
預かり資産最大手はブラックロックですが、2番手はどこでしょうか?
それは、S&P500のインデックスに連動するETF(VOO)を提供しているETF大手のバンガード社です。
インデックス連動のETFでは、高いシェアを誇り、圧倒的な低コストでの運用が可能な同社のETF。バンガード社とそのETFを知ることで、資産運用の精度がより高くすることができるかもしれません。
目次 ー Contents
バンガードとは

バンガードは、米国ペンシルベニア州に本拠を置く世界最大級の資産運用会社です。
1975年に「インデックス・ファンドの父」として知られるジョン・ボーグルによって創業されました。
インデックスファンドとバンガードの生みの親ジャック・ボーグルとは
当時では初となるS&P500に連動するインデックスファンドを設定。低コストのインデックス運用における第一人者となりました。そして今日でも連動投資家が利益を出しやすいように、経費率を低くしたETFを提供し続けています。
また、債券や国際株式指数に連動するインデックスファンドを最初に設定したのもバンガードでした。2001年からは、インデックス運用のノウハウをETFでも発揮しています。
そして、全世界でバンガードのサービスを利用する投資家は2000万人以上もいるとされています。
▼ザ・バンガード・グループ・インクについて
設立 | 1975年 |
運用総資産 | 5.3兆米ドル(約572兆円) |
運用ファンド数 | 425本(グローバル) |
本社 | 米国ペンシルバニア州バレーフォージ |
会長兼最高経営責任者(CEO) | ティム・バックリー |
従業員数 | 1万7600人以上(グローバル) |

バンガードは現在約600兆円の運用資産残高(AUM)を誇り、約2,000万人もの世界中の投資家に投資商品を提供しています。マネックス証券の投資家にも67本のETFを提供しており、今回はその中の「配当」に着目した米国籍ETF 2本についてご紹介します。
バンガードのETF
バンガードのETFは2020年3月末時点において425本あり、その運用総資産はおよそ572兆円にも上ります。
代表的なバンガード・S&P500 ETF(VOO)の運用規模は1980億ドル(約20兆円)となっており、世界中のアセットマネジメントやヘッジファンドから個人投資家の資金が集まっています。
人気の理由のひとつとして、経費率の低さ(運用コスト)が挙げられます。主要なETFの経費率を見てみると、高いものでも0.15%程度。バンガード・米国トータル債券市場ETF (BND)は0.035%、主要商品であるバンガード・S&P500 ETF(VOO)は、0.03%となっています。

コストを低く抑えられる理由のひとつとして、米国における独自の所有構造があります。
バンガード・インベストメンツ・ジャパンの親会社であるザ・バンガード・グループ・インクは、自らの運用する米国籍ファンドおよびETFによって所有されています。そして、これらファンドを所有しているのは、ファンドへの出資者である投資家となります。

投資家がバンガードのETFに投資を行うと、バンガードも所有することになるという構造によって、他社のように株主利益を考慮し利益率を引き上げようということにはなりづらいのです。
主要なバンカードETFの人気ランキング
最後に、日本国内の証券会社で購入可能な運用資産が大きな人気のETFをランキング形式で紹介します。純資産額が大きいETFほど人気が高いといえます。
銘柄 | ティッカー | ETF純資産総額 |
バンガード・S&P500ETF | VOO | 1778億ドル |
バンガード・米国増配株式ETF | VIG | 518億ドル |
バンガード・米国ミッドキャップETF | VO | 416億ドル |
バンガード・スモールキャップETF | VB | 394億ドル |
バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF | VXUS | 394億ドル |
バンガード・米国高配当株式ETF | VYM | 312億ドル |
バンガード・米国トータル債券市場ETF | BND | 703億ドル |
バンガード・S&P500 ETF(VOO)
米国の主要業種を代表する大企業500銘柄で構成。S&P500指数に連動したパフォーマンスを目指す。
▼10000ドルを投資したと仮定した場合の推移

バンガード・米国増配株式ETF(VIG)
10年以上連続して増配の実績を持つ米国普通株で構成。NASDAQ US ディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックスに連動したパフォーマンスを目指す。
▼10000ドルを投資したと仮定した場合の推移

バンガード・米国ミッドキャップETF(VO)
米国株式市場の中型株式で構成。CRSP USミッドキャップ・インデックスに連動したパフォーマンスを目指す。
▼10000ドルを投資したと仮定した場合の推移

バンガード・スモールキャップETF(VB)
米国株式市場の小型株式で構成。CRSP USスモールキャップ・インデックスに連動したパフォーマンスを目指す。
▼10000ドルを投資したと仮定した場合の推移

バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF(VXUS)
米国を除く世界中の株式市場の98%の銘柄カバー。FTSEグローバル・オールキャップ(除く米国)インデックスに連動したパフォーマンスを目指す。
▼10000ドルを投資したと仮定した場合の推移

バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
米国大型株の中で予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を重点的に組み入れ、高い配当利回りの銘柄で構成。FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスに連動したパフォーマンスを目指す。
▼10000ドルを投資したと仮定した場合の推移

バンガード・米国トータル債券市場ETF(BND)
米国の投資適格債券市場を網羅。バークレイズ米国総合浮動調整インデックスに連動したパフォーマンスを目指す。
▼10000ドルを投資したと仮定した場合の推移

バンガードETFまとめ
インデックスファンドの先駆けとして誕生し、圧倒的な低コストで投資家の資産運用の味方となっているバンガードとそのETFについて解説しました。
バンガードのETFは、著名投資家のウォーレン・バフェット氏も薦めており、世界最大のヘッジファンドの創設者であるレイ・ダリオ氏も自身のポートフォリオの多くに組み入れています。
インデックスへの投資は、「勝者のゲーム」として知られており、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの調査では、アクティブファンドの80%はS&P500のパフォーマンスに負けているという結果がでています。
安定的な運用を目指すためにも、資産の一部をバンガード社のETFに加えてみてはいかがでしょうか。