇宙事業を手掛けており、自律飛行、ドローン、深宇宙ミッション、衛星製造などの分野では経験豊富である。

DEERE & CO 3.3%
ディアは、自動農業機器の大手で、穀物散布ドローンを販売する計画である。

L3HARRIS TECHNOLOGIES INC 3.2%
HONEYWELL INTERNATIONAL INC  3.1%

運用報酬は、年率1.925%(税抜1.75%)、信託報酬は年率0.1%、別途販売手数料が最大3.3%かかります。販売会社は、愛知銀行、auカブコム証券、SBI証券、岡三オンライン証券、岡地証券、きらぼし銀行、七十七証券、名古屋銀行、松井証券、丸八証券、三重銀行、三井住友信託銀行、宮崎銀行、めぶき証券、楽天証券。(数が多いので、略称としました)(2020年1月末現在)

※各ファンドが似たようなコンセプトのETFと構成比が違うのは、単に設定日の違いだけかもしれません。ただし、日本の投資信託では、通常1銘柄の上限が10%とされています。そのため、ポートフォリオのリバランスが必要になることがあります。そうした運用上の制約から構成比が代わっている可能性もあります。

ARK(アーク・インベストメント)CEOの紹介

キャサリン・D・ウッド(Catherine D. Wood)は、ARK社(アーク・インベストメント)の創設者、CEO、CIO。

2014年1月、アーク・インベストメント・マネジメントLLC(以下「ARK」)を米国証券取引委員会に投資顧問として登録しました。最高投資責任者(CIO)およびポートフォリオマネージャーとして、アークの理念と投資アプローチの開発を主導し、投資判断の最終責任を負っています。

ARK入社以前は、Alliance Bernsteinで12年間、Global Thematic StrategiesのCIOとして50億ドル以上を管理していました。彼女が共同設立したヘッジファンド、Tupelo Capital Managementからアライアンス・キャピタルに入社し、2000年には約8億ドルのグローバル・テーマ戦略を運用しました。Tupelo Capital に勤務する前は、Jennison Associates LLC でチーフエコノミスト、エクイティリサーチアナリスト、ポートフォリオマネージャー、ディレクターとして 18 年間勤務しました。カリフォルニア州ロサンゼルスのThe Capital Groupでアシスタントエコノミストとしてキャリアをスタートさせました。1981年に南カリフォルニア大学で金融および経済学の理学士号を優秀な成績で取得しました。

出所:ark-invest.comホームページより

ARK(アーク・インベストメント)をめぐる買収合戦

2020年11月、アーク・インベストと同社の米国ETFの独占販売代理店であるレゾリュート・インベストメント・マネージャーズとの間で、買収合戦の可能性があるとのニュースが浮上しました。レゾリュートは現在、ARKの株式を少数保有していますが、2016年にアークの販売代理店としての役割を果たすための当初の契約の一環として、アークの過半数の株式を購入するオプションを行使することを発表しました。

ARK社(アーク・インベストメント)の最高経営責任者(CEO)、最高情報責任者(CIO)であり、現在の大株主であるCathie Wood氏は、この動きに反対する声を積極的に表明しています。”アークの従業員・株主を代表して、レゾリュート・インベストメント・マネージャーズとそのプライベート・エクイティ・オーナーであるケルソー・アンド・カンパニーが、アークの事業を掌握しようとしているという歓迎されない通知を出したことに、我々は失望しています。モーニングスターが報じたように、アークは、1年、3年、5年の期間に渡って、複数の商品でトップの1%のリターンを提供してきた。当社のリサーチと投資の成功、そして革新的なデジタルマーケティング戦略のおかげで、アークは現在、米国最大のETF発行会社の一つにランクされています。当社チームの目覚ましい成功は、透明性、コラボレーション、従業員のオーナーシップという文化にしっかりと根ざしています。当社は、当社の事業とは無関係の第三者が株式を所有することが、アークのステークホルダーにとって最善の利益になるとは考えていません。“

– ウッド 2020年11月

このような意見の相違や敵対的買収の脅威を考えると、多くの投資家が ARK の ETF、特に最大の ETF である ARK Innovation ETF (ARKK) の状況を心配しているのは当然のことです。ARK社(アーク・インベストメント)が引き付けられる大きな理由は、ウッド氏のリーダーシップと彼女のアナリストチームが最高の破壊的イノベーション企業を発掘することを信頼しているからです。レゾリュートに買収されれば、そのようなメリットは全て失われてしまうかもしれません。政治的なものであると推測もありますが、仮にレゾリュートによる買収が実現したとしても、アークの運用が大きく変わることはないでしょう。

レゾリュートは、アークのETFの「販売代理店」または「公認参加者」としての役割を担っています。つまり、レゾリュートは、アークの保有するファンドと投資家との間の仲介役です。レゾリュートは、投資家が購入したいアークのETFの個別株を作成するために、原資産であるファンドの保有株を購入し、それらをまとめて購入する。同様に、投資家が流出した場合には、アークETFの株式を償還し、原資産に戻すことができます。レゾリュートは、これらのETFの裏側にある取引のうち、何%かの割合を受け取ることができます。ARKKの資産価額は約190億ドルで、1日の平均出来高は400万ドル以上です。ARKの業界別ETF、ARKF、ARKW、ARKQ、ARKGの合計は、基準価額が160億ドル以上で、1日の出来高は平均400万ドル以上です。ARKのETFへの関心は、パンデミック(パンデミック)の影響で、破壊的なイノベーションを起こす企業への資本の流れが生まれたことで、爆発的に高まっています。その中でもARKKはその先頭に立っています。このような投資家に愛されているウッドと彼女のアナリストで構成されるチームを排除することで、この勢いを逆転させたくはないでしょう。

ARKはETFの流動性を作るために代理店を必要としています。そうでなければ、同社の資本戦略の重要な部分である個人投資家へのアプローチができなくなってしまいます。ARKには他にも販売会社の選択肢がありますが、2016年のレゾリュートとの契約により摩擦が生じています。

レゾリュートは、アークの独占販売代理店であり続けようとしています。10月29日のレゾリュートの発表は、そのわずか3日前にアークが発表したことに関連していると思われます。アークは、新たなETFの販売会社を選定すると発表しました。何がきっかけでこのような発表をしたのかは定かではありませんが、アークのETF販売会社であることで利益を上げ続けたいと考えているレゾリュートにとっては、この発表は腹立たしいものとなったようです。

同社は、アークのETF販売会社としての地位を維持するために、株式の過半数を取得するオプションを行使する可能性が高いとみられます。レゾリュートはファンドの販売に特化しており、ファンド運用の専門知識はありません。また、同社はアークのようにアークETFの運用ができないことも承知しています。可能性としては、同社が株式の過半数を取得する際に、ウッド氏と彼女のアナリスト・チームを外すことはないでしょう。また、アークが販売代理店としての地位を維持した場合、レゾリュートが過半数の株式を購入するという決定を覆す可能性もあります。アークは、所有者と経営陣の構造全体をひっくり返すよりも、そうしたいと考えていると思われます。

ARKKは流動性が高いため、買収しても基準価額が下がることはないと考えられます。多くの投資家は、アークの買収が発生した場合、他の投資家からの大規模な売却を懸念しています。買収や所有者が変更された場合には、このような事態が起こる可能性が高いと考えられますが、幸いなことに、原資産である株式の基準価額が大幅にディスカウントされることはないため、アークのETF価格に大きな影響を与えてはいません。

ARKK とその原資産は比較的流動性が高く、ボリュームがあります。このため、販売会社であるレゾリュートは、ARKK の株価が基準価額に対して大きくプレミアムやディスカウントされた場合でも、それを修正することが可能です。投資家が ARKK を一斉に売却した場合、それが原資産の保有株に影響を与えるほどのものでない限り(ARKK の保有株の平均時価総額は 7600 億ドルなので、その可能性は極めて低い)、レゾリュートは単純に ARKK の株式を原資産の保有株に償還し、裁定取引の利益を得るために売却することができます。こうしたETFの構造ににより、ARKKの価格はすぐに基準価額に一致するように修正されるでしょう。

2017 年以前は、ARKK は大きなディスカウントやプレミアムで取引されていましたが、出来高が急増してからは、ディスカウントやプレミアムはほとんど存在しなくなっています。

レゾリュートの買収が成立するのは2021年です。それまでは、アークとレゾリュートの間には十分な時間があります。仮にレゾリュートが買収を進めたとしても、経営体制が変わる可能性があるかどうかについては、まだまだ情報が少なすぎます。アークを早々に売却した投資家は、経営陣の変更の確たる証拠がないというよりも、不安感から売り抜けている可能性があります。レゾリュートが経営権を取得し、ウッド氏のチームが退社した場合には、ARKKに対する強気の大部分はウッド氏のチームにあるので、この場合は売却した方が良いと思います。

しかし、既存の株式は破壊的なイノベーションの可能性を秘めていることに変わりはありません。また、レゾリュートは、投資家のETFへの関心を維持したいと考えているため、ウッド氏と同じようなビジョンを持ったチームを迎える可能性もあります。最悪のケースとして、ウッド氏のチームが去り、新経営陣がウッド氏のチームのような透明性、ビジョン、知識を持っていないことを示した場合にのみ、ARKKは売却した方がいいでしょう。

ARKが運用・設定するETFの種類

ARK社(アーク・インベストメント)が運用・設定する米国ETFの各銘柄について紹介していきます。ARK社(アーク・インベストメント)が運用する上場ETFは以下の7銘柄です。

ARKK(ARK Innovation ETF) 

産業イノベーション、ゲノミクス、Web x.0の3つの分野で、破壊的イノベーションの恩恵を受けることができる企業を対象としたアクティブ運用型ETF(上場投資信託)です。ARKKには、テスラモーターズ、インテュイティブ・サージカル、アリババのように、ヘッドラインによく出る最先端の企業がたくさん入っています。

ARKG(ARK Genomic Revolution ETF)

ゲノミクス関連業界のイノベーションから利益を得られるとアドバイザーが考えている企業を対象に、複数のセクターや地域にまたがってアプローチしています。ゲノムやバイオ銘柄をテーマとしたETFとなります。

ARKW(ARK Next Generation Internet ETF)

「モノのインターネット」「クラウド・コンピューティング」「デジタル通貨」「ウェアラブル・テクノロジー」などの大きな流行語に焦点を当て、インターネットの進化の次世代と見なす企業に投資をする非常に幅広いマンデートを持つアクティブ運用ETFです。

ARKF(ARK Fintech Innovation ETF)

トランザクション・イノベーション、ブロックチェーン技術などの金融セクターの仕組みを変える可能性のある技術的に有効な新商品やサービスを保有する企業に投資するという、「金融技術の革新」をテーマにしたアクティブ運用型ETFです。

ARKQ(ARK Autonomous Technology & Robotics ETF)

自動化やその他のテクノロジーの進歩から利益を得ているとマネージャーが判断した企業に投資するというテーマ型アクティブ運用型ETFです。

PRNT(3D Printing ETF)

3Dプリンティングおよび3Dプリンティング関連事業に直接関連する株式銘柄で構成され、3Dプリントに特化した市場初のETFです。対象となる証券には、米国、非米国先進国市場、台湾に拠点を置く企業が多く含まれるETFです。

IZRL(ARK Israel Innovative Technology ETF)

ゲノミクス、ヘルスケア、バイオテクノロジー、産業、製造、インターネット、情報技術などの分野で破壊的イノベーションを主な事業とするイスラエル企業を対象としたETFです。

ARKX(ARK Space Exploration ETF)

ARKの最新ファンドであるアーク・スペース・エクスプロレーション(ARKX)は、米国や世界の宇宙探査やイノベーションに関わる企業に焦点を当てることになります。

ARKX(ARK Space Exploration ETF)を詳しく見る

ARKのETFはどこの証券会社で購入できるの?

ARK社のETFはどこの証券会社で日本国内証券会社で買えるのか?結論は日本の証券会社でETFとして直接購入することはできません。日興アセットマネジメントがARK社と日本国内で販売契約を独占的に結び「投資信託」を設定。それを多くの日本の金融機関が「投資信託」として販売しているからです。

日本の投資信託は販売手数料が、3%以上取られることもあり、運用・信託報酬は、毎年1.6~1.9%かかってしまい非常に損です。

ただひとつ直接ETFで購入する方法はあります。日本国内の外資系証券会社のIG証券でARK社(アーク・インベストメント)が運用する米国のETFの買い付けをCFDを通じて行うことができます。

現物のETFを買うことができなくても、CFDで購入すればいいのです(*CFDでETFを現物ETFと同じ金額でレバレッジ1倍で購入)。

CFDの場合、特定口座が作れないとか制約がありますが、IG証券(日本国内の外資系証券)で取引することも一考する価値があるでしょう。運用報酬にあたる費用率は毎年1%程度違います(安い)。長期間投資した場合のコストは非常に大きくなるのでIG証券のCFDを通じ当該ETFを購入すれば、取引コスト、資金効率的な運用ができます。

出所:各証券会社のホームページより

銘柄SBI証券マネックス
証券
楽天証券IG証券
ARKKなしなしなしなし
ARKGなしなしなしCFD
ARKWなしなしなしCFD
ARKFなしなしなしCFD
ARKQなしなしなしCFD
PRNTなしなしなしCFD
IZRLなしなしなしなし

※2021年2月15日時点。IG証券CFDのARK社ETFはマーケット状況により取引できなくなる可能性がありますのでご注意ください。

CFDとは?わかるCFD取引初心者入門

ARKのETFを検討すべき理由

ARK社(アーク・インベストメント)の運用するETFは2020年において最も注目され、かつ高いリターンを上げたETFシリーズです。投資している銘柄を分析するだけでも、参考になるETFだと思います。高いリターンは今年に限ったわけではありません。新しいスター・ファンド・マネージャーの誕生を見たという気分です。実際に、アーク・ウォッチャーまで現れています。この機会に、ARK社の運用するアメリカ籍ETFで投資を始めてみませんか?

ARK社のETFは証券会社で直接購入できないなどの高いハードルはありますが、多くの銘柄でCFD取引が可能です。残高がまだ小さいETFでも興味深いテーマのETFがありますので、上記のようなCFDで参加するのも一つの投資戦略だと思います。

このレポートが皆さんの役に立つことを祈っています。投資は自己責任ですので、投資の判断は投資家の方がよく吟味して自己責任でお願いします。ARK社(アーク・インベストメント)の運用するETFは今年これだけ上がったので、下がるときもあります。リスクがあることはご承知おきください。

最後に2020年はコロナにより想定外と誰しもが思うことが起こりました。100年に一度の危機と言われますが、2008年のリーマン・ショックの際にも100年に一度と言われました。ただし、株価の調整がこれまで以上に早くなり、底からの戻りもこれまで見たことのないような速度で株価が上昇しました。おすすめの米国ETFについてもレポートしていますので参考にしてみてください。

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