金融相場と業績相場のサイクルを知ることで株式投資をより有利に

ランダムに動くように見える株式相場ですが、4つのサイクルが存在します。

今の相場がどのサイクルにあるのかを理解することで、大きなトレンドに乗ることや下落リスクを回避することができる可能性を高めることができるでしょう。

今回は、株式相場の4つの相場サイクルである金融相場と業績相場、逆金融相場、逆業績相場の特徴について解説していきます。

株式相場のサイクル

株式相場の4つのサイクルには、上昇相場の金融相場と業績相場と下落相場の逆金融相場と逆業績相場があります。

▼相場のサイクルの株価動向と中央銀行の政策

相場サイクル株価金融政策
金融相場上昇緩和
業績相場上昇緩和終了
逆金融相場下落引き締め
逆業績相場下落引き締め終了

株価の上昇は、金融緩和による金融相場で始まり、業績相場でさらに上昇。

株価の下落は、金融引き締めによる逆金融相場で始まり、逆業績相場でさらに下落するというサイクルが一般的です。

逆がつくと、不景気に突入する可能性があるとも覚えておきましょう。

それぞれの相場サイクルに関して、解説します。

金融相場

景気が悪い時に中央銀行が金融緩和を行うことで、株価が上昇し始めるのが金融相場です。

低金利になり、世の中にお金が出回ることで、企業は貸し入れをしやすく、また利払い負担が軽くなることで設備投資を積極的に行いやすくなります。そのため、企業業績回復を期待して株価が上昇しやすくなります。先の好景気への期待感で株が買われるため、不景気でも株高となる場合があります。

この時に、金利に敏感な不動産や証券などの金融セクターや、鉄鋼、化学や工作機械などの設備投資関連などの景気に敏感なセクターの株が買われやすくなります。

また、業績が伴わない相場のステージであるためバイオセクターなども買われやすい傾向があるとされています。

金融相場の特徴
金融政策:金融緩和
株価:上昇

買われやすい銘柄:景気敏感セクター、不動産、金融、、鉄鋼、化学、工作機械などの銘柄

業績相場

世の中にお金が出回まわったことで設備投資がなされ、企業の業績が良くなるのが業績相場です。

これまで金融緩和による景気回復期待で上昇していた相場に、業績が伴うことで景気が回復する実体経済が評価されます。

また振興企業への投資が盛んになり、それらが好業績を出すことでさらに相場が盛り上がる場合もあります。新規上場(IPO)も非常に人気となり、初値が高くなる傾向にあります。

ここで買われる株は、業績が伴っていたり、景気拡大でメリットを受ける高級品やレジャーなどとなります。

業績相場の特徴
金融政策:金融緩和の終了
株価:上昇

買われやすい銘柄:好業績銘柄、新興銘柄、割安株

逆金融相場

景気が良くなると、中央銀行は加熱しないように引き締めに転じるのが逆金融相場。

中央銀行の役割は物価の安定です。景気拡大局面では、インフレ傾向であることから、それが行き過ぎないようにします。そのため、金融引き締めによって金利を引き上げることで世の中に出回るお金の量を縮小させます。

逆金融相場では、株価は調整局面となり下落に転じる場合が多くなります。

ここで買われやすい株は、金利上昇時でも業績に影響の出にくい財務体質が強固な企業となります。

逆金融相場の特徴
金融政策:金融引き締め
株価:下落

買われやすい銘柄:財務体質やバランスシートが安定している企業

逆業績相場

金融引き締めにより景気や企業業績の先行きが悪化することで株価が下落するのが逆業績相場です。

調整相場だと考えられていたこれまでと違い、企業業績が悪化することで本格的な下落トレンド入りすることが考えられます。

この状況でも買われやすい株は、景気と業績の連動性が低い医薬品や建設インフラ、生活必需品といったディフェンシブセクターです。

業績相場の特徴
金融政策:金融引き締めの終了
株価:下落

買われやすい銘柄:医薬品、建設インフラ、日用品などのディフェンスセクター

まとめ

相場は金融から始まり、後から業績が伴ってくることがほとんどです。そうなると、金融政策を行う中央銀行の動きを見ることが非常に重要といえます。

また株式相場は、半年ほど先を見て売買されることが多いと言われていますし、企業の業績予想や月次報告、経済指標などである程度の予想を立てることができます。

投資をする際には、株式相場が今どのサイクルにあるのかを押さえたうえで投資をすることで、利益を出しやすいのではないでしょうか。

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