投資のセオリーのひとつとして「分散投資」があります。国や金融商品、セクターや買い付け時間を分散させ、資産を安定させるという方法です。
しかし、国際分散投資を行うと、経済成長率が悪い国、通貨のリスクなども同時に追うことになります。米国株式市場を代表する指数にS&P500があります。構成銘柄はの企業は、売り上げの6割程度が米国であり、残り4割程度は国外の売り上げとなっています。つまり、グローバル企業群となっているわけです。
そのため、国別に分散投資を行わなくても、米国のグローバル企業に投資を行うことは、国際分散投資を行うことになるのです。
世界的に見ても、米国株のパフォーマンスは優れていますから、わざわざ他の国へ分散投資を行うのではなく、米国企業内での分散投資が適切なのではないでしょうか。
世界的投資家であるウォーレン・バフェット氏も、ほぼ米国株にしか投資を行っていないことからも、分散投資の答えは出ているといえそうです。
米国の成長を支えるセクターで分散投資
積立投資の話では、ネットフリックスやアマゾンに集中投資をしていれば、爆発的なパフォーマンスを得られたことをお伝えしました。
しかし、1銘柄への集中投資は外れた場合にパフォーマンスに大きな影響が出ます。
そのため、米国の成長を支えているセクターに絞って投資を行うことが良いのではないでしょうか。
【米国の繁栄を支えているセクター】
・ハイテク
・ヘルスケア
・半導体
・金融
この中で代表的な銘柄やETFを保有することが、優れたパフォーマンスをあげるための投資戦略といえます。
ハイテク
米国の繁栄を支えている新しい技術はハイテク産業から多く誕生します。インターネットの根幹を握っており、GAFAやFAANGも全てハイテクセクターとなります。
【代表銘柄とETF】
・アドビシステムズ
・セールスフォースドットコム
・クラウドストライクホールディングス
・バンガード・米国情報技術セクターETF
・インベスコQQQ トラスト・シリーズ1
ヘルスケア
世界的な感染症や高齢化の波が押し寄せるなか、ヘルスケアセクターの需要は安定しています。リーマンショックや新型コロナウイルスが金融市場を直撃する中、影響を受けづらいことも特徴です。
それでも、ヘルスケア企業1社に投資を行うことは、治験の成功や薬価引き下げなどの影響を受ける可能性があります。そのため、分散させたりETFへの投資が良いでしょう。
【代表銘柄とETF】
・ジョンソン&ジョンソン
・P&G
・スリーエム
・メルク
・バンガード・米国ヘルスケア・セクターETF
半導体
スマートフォンやタブレットなどの電子端末は普及が続いており、半導体は次世代イノベーションの中心といえます。また、次世代通信の5Gやビットコインのマイニング、ゲームマシンにも半導体は欠かせない存在です。
【代表銘柄とETF】
・エヌビディア
・ブロードコム
・マイクロン・テクノロジー
・アドバンスト・マイクロ・デバイシズ
・ヴァンエック ベクトル半導体株ETF
金融
高い成長力のある米国のなかで、利益を享受できるのはやはり金融セクターです。資産運用会社を持つ金融機関や、投資家にサービスを提供する証券会社などを中心に、電子決済等を行う企業も有望です。
【代表銘柄とETF】
・ペイパル
・バンク・オブ・アメリカ
・JPモルガン・チェース・コーポレーション
・ビザ
・金融セレクト・セクターSPDRファンド
まとめ
個別銘柄とETFの動向を見ておくと、ヘルスケアセクター以外は1番銘柄と2番手銘柄に絞った方が高いパフォーマンスが得られていることが分かります。そのため、パフォーマンスの乖離が始まったら、成長力のある企業に絞り込んだ方がより収益が上がる結果となります。
分散投資は本当に必要なのかどうか、考えさせられるデータですね。