コロナショックに学ぶ株式投資戦略とは?金融商品の価格動向まとめ

2020年に訪れた世界的危機である新型コロナウイルス。ロックダウンや移動規制などの影響で急変した金融市場は、コロナショックとして世界中を飲み込みました。しかし、その後は先進国の中央銀行による大規模な金融緩和や、かつてない規模の財政支出により劇的に回復。史上最高値を更新する株や金融商品も相次ぎました。

新型コロナウイルスに見舞われた2020年の金融市場を振り返るとともに、過去の金融危機と比較。今後、ショック相場が訪れた時の参考になれば幸いです。

コロナショックの金融商品の動向

まずは、コロナショックの際の株価や為替、商品の値動きを振り返っておきましょう。

▼2020年の主要金融市場の株式など金融商品の価格動向

商品始値高値安値終値騰落率
NYダウ286383063718213306066.87%
ナスダック65061297364571288898.09%
日経平均2331927602163582744417.69%
ドル円108.59112.28101.18103.21-4.95%
152120891450189524.59%
WTI原油61.665.65-40.3245.34-27.40%
期間:2020年1月~2020年12月

NYダウはわずか1ヶ月で史上最高値から1万ドル以上、30%以上も急落。しかし、その後は順調な反発相場となり、5カ月程度かけて下げ幅を取り戻す展開。11月には史上最高値を更新し、11月24日には3万ドルを突破しました。

コロナの影響でオンライン化が一気に進んだことにより、情報技術関連の銘柄が多く構成されているナスダックは3月の急落から3ヶ月で史上最高値を更新。その後も年末にかけて上昇を続け、2020年の最安値からほぼ2倍となる上昇を演じました。

一方で、為替市場では米国の大規模な金融緩和と財政支出によりドル安が進行。ドル円は110円台から100円台前半まで下落が進行し2019年の安値を更新し2016年ぶりの安値水準へ。ユーロドルは1500ポイントほど上昇し、2019年の高値を更新しました。

商品を見ていくと、ゴールド(金)が急落の後にリスクオフとドル安の波に乗って史上最高値を更新。4月には急落前の高値を突破し、7月には史上最高値を更新。一時2000ドルを超え動きを見せました。

WTI原油は未曽有の事態に陥りました。行動規制による航空機需要の落ち込みました。しかし、減産が行われなかったため原油在庫が積み上がり、先物取引の決済期日に投げ売りが加速。4月20日に原油先物の5月物の価格は、一時、前代未聞のマイナス価格に突入し、マイナス40ドル台まで急落しました。

新型コロナウイルスと金融市場

世界の新型コロナウイルスの感染状況と各国の対応や金融・財政政策のタイムラインを押さえておきましょう。

◇各国の非常事態宣言、移動制限

1月31日WHOが国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言
2月3日中国株が2015年以来の下げ幅を記録
上海総合指数(-7.7%)、深セン総合指数(-8.4%)が暴落
2月12日NYダウが史上最高値へ
2月28日日経平均2月パフォーマンス:前月比マイナス2,062円(-8.9%)
NYダウ2月パフォーマンス:2846ドル(-10.67%)

▼3月

3月6日世界全体の新型コロナウイルス感染者数が10万人を突破
OPEC+で大幅な協調減産を協議するもロシアが合意せず。協議決裂を受け、サウジアラビアは増産に乗り出す姿勢を示す
3月9日イタリアが全土で移動制限
全世界の株価が急激に下落へ
3月11日WHOが新型コロナウイルスによる感染症の流行はパンデミックであると表明
米国がヨーロッパからの入国を30日間停止すると発表
3月12日NYダウが一時10 %以上の暴落
3月14日スペイン:非常事態宣言を発動し移動制限へ
3月15日フランス:レストランや映画館などの多くの商店が15日から閉鎖
EU:マスクやゴーグル、防護服などの医療用品のEU域外への輸出を制限する措置
南アフリカ:非常事態宣言を発動
3月16日ドイツ:国境封鎖、貨物は対象外
NYダウが12%以上の暴落
3月18日VIX指数(恐怖指数)が85.47まで急伸し、2020年最高値を記録
3月19日FRBが、オーストラリア、ブラジル、韓国、メキシコ、シンガポール、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、ニュージーランドの中央銀行と通貨スワップ協定を締結
3月22日世界全体の新型コロナウイルス感染者数が30万人を突破
3月26日米国の新型コロナウイルスの感染者数が8万3500人を超え、世界最多に
米国の3月第3週の新規失業保険申請件数が328.3万件、過去最悪の結果に
3月27日米国で過去最大の2兆ドル(約220兆円)規模の景気刺激策法案が成立
3月28日世界全体の新型コロナウイルス感染者数が60万人を突破
日経平均3月パフォーマンス:前月比マイナス2225円(-10.53%)
NYダウ3月パフォーマンス:3492ドル(-13.74%)

▼4月

4月3日世界全体の新型コロナウイルス感染者数が100万人を突破
FRBが0.5%の緊急利下げを決定
4月4日カナダ中央銀行(BOC)が0.5%の利下げを決定
4月11日イングランド銀行(BOE)が0.5%の緊急利下げを決定
4月12日欧州中央銀行(ECB)新型コロナウイルスの経済的な影響を緩和する金融政策
パッケージ(1200億ユーロの資産を購入など)を発表、政策金利は据え置き
4月13日米国:新型コロナウイルスへの対応で国家非常事態を宣言し約500億ドルの連邦政府の支援金を提供
FRBが総額370億ドルの国債買い入れを実施
カナダ銀行:4日の利下げに続き0.5%ポイントの緊急利下げを決定
EU:370億ユーロの投資促進策を導入
中国人民銀行:一部銀行の預金準備率引き下げ、790億ドル市中に供給
4月16日ニュージーランド中央銀行:75bpの緊急利下げを実施、過去最低の0.25%へ
FRB:1%の緊急追加利下げを決定。今後数カ月で米国債などを7千億ドル購入へ
オーストラリア中央銀行:追加政策を19日発表へ、国債購入を視野に
日本銀行、FRB、ECB、英中銀、カナダ中銀、スイス中銀とともに、米ドル・スワップ取り決めを通じた流動性供給を拡充するための協調行動へ
※各中銀は米ドル・スワップ取り決めに適用される金利を25bp引き下げ、新たな金利を米ドル・オーバーナイト・インデックス・スワップ・レートに25bp上乗せしたものとすることで合意
日本銀行:緊急会合を実施し、ETF/J-REITの積極的な買い入れの上限を増枠。ETFの購入上限を6兆円から12兆へ、J-REITを900億円から1800億円相当へ

▼4月の株価指数パフォーマンス

日経平均:前月比1276円(6.75%)
NYダウ:2428ドル(11.8%)

【新型コロナウイルス対策】主要国の金融緩和・財政政策の規模

新柄コロナ対策関連の全世界の財政支出や金融支援は、2020年を通して13兆ドル(1340兆円)を超える規模となりました。

米国が3兆ドル、日本が1.7兆ドル、ドイツが1.5兆ドルと主に先進国が大胆な財政支出を打ち出すことで景気の落ち込み歯止めをかけてきました。なお、感染源の中国は9000億ドル程度。

世界の債務のGDPに占める割合は5%と、リーマン危機時(1.6%)の3倍超に達しました。

IMFによると、2021年の先進国の政府債務はGDP比125%を超えになる見通しとなっています。

これは、リーマン・ショック直後(89%)はもちろん、世界中で債務が急増した第2次世界大戦後の1946年(124%)をも超えることになります。

出所:zerohedge

米国:3兆ドル(約320兆円)
米国は計4回と、相次いで新型コロナウイルス対策を実施しました。
家計支援として、1人あたり最大600ドルの現金給付や失業保険。
中小企業対策として、毎回3000億ドルを超える雇用維持支援。
ワクチンの普及など医療体制の整備には、4月時点で750億ドルの政府資金の用意を決定。その後も、同じ規模で支援を行いました。

日本:2.4兆ドル(約250兆円)
雇用調整助成金:10兆円超
時短営業協力費用:500億円
1人当たり10万円の現金給付:12兆8803億円
持続化給付金:5兆3000億円

ドイツ:1.5兆ドル(約210兆円)
中小企業への支援の補助金:1兆ユーロ(約125兆円)
零細企業と個人事業主に対する支援:500億ユーロ(約6兆2500億円)
中小企業向けの給付型つなぎ資金:250億ユーロ(約3兆1250億円)

※ドル円は104円で計算
※ユーロ円は125円で計算

まとめ~コロナショックに学ぶ投資戦略の基本と今後の生かし方

世界中が、新型コロナウイルスという未曾有の危機に陥った2020年。

主要国の株価は、100年に一度の経済危機と呼ばれたリーマン・ショックをも上回るスピドで急落しました。しかし、世界的に大規模な金融緩和と財政出動を行うと株価は大きく反発。下落期間はわずか1ヵ月で終わり、数か月後には下げ幅を全て取り戻す展開となりました。そして、米国株は年末にかけて史上最高値値を更新しました。

どんなに経済状況が悪くても、経済が耐えられるだけのお金を市場や社会に共有されると、株価は上がるということを大きく感じさせられました。

経済危機に対して中央銀行は迅速に対応し、できる限りの手を打ってきました。

経済対策を実施している最中は相場は下落し続けるものの、株価が下げ切ると相場はしっかりと反発するという時差も投資を行う際には重要です。

一方で、政府は財政支出の協議を行うことから、どの業種や分野、ヒトにどれだけの資金が供給され、そのインパクトがどれくらいになるかが計算できます。

今後、コロナショックのような経済危機が起きた際には、今回の中央銀行や政府の動き、そして相場の動きが非常に参考になるでしょう。

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