米国株は2020年3月に発生した未曽有の金融危機であるコロナショック以降も、堅調に上昇してきました。その背景には異次元の金融緩和があり、投資家は多くの銘柄に対し期待値を膨らませ、楽観相場を経験しました。そこから2年後の2022年、投資家はいよいよ米国株の転換を見極める時期へと差し掛かっています。
この記事では、複雑な株価を変動させる要因について、全体を捉えた「マクロ視点」とセクターや銘柄などで分類した「ミクロ視点」の2つの視点から解説していきます。
またトレンドをより理解しやすくするために、金融政策などの変化についても噛み砕いてお伝えしていきます。
2022年の米国株予想~調整局面から下落局面へ
米国株式市場の今後の動向については、経済評論家やアナリストたちの間では意見が割れています。強気相場予想もあれば弱気相場予想もあります。ただし、これは見る角度によって見解が変わるものです。
まず、米国株市場全体を俯瞰してみると、これまでの楽観的な上昇相場は一旦落ち着き、米国利上げにより下落する可能性が高いといえるでしょう。その理由は、米国の中央銀行であるFRBが利上げ(金融引き締め)に踏み込もうとしているからです。そこで、利上げで株式市場が楽観視できなくなる仕組みについても理解しておく必要があります。
米国金融緩和による好景気演出とインフレ
コロナショック後の米国株は、FRBの量的金融緩和によって強く支えられてきました。FRBは多くの国債を買い取り、そのお金が市中銀行を通じて企業や個人の投資へと繋がりました。そして、量的金融緩和を大規模に続けてきた結果、10年物国債利回りや民間銀行の貸し出し金利は下落していき、企業や個人が低金利で融資を受けることができました。
そのため、企業の場合は設備投資やM&Aなどへ、個人の場合は不動産投資へと資金が流れました。また、国債の金利が下がるということは、債券投資(金利)で稼ぎづらくなるため、手持ちの債券を手放しリスクを取って株式へ投資する人が増えました。米国株は、このような仕組みで好景気が演出されてきました。
FRBの好景気の演出は上手くいき、コロナウイルスの感染拡大があったにも関わらず、企業も個人も投資に意欲的でした。
このような状況下のため、消費も伸び、米国内の多くの小売店やIT機器メーカーなども利益を成長させることができ、多くの投資家が利益を出しやすい投資環境が形成されました。本来なら、コロナウイルスによって景気悪化局面へ突入するところが、史上最大規模の金融緩和で株式市場を支えることで、好循環を生み出したのです。
現在、FRBを通じて市場に流通している通貨供給量(M2)は、2021年までの2年間で40%近く増加しました。ちなみに、日本は13.1%、ドイツは13.7%です。イギリスの研究機関クロスボーダーキャピタルのCEOマイケル・ハウエルは、「米国の金融過剰は突出している」と発言しています。
しかし、それには代償もあります。本来長期的に貨幣価値や物価にも影響してくると言われている量的金融緩和は、早くも高インフレという形で1年半で影響が出始めました。企業の原材料コストが増加し、製造業を始めとする多くの企業がそのコスト負担に耐えられなくなり、消費者が購入する価格へ転嫁し始めています。また、インフレが進む中で、人材確保のために賃金を上昇させなければならないという課題も生まれています。
今後、FRBは金利を上げていき、諸外国や金融機関に債券を売ることで、市場に出回る現金を減らす考えです。しかし、その対処の仕方が適切かどうか疑問視する声が次第に増えてきているのが現状です。
今後の米国株予想
今後の米国株市場では、FRBや企業のインフレへの対応が特に重要になってきます。冒頭でお伝えしたとおり、FRBの利上げが開始されれば、NASDAQやS&P500などといった指数に影響が大きく影響が出るでしょう。場合によっては1、2年は頭を抑えられ、なかなか上昇しにくくなるかもしれません。そのため、米国株指数に投資をしている投資家は、長期保有の視点、あるいはポートフォリオの変更を迫られる可能性があります。
一方で、個別株で見ていくと、必ずしも悪い話ばかりではありません。今年はインフレに対応できている企業が勝者になるでしょう。多くの企業が市況悪化の影響を受けるため、探すのは大変です。この記事で銘柄を探すためのヒントもお届けできればと思います。
「インフレに対応できている企業」の条件は、次の3つが挙げられます。
- 物価上昇の中で賃金を上げ優秀な人材を確保できている
- 総利益率の高い事業を有する(原価率が低い)
- 消費者の生活コストが上昇しても需要のある製品・サービスを生み出し続けている
この3つの条件の中で特に重要なものは、「需要のある製品・サービスを生み出し続けている」ことです。詳しいセクターや銘柄については後ほど解説します。ここでは、難しい局面に突入していく中での考え方を覚えておくだけで大丈夫です。
また、2022年の米国株投資で注目される点はインフレだけではありません。詳しく解説していきます。
2022年の米国株投資は6つのポイントに注意
- 利上げ(金融引き締め)
- エネルギー、食糧価格の高騰
- 中間選挙
- 政治問題
- 新興国経済
- 後払いサービスバブルの懸念
それでは順番に解説していきます。
利上げ(金融引き締め)
まず、利上げを見る時に重要な点は、FRBの利上げのタイミングと金利の上げ幅の2つに注目しなければなりません。ナスダックはS&P500に比べて凄まじい勢いで上昇してきました。利上げが実行されれば、これまでの期待で上昇した反動が起こるでしょう。既に利上げに対する懸念で米国株式市場の多くの銘柄が下落しています。
しかし、FRBはインフレが進んでいるからといって、すぐに金融引き締めをすることができませんでした。FRBが金融引き締め時期を決める際に材料視しているものは「労働市場」です。労働者の賃金が上昇しているなら物価が上昇しても問題ないという見方です。
一般的には失業率が上がることで賃金が低下し、投資控えが進んでデフレになります。しかし、今回は単純にデフレになるとは言い切れないかもしれません。なぜなら、インフレ要因が投資によるものだけでなく、コロナウイルスによって空運・海運輸送などに大きな影響が出ているからです。
FRBも急ブレーキを踏めないため、インフレには段階的に利上げで対応していきます。もし、インフレが加速し、FRBの利上げペースを上回る勢いだった場合、株式市場は全体的に売られる可能性が高いです。投資家は常に最悪の事態に備えておく必要があります。
エネルギー価格の高騰
インフレを把握する上で重要な要因として「モノの流通」があります。その中でも、特にエネルギーは人々の生活に大きな影響を与えるため、投資家は情報を追っていく必要があります。米国にはシェールオイルやシェールガスがあり、欧州向けで大きな利益を得ています。この舞台裏には政治的な問題があります。
本来、ロシアの国営企業ガスプロムがつくったロシア・ドイツ間の天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の稼働によって、ドイツは天然ガスを受け取る予定でした。しかし、米国はウクライナ問題を口実にウクライナに働きかけてその認可を阻止しています。ウクライナは以前、ロシアとノルドストリーム(1)で契約していることから、今回のノルドストリーム(2)にも口出しをする権利を持っています。また、ドイツ側もロシアに対し、ドイツ国内にノルドストリームの支社を設立してから認証プロセスに入るように要求し、先延ばししています。
天然ガス取引価格は、2021年の始めに20ユーロでしたが、昨年末には130ユーロでした。さらにオランダの22年1月渡しの取引では170ユーロまで価格が暴騰しており、イギリスではガス供給企業が仕入れ価格の支払いができず26社以上が経営破綻、欧州全土の大規模工業プラントも閉鎖が相次いでいます。今年の3月には備蓄量は極めて深刻な状況になると言われています。
また、ドイツは2021年末までに半分の原発を停止し、22年末までに完全停止する計画で、状況的には最悪といっていいでしょう。しかし、再生可能エネルギーへの完全移行は現実的ではありません。なぜなら、再生可能エネルギーは総エネルギー消費量のわずか43%だからです。
これらの状況を整理すると、供給が需要に追いつかず、海運輸送にも影響が出ているため、エネルギー価格の高騰および高止まりは避けられません。つまり、米国の製造業なども引き続き大きな負担を強いられることが予想されます。
ドイツは現在米国から船でLNGを受け取っており、ロシアからパイプラインで受け取った方が早いのですが、前述した理由から、米国の天然ガス企業が利益を得る形となっています。それは米国にとっては良い展開です。それでも、欧州内のエネルギー備蓄量の減少ペースは深刻なため、需給悪化継続から、エネルギー価格はさらに深刻な状況になりかねません。
BLS(アメリカ合衆国労働省労働統計局)によれば、直近の2021年12月に天然ガス指数は1.2%下落し、一方で電力指数は0.3%上昇しています。
食料価格の高騰
そして、食料価格にも注意が必要です。食料価格は日本でも値上げが騒がれていますが、米国でも日本以上の勢いで上昇しています。
食料価格の高騰は人々にとって避けられないものです。小麦、大豆、砂糖、トウモロコシ、牛肉、豚肉等の国際取引価格が高騰すれば、時間差こそありますが、食品メーカーの卸価格、そして販売店の小売価格に影響します。すでに上昇しているので、毎月公開される米国のCPI(消費者物価指数)をしっかり確認しましょう。
BSLの2021年12月の調査によれば、食品では果物と野菜が最も増加し一ヶ月で0.9%の上昇を記録しました。一方で肉や魚は下落しました。米国内では、ウォルマートではパスタ、セーフウェイでは牛肉の棚が空になったという報告がSNS上であります。コストコでは食品ではありませんがトイレットペーパーが無くなりました(今回が初めてではありません)。
政治問題
食料価格が上昇した場合に予想されることが、政治的な摩擦です。世界的に感染が再拡大し混乱しています。港は運搬が遅延し、インフレが加速しています。政府は自国民を食べさせるために食料の調達において妥協はできません。そうなると次は関税問題や軍事問題、領土問題などで各国の緊張が高まる可能性が高いです。トランプ政権時は、中国との貿易摩擦によって為替が大きく揺さぶられました。米国株投資家にとってドルは収益に大きく影響するため、見逃せない問題です。
米国中間選挙
さらに、国内政治においても米国はビッグイベントを控えています。それが11月に行われる中間選挙です。
この選挙でバイデン大統領が再選するかどうかが見えてきます。現時点でバイデン大統領の支持率は38%と低く、次期大統領戦で落選する可能性が濃厚になってきています。トランプ元大統領が再出馬する話がある中で、バイデン大統領が中間選挙で悪い結果となった場合、政界はレームダック状態となり、米国は国際政治面でも経済政策面でも厳しい状況に置かれる可能性が高くなるでしょう。
共和党から誰が出馬するかはまだわかりませんが、もしトランプ元大統領が優勢になった場合は、バイデン大統領がやってきたことの多くがひっくり返される可能性が出てくるため、相場に影響があるでしょう。投資家は中間選挙前後はあえて追加投資せずに冷静に投資余力を増やす場面になるかもしれません。
新興国経済
さて、米国株に与える影響として忘れてはいけないのが新興国です。新興国は現在ワクチン供給が不足しており、深刻な状況に陥っています。現在世界中で猛威を振るっているオミクロン型は、ワクチン接種者は軽症で済む一方で、ワクチン未摂取者の重症が増えています。この新興国におけるワクチン供給不足の背景には、先進国が優先的に購入しているだけでなく、サプライチェーンの障害などがありますが、ファイザー製やモデルナ製の値上げで高すぎて買えないという事情も一部の国ではあるようです。
先進国はインフレで新興国の経済成長が鈍化するとなった場合、世界経済の先行き不透明感は強まり、世界の株式市場全体が試練の期間に突入します。そうなった時は銘柄選択が何よりも重要になります。そんな状況でも上昇する銘柄は存在します。2010年から2012年の世界経済が先行き不透明だった時、GoogleやMicrosoftは比較的上昇しませんでしたが、一方でAppleやAmazonは強い上昇を続けました。以下がそのチャートです。
これは、世界が深刻な状況になっても成長する企業はあるということを示しています。
後払いサービスバブル
後払いサービスは、現金が不足している消費者が、毎月の分割払いに変更できるサービスで、Z世代など若者から支持されています。このサービスの特徴は、消費者が信用リスクを負わずに購入ができることです。このサービスを使ってiPhoneなどの高価格帯を購入している人も増えています。
米国の消費者金融保護局が調査したところによると、後払いサービスは山火事のように流行しているとのことです。調査の焦点となったのは次の3つです。
- 消費者が過度に重い債務負担を抱えることがあるかどうか
- 機密性の高い顧客データがで季節に処理されているかどうか
- 企業が必要な規制開示を行うかどうか
たとえば、Affirmは後払いサービス事業の代表格ともいえる企業です。第3四半期に2億6,900万ドルの収益を上げ、前年比54%増加しました。また、Block(旧Square)が買収したafter payも急成長中で、6月30日時点で契約パートナーが6倍以上に増加しています。
しかし、これには大きな懸念があります。ファイナンス企業のクレジットカルマの9月の調査によると、支払い能力の低い層で、クレジットスコアに悪影響があった割合が72%、被害が重大な割合が31%という結果が出ています。
この結果が意味するところは、ビジネスばかりが先行して、賃金が上昇していない低所得者まで巻き込んでいるということです。消費者の消費行動に与える影響は沢山あります。その中の大きな影響の一つとして、後払いサービスの影響にも注意が必要です。
なお、Affirmの幹部たちは昨年末までに保有している自社株を売却しています。
これは、延滞率が増えているため、株価が高いうちに売却したとも読み取れます。コロナウイルスによって不確実性が高まる中、消費動向は米国株式市場にとって極めて重要な材料になるため、投資家は後払いサービスの延滞率の増減について、気にしなければなりません。
決済企業大手であるブロック(旧スクエア)も同様に下落しています。
おすすめ米国株銘柄とセクター
EV関連株
今年EV業界で注目なのはテスラとシャオペンです。
テスラは、EV界の巨人であり、リーダーです。彼らはこれまでも上手な立ち回りをしています。売上に大きな貢献をしている中国市場で補助金が切れた時に備えて価格を事前に上げることも行っています。テスラには十分な自信があるから値上げができました。また、中国では購入の際に頭金をゼロにするなどの施策も展開しています。
中国の消費者は何年もの間、テスラの値上げと値下げにトレーニングされてきたため、価格の変化に慣れています。一方でライバルのニオなどは、補助金がないと厳しい環境です。中国の補助金は引き下げられていくため、補助金に頼っているライバル企業は仕方なく値上げするしかありません。つまり、テスラの戦略とは大きく異なります。
また、現在テスラは需要に対して供給が不足している状態のため、今注文しても今年の第1四半期まで配達されません。そのため、顧客も理解した上で価格を上げることができます。さらに、テスラは半導体不足の中でも業績を更新しつづけており、次はインドに進出する準備をしています。まだ現地で多くの手続きが必要のようですが、人口の多さからもテスラの販売をスタートさせれば大きな成果が上がると予想できます。
ただし、テスラの投資時期は見極めが必要でしょう。FRBの利上げ実施後に多くの株が下がり巻き込まれる可能性が高いでしょう。その後、結果を残せる企業ということで再度注目されるという見方ができます。
さらにイーロン・マスクはドージコインを使ったテスラ関連商品の購入を試験的に行うとTwitterで発言をしました。それを本格化させた場合、「ドージコインの保有リスクをテスラが取る」と解釈されることになり、今後もイーロン・マスクの口先介入によってドージコインの上昇が予想されます。それがテスラの財務を強化することになるかもしれません。
そして、もう一つの銘柄が中国企業であり米国にも上場しているシャオペンです。この銘柄は香港にも上場しており、中国の投資家だけでなく多くのディーラーやアナリストが期待している銘柄です。中国の新興EVメーカーの中で最も販売台数が多いため、実績も十分です。株価は2020年11月の最高値の74.49ドルから大きく20ドル以上下落しているため、割安感が出てきています。ただし、売上上昇の一方で最終損失が大きいため、相場の勢いを見る必要があるでしょう。
IT関連株
次に注目するべきはIT企業です。今後インフレが継続する懸念があるため、その前提に立って考えた場合、利益率が高く、一つの事業へ集中投資をしている企業に注目できます。そのような企業は投資による期待が先行し、株価と共にPERが上昇します。
Appleを例に挙げると、彼らはこれまでiPhoneにクアルコムのチップを採用していましたが、それをやめて自社製チップであるM1を採用する予定のため、市場の評価も期待できます。ただし、昨今の半導体不足がどれほど、次期iPhoneの生産台数に影響するかが懸念材料となります。
映像関連株
映像業界では、NetflixとIMAXに注目できそうです。
Netflixは品質の向上と世界におけるシェアのさらなる拡大にむけて優秀な人材の採用に力を入れています。Netflixの採用ページを見ていると、その様子が窺えるでしょう。そして、レオナルド・デカプリオなどを起用してオリジナル映画も創るほどにまで、著名ハリウッド俳優を巻き込んでビジネスを拡大していっています。ビジネスでは素早くシェアを確保し、守り抜いた企業がその世界では勝者になります。彼らのライバルにはAmazonやDisneyがいますが、ドラマや映画、アニメといった映像コンテンツを広く捉えた時、市場シェアをより多く獲れる米国企業は、Netflix以外にはいない状態です。
北米では、インディーズ映画製作者たちがまずどこで販売するかを考えた時に、数あるビデオプラットフォームの中からNetflixを選択する傾向があります。また、Amazon Prime VideoはUI(ユーザー・インターフェイス)、UX(ユーザー・エクスペリエンス)があまり進化していないため、その点でもNetflixはリードを続けると予想できます。
撮影機、映写機メーカーのIMAXもこの記事でピックアップします。近年、IMAX製品を撮影に導入して話題になったのは「テネット」や「インセプション」などの監督として有名なクリストファー・ノーランです。IMAXは、通常のスクリーンに比べ、比較的正方形に近い画面比率になり、音も立体的なのが特徴です。撮影機はフィルムとデジタルの双方の機器を販売しており、映像業界に新たな価値を与えようとしています。
彼らの商圏では北米と中国に注目できます。北米地域はオミクロンで感染拡大していても映画を見たいと考える人口は多いです。なぜなら、デルタ株が拡散する前も客足の戻りが早かったからです。また、中国市場では、中国人の日常的な遊び場として映画館があり、気軽に見に行く風潮があります。人口も14億人おり、IMAXシアター数が激増しているため、期待できるでしょう。もちろん日本でもIMAXシアター数も増えています。直近ではオミクロンの影響があるため、投資タイミングは他のセクター同様に見極めが重要となるでしょう。
米国には中国企業もADRという形で数多く上場しています。2021年は多くの中国当局による規制が行われ、多くの中国ADRが売られました。ビリビリは多くの市場関係者にも注目されていましたが、157ドルの最高値から40ドル以下まで大きく売られています。彼らは現在転換社債の売却によって資金調達をし、耐え忍んでいます。
この当局の規制の潮目が変わるのが今年になる可能性は高いです。そろそろ規制も終盤に突入し、北京オリンピックで注目を集めた後、割安感のある中国ADR銘柄が買い戻される展開も十分に考えられます。ただし、ひとつ気をつけなければならないことは、中国ADRの多くが赤字です。売上の成長、顧客(ユーザー数)の増加などの実情を、調べておく必要がありそうです。
2022年米国株投資戦略まとめ
2022年の米国株は、国内のインフレや世界経済の影響を受け難易度が上がり、多角的な視点を持って総合的に相場を判断することが求められるでしょう。FRBの未曽有のインフレ経済に対応するために、急速にタカ派に偏ってきました。1月から投票権のあるメンバーはよりタカ派が多くなるため、利上げは粛々と推し進める可能性が高いでしょう。
高インフレと金利の上昇には多くの懸念材料が存在しますが、必ずチャンスも存在します。来たるべき時に向けて現金余力を蓄えておくことが、収益をあげるために重要なのではないでしょうか。