インド株ETF特集!おすすめインドETFの最新情報

ETF

インドのファンダメンタルズ分析

GDP成長率は、世界中で最も回復が期待されています。4月6日に発表された国際通貨基金(IMF)の最新経済予測は以下の通りです。

   実質GDP(%)
2020年2021年2022年2026年
世界-3.36.04.43.3
アメリカ-3.56.43.51.6
ユーロ圏-6.64.43.81.6
日本-4.83.32.50.5
中国2.38.45.64.9
インド-8.012.56.96.5
ASEAN5-3.44.96.1NA
出所:国際通貨基金 2021年4月「世界経済見通し(WEO)」

:インドについては、データと予測が財政年度で表示されており、20-21年度は20年4月に始まった。インドの成長率を暦年ベースで見ると、20年が―7.1%、21年が11.3%。
https://www.imf.org/en/Publications/WEO/Issues/2021/03/23/world-economic-outlook-april-2021

IMFは、 2026年時点の予測も発表しています。インドは6.5%としていますが、これより高い成長率と予測しているのは、バングラデシュ(7.2%)、カンボジア(6.8%)、ベトナム(6.6%)、フィリピン(6.5%)、セネガル(6.5%)だけです。世界で最も大規模な経済成長を続けるのは

インドの他の経済指標について

出所:国際通貨基金 2021年4月「世界経済見通し(WEO)」

労働力を支えるインドの人口動態

こうした強い経済成長を支えるのが、労働人口の伸びです。人口動態から分析すると、今後最も経済成長を支えることになるでしょう。

出所:経済産業省(PDF)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/iryou/downloadfiles/pdf/countryreport_India.pdf

中間所得層の伸び

経済発展とともに、中間所得層が増加しています。今後の経済成長を考えるとさらに中間所得層は数が増えていくと予測されます。この中間所得層が、消費の中心となっていきます。

出所:経済産業省

2020年時点で、インドの家計における電気冷蔵庫の普及率は、40%未満です。エアコンは25%、電気洗濯機や乗用車は10%未満と言われています。急速に先進国並みにこうした耐久消費財への支出が増えていくと予測されます。

出所:内閣府、Euromonitor International

インドの株式市場

インドの株式市場ですが、様々なセクターに程よく分散しています。他国との比較は以下の通りです。

インドの株式指数のセクター別構成

出所:イーストスプリングス、MSCI(2020年12月31日時点)

世界のIT産業においては、インドはソフト開発において、なくてはならない存在になっています。 あまり知られていませんが、インドの製薬会社はジェネリック医薬品の生産国です。世界のワクチン市場の約50%、アメリカで販売されるジェネリック医薬品の約40%、イギリスで販売される医薬品の約25%を製造しています。中間所得層の消費を考えると、輸出に頼るまでもなく、国内需要の伸びも大きくなると予想されます。

インドの経済政策

2014年の政権発足以降、モディ首相は様々な経済改革“モディノミクス”を着実に実行しています。外資の製造業をインド国内に招致する「メイク・イン・インディア(インドでものづくりを)」政策や、その推進を目的とした海外からの直接投資規制の緩和、インフラ整備等を積極的に進めています。また、銀行の不良債権処理を進めるための改正破産法の成立、高額紙幣の廃止、 GST(物品・サービス税)の導入といった経済改革に必要な法律や税制の整備も着実に進めています。

インドルピーの対円為替レート推移

インド・ルピーですが、対円で見ると今一つパフォーマンスはよくないようです。超長期で見ると台湾ドルのパフォーマンスが高く、一昨年末からの約1年4か月間では、ドル円の円安傾向にもかかわらず、戻し切れていないようです。その分、現地通貨建ての株価のパフォーマンスで為替部分を補っていく必要があります。

2016年年末基準のアジア各国の対円為替推移(~21年4月16日)

出所:FRBのデータから計算


2019年年末基準のアジア各国の対円為替推移(~21年4月16日)

出所:FRBのデータから計算

おすすめインド株ETFの紹介

iシェアーズ MSCI インディア インデックス(INDI)

「INDI iシェアーズ MSCI インディア インデックス」ですが、日本の証券会社での取り扱いはシンガポール上場のETFでiShares MSCI India ETF(シンガポール:INDI)となります。基本的にはアメリカ上場のETFと同じETF である、iShares MSCI India Index ETF(NY Arca:INDA)になります。

INDI(=INDA)は、MSCIベンチマークから小型株を除いた、時価総額の85%をカバーする代表的な銘柄バスケットを提供しています。このようなバスケットは、インドのようなアクセスしにくい市場では一般的であり、市場全体の優れた近似性を実現しています。アメリカでは2012年初頭に発売されています。資産の90%以上を対象となるインデックスの構成銘柄と、それと実質的に同一の投資対象に投資します。インデックスは四半期ごとに見直され、半年ごとにリバランスされます。

出所:楽天証券より

iシェアーズ MSCI インディア インデックスETFの特徴

同じファンドで、アメリカ上場のETFであるiシェアーズ MSCI インディア インデックス*iShares MSCI India Index ETF(NY Arca:INDA) について解説します。

  • 世界で最も急速に成長している経済へのアクセスを提供するコスト効率の高いETF
  • iシェアーズ MSCI インディア ETF は、MSCI インディア・インデックスの投資成果に連動するように設計されています。
  • インドは極めて良好な人口統計学的特性を有しており、今後10年間で飛躍的な成長が期待されます。
  • 世界中の投資家は、インドが持つ潜在的な可能性を理解し始めたばかりです。これまで外国人は、この国に意味のある資金を投入することに慎重でしたが、それも徐々に変わりつつあります。政府が外国人投資を支援する政策を打ち出したことで、外国人投資家の増加が期待されています。

iシェアーズ MSCI インド・インデックス ETF (INDA)は、長期的な投資戦略を持つ投資家に、インドのポテンシャルを活用する機会を提供します。アメリカにおいて資産残高が49億ドルを超えるINDAは、インド経済を対象としたETFとしては最大のものです。また、経費率の観点から見ても、同業他社の中で最も安価なETFです。

市場のボラティリティーが高まり、パンデミックによる世界的な景気後退にもかかわらず、インドの株式は2020年3月の安値から力強い回復を見せました。同国のインデックスは、インドの比較的厳しい規制と歴史的な経済収縮にもかかわらず、下半期には過去最高を記録しました。

エネルギー・セクターは、原油価格と需要が崩壊し、石油精製の利益が減少したにもかかわらず前進し、指数の上昇につながりました。また、ヘルスケア・セクターも、世界的な景気回復を背景に、過去1年間に渡って好調に推移しました。COVID-19 ワクチン療法の競争は、投資家の強い関心を引きました。また、情報技術セクターや消費財セクターも指数の上昇に貢献しました。また、ワイヤレス通信事業者も加入者数の増加を受けて上昇しました。

一方、市場で最も遅れをとったのは金融セクターでした。不良債権に対する引当金が急増したため、銀行株は打撃を受けました。

iシェアーズ MSCI インディア インデックス(INDI)の構成株式銘柄

INDI(INDA)は、複数のセクターに分散して投資しています。最も貢献しているのは金融セクターで、次にテクノロジーとエネルギーが続きます。金融セクターは過去1年間で遅れをとっています。しかし、このセクターへのエクスポージャーが最も大きいにもかかわらず、ファンド全体では、過去12ヶ月間に20%以上のプラスのリターンを実現しました。

当ファンドの上位10銘柄は、ポートフォリオの47.8%を占めています。その上位10銘柄には、最も堅牢で最も成功しているインド企業が含まれています。例えば、リライアンス・インダストリーズは9.55%のウェイトを占めています。過去数四半期にわたり、石油化学製品、小売、通信の各分野で力強い成長を遂げています。また、情報技術大手のInfosys(INFY)も保有しています。Infosysは、クラウドやデジタル・プラットフォームの分野で積極的に買収を行っています。当ファンドの上位10銘柄はいずれも見通しが明るく、長期的に市場全体をアウトパフォームし続けることが期待されます。

INDAは、バリュエーションの面では最も安いとは言えませんが、同業他社と比較してもかなりリーズナブルです。最も注目されているインド企業をポートフォリオに保有しているため、長期的な投資視野を持つ投資家にとって、そのバリュエーションは懸念材料ではないと思われます。

iシェアーズ MSCI インディア インデックス(INDI)の保有上位株式銘柄

ティッカー保有銘柄名称保有比率
500325Reliance Industries Limited9.55%
500209Infosys Limited8.11%
500010Housing Development Finance Corporation Limited7.27%
532540Tata Consultancy Services Limited5.19%
532174ICICI Bank Limited5.03%
500696Hindustan Unilever Limited3.47%
532215Axis Bank Limited2.67%
532454Bharti Airtel Limited2.29%
500034Bajaj Finance Limited2.20%
532281HCL Technologies Limited1.84%
500820Asian Paints Ltd.1.73%
500247Kotak Mahindra Bank Limited1.66%
500510Larsen & Toubro Ltd.1.61%
532500Maruti Suzuki India Limited1.59%
全銘柄数:99銘柄
出所:ETFDB.com

上の表からわかるように、INDAはインド経済を追跡する資産残高が最大のETFです。さらに、同業他社と比較して最も安価なファンドでもあり、経費率はわずか1.03%(米国上場では0.69%ですが、日本での取り扱いはありません)です。

iシェアーズ MSCI インディア インデックス(INDI)のリスクは?

最大のリスクはインドの地理的なリスクが考えられます。iシェアーズ MSCI インディア インデックス(INDI)の投資対象がすべてインドの企業であることから、好ましくない政策の発表や体制があれば、ETFのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。現在の外国人に友好的な投資環境が今後も続くという保証はなく、不利な措置がとられた場合には、国内からの強力な資本流出を引き起こす可能性があります。同国への投資には、法的、規制的、政治的、通貨的、経済的なリスクなど、インド特有のリスクがあります。

ボトムラインを考えてみます。インドが今後10年間で経済大国になると信じられる理由はたくさんあります。米国と中国の間の緊張が高まることで、インド企業は多国籍メーカーとの長期契約を獲得することができます。それだけでなく、両国の緊張関係が高まることで、インドはより多くの外国投資を集めることができます。

また、インドは世界最大の労働力を有しています。多くの国が高齢化に直面していますが、インドはその反対で、人口の平均年齢はわずか28歳です(米国の40歳以上と比較して)。これらの利点により、インドは2025年までに5兆ドルの経済大国になるという目標を達成することができます。その意味で、INDIは投資家にこの勢いを利用する機会を提供します。

ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF

VanEck Vectors India Growth Leaders(GLIN)

GLINは、成長企業に焦点を当ててインド株へのユニークなエクスポージャーを提供しています。対象となるユニバースには、インドに上場しているすべての企業が含まれています。インデックスプロバイダーは、各企業について、成長性、価値、収益性、キャッシュフローという4つのファンダメンタルズに基づいて、日々の平均加重スコアを算出しています(公開資料より)。ファンダメンタル・スコアの高い上位80社がインデックスに選ばれ、時価総額で加重平均されます。インド株へのエクスポージャーを提供する多くのETFと同様に、当ファンドは、ファンドの税務上、モーリシャス共和国に所在する子会社を経由して投資を行います。

このETFの難点は、資金が全て特定のファンドに投資されていて、保有銘柄についての情報開示がありません。コンセプトはいいのですが、ETFとして最も重要な情報開示が足りていないということは致命的な欠点となります。

インド株ETFが取引できる日本の証券会社

インドETFとインド株ファンドを取引できる日本の証券会社を調べてみました。楽天証券、マネックス証券、SBI証券でほとんど取引が可能です。

ティッカー銘柄名上場楽天証券SBI証券マネックス 証券IG証券
2836iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア・インデックスETF香港有り有りなしNA
3015db xトラッカーズ ニフティ50 UCITS ETF香港有り有りなしNA
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