コモディティ(商品先物)といえば、金と原油が有名です。しかし、その他にも銅や天然ガスなどの資源エネルギーの他に銀やプラチナなどの貴金属類、そして、小麦やトウモロコシに大豆などの農産物類など様々な種類があります。
今回は、CFDで金や原油の次に取引されている商品の特徴や生産国をまとめました。
銅
銅は多くの工業品に「銅線」として用いられている必須金属のひとつです。景況感を示す指標となりやすいことから、景気の動向を示す指標として「ドクター・カッパー」と呼ばれています。
原油の価格動向に影響を及ぼすOPECのようにな生産調整を行う団体は存在せず、基本的には個別企業の採算を見ながら生産が行われています。
近年では中国の消費が増加しており、消費率は45%程度を占めるほどです。そのため、「中国の景気動向を表す指標」と言っても過言ではありません。
最大消費国である中国の経済次第で、銅価格が変動すると予想されています。
また、中国の経済対策として電線網の整備や住宅関連の規制緩和が行われた場合に、銅の需要が増加に繋がりやすいとされています。
銅相場の見通し~銅価格上昇期待でおすすめしたい2021年の銅投資
天然ガス
世界で消費されるエネルギーを資源別にみると、原油33%、石炭28%、天然ガス24%とこれら3つが大部分を占めています。
ただし、石炭は緩やかな減少傾向となっており、原油と天然ガスの割合が増加しています。中でも、原油や石炭と比較して二酸化炭素排出量が少なくクリーンエネルギーとされている天然ガスの増加が顕著になっています。
埋蔵地域に偏りがなく、産出国が世界中に広く存在していることもあり、今後も消費が拡大する可能性が高くなっています。
ただし、近年ではシェールガスの生産増加により、天然ガスの価格が上昇しにくくなっている需給面があります。そして、CFDで取引できる天然ガスETFは直接的な投資対象が先物となります。
先物の場合、ロールオーバーコストが発生することで価格が低下しやすいため、長期的な保有はリスクが高いといえます。
プラチナ
宝飾品でおなじみのプラチナは、産業分野でも幅広く用いられています。
プラチナの需要は、自動車排ガス浄化装置などの産業、アクセサリーとしての宝飾があります。特に、需給の大きな変化がない装飾品よりも、産業の変化による価格変動が大きく影響します。
2015年9月に、ディーゼル車の排ガス試験をめぐるフォルクスワーゲンの不正問題を受けて、プラチナ価格が急落したことは代表的な例と言えます。
消費国の1位は欧州で38.4%。 2位は中国で14.1%、3位は北米の13.8%となっています。
世界経済が不況に陥ると、プラチナの主要な消費である自動車排ガス浄化装置と宝飾品の量方が減少するため、世界経済とプラチナ価格は連動している都も考えられます。逆に言えば、世界経済が好調であれば、価格が上昇しやすいといえます。
世界各国の自動車の製造・販売台数や個人消費動向を追うことが、プラチナの先行きを見通すために重要だといえます。
小麦
小麦は、米、トウモロコシと並ぶ世界三大穀物のひとつです。小麦はパンに麺やお菓子など、あらゆる食べもので消費されています。パスタなどの主食でもあり、ケーキなどの間食、そしてウィスキーの原材料にもなっています。
小麦は、砂糖やコーヒーと同様にCRB指数という主要コモディティの指数に組み入れられています。
生産国の1位はEUで20%。2位は中国で17%、3位はインドの13%となっています。
消費国の1位はEUで17.6%。2位も中国で15%、3位も変わらずインドで13%と地産地消がされています。
人口増加が生産に影響することはもちろんですが、干ばつなどの不作が価格に大きく影響します。
コーン(トウモロコシ)
コーンは世界中で消費されている穀物ですが、小麦と違う点は飼料やバイオマスとなりエネルギーとして消費されている点です。
生産国と消費国の1位と2位はアメリカとなっていますが、生産国の3位はブラジルに対して、消費国3位はEUとなっています。
小麦同様に、生産国での干ばつや海面水温が平年よりも高い状態が続くエルニーニョ現象などの気象状況が、とうもろこしの生産量に多く影響します。
天然ガス、銅、プラチナ、小麦など~まとめ
いかがでしたでしょうか。これらのコモディティは、金や銀よりも出来高は小さいですが、その分値動きが激しくトレーディング妙味があると言えます。
プロのトレーダー向けのコモディティといえますが、予想が的中した際には大きな利益をもたらしてくれるでしょう。