おすすめ米国高配当株ETF~2022年最新版

ETF
目次

2022年投資環境から考える米国株投資戦略

  • 米国インフレの台頭と利上げで米国株式市場はグロース株から業績相場に移行する
  • 利上げ局面ではハイテク・ハイパーグロース銘柄への投資は避けるべき
  • 高配当のエネルギー関連企業や工業用資源関連や農作物関連の企業群の株は恩恵を受ける可能性

2022年米国金融市場と米国株投資戦略の詳細分析

2022年は、FRBが超金融緩和から金融引き締めにどのようなペースで移行するのかが大きなテーマとなりそうです。金融引き締めが始まると時期は前後しますが、その後米株は調整局面を迎えています。通常、利上げを行うことで、短期金利が上昇し、長期金利との金利差が無くなり(イールドカーブはフラット化)、2年10年債の金利差が無くなると、その後景気後退局面となり株価も調整しました。株式相場は、景気循環に従い(先行し)、経済の動向を織り込んでいきます。今現在のアメリカ株式市場は、COVID-19のパンデミックからの回復局面にあり、需要が拡大しつつあります。そうしたなかパンデミックの影響からサプライチェーンの混乱も重なり、インフレ懸念が大きくなっています。

既にエネルギー価格や様々な商品価格は急上昇し、生産者物価指数は前年同期で20%以上で推移しています。これほど高い伸びは、リーマン・ショックの直前の金融引き締め期以来です。FRBは、これまで、インフレは一過性だと主張してきましたが、秋以降は、インフレに対する懸念を警戒し始めています。FRBは遅かれ早かれ、インフレ懸念を一掃すべく利上げもしくはバランスシートの縮小を始めるでしょう。長期金利を上げて住宅市場を落ち着かせたいのか(銀行には良い)、短期金利を上げて市場にメッセージを出したいのかで、バランスシート縮小を急ぐのか、利上げに動くかはFRBの判断次第です。市場は今のところ、3月までに債券買い入れを縮小し(テーパリング)、その後インフレ率を見ながら、政策金利である短期金利の目標を上げていくと予想しています。インフレを抑えるためには、ある一定の部分の需要を減退させる必要があります。FRBが実際にどう動くのかに注目は集まるでしょう。

このような景気のサイクルの終焉に向けた時期には、株式相場はそれまでのグロース株中心の相場から、業績相場に移行します。または流動性の高い配当利回りの高い銘柄を中心とした相場に移ります。景気減速期でも安定し事業を営んでいる企業が好まれるようになります。ユーティリティと呼ばれる公益企業(電気、ガス、水道、ごみ収集などの公共インフラ事業)や生活必需品のセクターは好まれることが多いです。また、配当利回りが高い企業群も好まれることが多いです。しかも、こうした時期には、流動性が非常に重視されることから、中小型の流動性が低い銘柄は避けられます。大型株で安定した業績の流動性の高い銘柄が先行されることになるでしょう。ハイテクのハイパーグロース銘柄などのバリュエーションは金利から逆算されることから、利上げ局面になると、将来の業績のディスカウント率が変化することから、敬遠されるようになります。

しかし、これまでの30年間でアメリカは70年代~80年代に経験したようなインフレを経験したことがありません。年金基金などのように長期で運用方針を決定する機関投資家は、インフレを最も警戒します。しかしながら、彼らでも過去のインフレ期を経験していません。そうした長期の機関投資家がインフレをヘッジするためにまず行うことは、インフレリンク債への投資でしょう。2021年インフレリンク債の利回りが低位で進んだのは、そうした資金が入っていたことも原因でしょう。

それで計算上の実質金利(名目金利―インフレ期待値:インフレリンク債金利)が低くなっているのかもしれません。後インフレをヘッジするには、インフレの原因となっている商品相場に直接投資する方法です。過去機関投資家は、商品市場への投資はあまり行っていませんでしたが、2000年代にはいってから、徐々に投資を広げています。こうした投資行動自体がインフレ率をさらに引き上げることにもつながりますが、こうした機関投資家は損失を忌み嫌います。つまり、こうした機関投資家の投資行動の恩恵を受けるのは実は商品関連事業を行っている企業群になります。エネルギー関連企業はもともと配当利回りも高いので、エネルギー関連企業や工業用資源関連や農作物関連の企業群も恩恵を受けるでしょう。

別のレポートで、エネルギー関連銘柄や工業用金属関連の銘柄紹介は書いていますので参照してください。ここでは、王道でもある高配当銘柄のETFを紹介したいと思います。過去日本の投資信託業界では、ファンド名に高配当とつけては誤認勧誘にあたりかねないとの指導があって、好配当株式といった名称を使ったファンドまで出ていました。

日本のリテールには、非常に人気の高かった投資信託です。しかし、投資信託は、手数料が高いので、手数料、運用報酬ともに安いETFが人気となっています。流動性も高いので、投資信託よりも資産残高の大きいETFは安心です。

21年12月時点で、最も資産残高が大きい高配当株式ETFは、バンガード社の「バンガード・米国高配当株式ETF:VYM」です。21年を通じてアメリカで最も資金流入があったのは、チャールズ・シュワブの「Schwab U.S. Dividend Equity ETF:SCHD」ですが、日本では取り扱っている証券会社が無いので、今回はコメントしません。また。資産残高が小さいETFもコメントしませ。

2022年注目したい米国高配当株ETF

米国高配当FTFの比較

2021/12/29時点

米国高配当FTFが取引できる証券会社

米国高配当ETFに関する日本国内のネット証券会社の取扱い状況です。

ETF銘柄名ティッカーSBI証券楽天証券マネックス証券DMM証券IG証券
バンガード・米国高配当株式ETFVYMありありありありCFD
Schwab U.S. Dividend Equity ETFSCHD無し無しCFD
SPDR S&P 米国高配当株式 ETFSDYありありありありCFD
iシェアーズ 好配当株式 ETFDVYありありありありCFD
ファースト・トラスト バリュー・ライン配当指数 ETFFVDありありありあり無し
iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETFHDVありありありありCFD
SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETFSPYDありありありあり無し
Invesco High Yield Equity Dividend Achievers ETFPEY無し無し無し

2021年の高配当ETFのパフォーマンス比較

2020年~2021年の2年間の高配当ETFのパフォーマンス比較

この2年間のパフォーマンスが大切です。20年3月の調整局面も通して、どういったパフオーマンスを出したかを見ることが大切です。極端にボラティリティの高い銘柄は、高配当株式戦略をとるうえでは適切と言えません。

出所:Yahoo.com/Finance

おすすめ米国高配当ETFを解説

バンガード高配当利回りETF(VYM)

バンガード高配当利回りETF(Vanguard High Dividend Yield ETF)*ティッカーVYMは、バンガード・グループ・インクが設定・運用するETFです。米国の上場株式市場に投資しています。多様なセクターで事業を行っている企業の株式に投資します。このファンドは、多様な時価総額を持つ企業の成長株とバリュー株に投資します。FTSE高配当利回り指数に完全なレプリケーション手法で追随することを目指します。2006年11月10日に組成されました。

高配当利回りを特徴とする企業の普通株式の投資リターンを測定するベンチマーク・インデックスのパフォーマンスへの追従を目指した投資です。一般的に平均より高い配当金を支払う企業の普通株式で構成されるFTSE高配当利回り指数のパフォーマンスに連動するように設計されたインデックス投資手法を採用しています。REIT、LLP、LP、MLP、LLC、BDCを除く、ほぼすべての米国投資可能な株式ユニバースが対象です。全資産または実質的に全資産をインデックスを構成する銘柄に投資し、各銘柄をインデックスにおける配分比率とほぼ同じ比率で保有することにより、対象インデックスを再現しようと試みます。

株価収益率はバンガードS&P500ETF(VOO)が提供するものよりもはるかに低いです。2.88%の配当利回りは1.5%近く高く、その低いリスクプロファイルは調整局面でのダウンサイドプロテクションになるはずです。全体として、VYMは堅実な商品で

バンガード高配当利回りETFのポイント

  • バンガード高配当利回りETFは現在、フォワード利益の19.4倍で、S&P 500の33倍を大きく下回っている。
  • このETFの配当利回りは2.76%と高く、その構成銘柄は過去5年間で年率約10%配当金を伸ばしています。
  • 経費や回転率も少なく、パッシブ投資家に最も適しています。
  • Google (GOOGL)、Meta Platforms (FB)、Amazon (AMZN)、Tesla (TSLA)を一切含んでいません。

バンガード高配当利回りETFの構成株式銘柄

ティッカー保有銘柄比率
JPMJPMorgan Chase & Co.3.55%
HDHome Depot, Inc.3.21%
JNJJohnson & Johnson3.09%
PGProcter & Gamble Company2.65%
BACBank of America Corp2.48%
PFEPfizer Inc.2.26%
XOMExxon Mobil Corporation1.91%
CSCOCisco Systems, Inc.1.74%
CMCSAComcast Corporation Class A1.72%
AVGOBroadcom Inc.1.66%
PEPPepsiCo, Inc.1.66%
CVXChevron Corporation1.64%
LLYEli Lilly and Company1.58%
VZVerizon Communications Inc.1.57%
ABBVAbbVie, Inc.1.53%

バンガード高配当利回りETFの株式セクター内訳

金融23.22%
生活必需品13.55%
ヘルスケア12.94%
テクノロジー9.82%
工業8.92%
循環消費財8.84%
公益7.48%
エネルギー7.45%
原材料4.40%
通信2.97%

バンガード高配当利回りETF (VYM)は回転率が低く、保有銘柄数が多い(400以上)ため、ファンドの配当金の伸びが事実上制限されています。他の高利回りETFが頻繁に銘柄を入れ替え、高利回り銘柄にローテーションしているのに対し、VYMはほとんどの場合、堅持しています。このETFは、「見たままが得られる」ETFであり、パッシブな配当投資家にとって最適なファンドです。強い強気相場ではアンダーパフォームする可能性が高いことを認識することが重要です。

シュワブ米国配当株式ETF(SCHD)

シュワブ米国配当株式ETF (Schwab U.S. Dividend Equity ETF)*ティッカーSCHDは米国ETFです。ダウジョーンズ配当100インデックスに連動する投資成果を目指します。日本では、取り扱いが無いのコメントしません。

S&P米国高配当株式ETFSDY/SPDR)

S&P米国高配当株式ETF(SPDR S&P Dividend ETF)*ティッカーSDY/SPDRは、S&Pコンポジット1500指数の構成銘柄のうち、過去20年以上連続して増配を続けている高配当利回り銘柄から構成されます。各銘柄の構成比率は予想配当利回りを基準とし、四半期毎に調整されます。指数構成銘柄の見直しは年1回(1月)とし、リバランスは1月、4月、7月および10月の各最終営業日の終値をもって実施されます。

S&P米国高配当株式ETFのポイント

  • SDYは、S&P1500コンポジットのうち、20年以上連続して配当金を支払っている証券に投資しています。
  • このETFの末尾利回りは2.86%で、表示利回りで銘柄を重み付けする方法により、S&P 500 Dividend Aristocrats ETFより1%近く高くなっています。
  • SDY はおそらく現在最高の配当貴族オプションですが、収益、利益、配当成長率が低すぎるため、投資家はこれに対して十分なディスカウントを得ているとは言えません。
  • ファンド保有のうち20%だけが5年間の配当成長率が2桁であり、そのリターンは同業他社を圧倒しています。

多くの投資家は、配当貴族がポートフォリオにもたらす安全性を好みます。確かに、最悪の不況下でも配当金を上げるのは容易なことではありませんし、次の調整局面や景気後退局面でも、少なくともある程度のダウンサイドプロテクションを提供すると言ってよいでしょう。どの程度かは議論の余地がありますが、いずれも安定した企業であり、このまま存続することは間違いないでしょう。

S&P米国高配当株式ETFの構成株式銘柄

ティッカー保有銘柄比率
TAT&T Inc.2.86%
ABBVAbbVie, Inc.2.27%
XOMExxon Mobil Corporation2.21%
CVXChevron Corporation2.12%
NNNNational Retail Properties, Inc.1.92%
IBMInternational Business Machines Corporation1.87%
EDConsolidated Edison, Inc.1.81%
ORealty Income Corporation1.66%
WBAWalgreens Boots Alliance Inc1.63%
BENFranklin Resources, Inc.1.60%
CAHCardinal Health, Inc.1.58%
FRTFederal Realty Investment Trust1.55%
PBCTPeople\’s United Financial, Inc.1.53%
AMCRAmcor PLC1.51%
ORIOld Republic International Corporation1.42%

iシェアーズ高配当株式 ETF(DVY)

iシェアーズ高配当株式 ETF (iShares Select Dividend ETF)*ティッカーDVYは、比較的高配当の米国株式で構成される指数と同等の投資成果を目指しています。

iシェアーズ高配当株式 ETFのポイント

  • iShares Select Dividend ETF は公益事業関連銘柄への配分が高く、リスクを管理したいインカム志向の投資家に最適なため、今が買い時です。
  • このETFが、トータルリターンを犠牲にすることなく、セクターETFのポートフォリオよりも約1%高い利回りを生み出すことができてきました。
  • ETFの現在価格での推定利回りは3.79%です。また、構成銘柄は5年間で8.5%の割合で配当金を伸ばしています。
  • 10月、11月の消費者物価指数は6%以上上昇しました。ETFの上位セクターをS&P500と比較すると、非常にインフレに強いと言えます。

iシェアーズ高配当株式 ETFの構成株式銘柄

ティッカー保有銘柄比率
OKEONEOK, Inc.2.54%
MOAltria Group Inc2.18%
PFEPfizer Inc.2.17%
PPLPPL Corporation1.93%
XOMExxon Mobil Corporation1.80%
PRUPrudential Financial, Inc.1.75%
PMPhilip Morris International Inc.1.74%
TAT&T Inc.1.73%
EIXEdison International1.62%
IBMInternational Business Machines1.60%
FEFirstEnergy Corp.1.57%
STXSeagate Technology Holdings PLC1.56%
CVXChevron Corporation1.54%
GILDGilead Sciences, Inc.1.48%
EXCExelon Corporation1.48%

ファースト・トラスト・バリュー・ライン配当指数ファンド(FVD)

ファースト・トラスト・バリュー・ライン配当指数ファンド(First Trust Value Line Dividend Index Fund)*ティッカーFVDの対象となるのは、米国で上場している企業で、時価総額が10億ドル以上、配当利回りがS&P500(SPY)より高く、バリューラインの安全性ランキングが良好であることが条件です。投資会社およびリミテッド・パートナーシップは除きます。当ファンドは、毎月、保有銘柄を均等にリバランスすることを目指します。

主に米国企業を保有しており(84%)、カナダ(6.8%)、英国(2.9%)、スイス(1.9%)にも投資しています。その他の国は1%以下である。ポートフォリオの半分強が大企業(52%)である。中型株(32.4%)、小型株(15.6%)の比重が大きい。構成銘柄は頻繁に均等にリバランスされるため、上位の保有銘柄を見てもあまり意味がなく、頻繁に入れ替わることが予想されます。

SPYと比較すると、FVDは公益事業、工業、金融、消費財をオーバーウェイトしています。テクノロジー、通信、消費者裁量、エネルギーをアンダーウエイトしています。どのセクターも20%以上のウェイトを占めていません。セクターの構成は時間の経過とともに変化する可能性があります。

ファースト・トラスト・バリュー・ライン配当指数ファンドの構成株式銘柄

ティッカー保有銘柄比率
N/AU.S. Dollar0.54%
AGRAvangrid, Inc.0.49%
IDAIDACORP, Inc.0.49%
NWENorthWestern Corporation0.49%
CMSCMS Energy Corporation0.49%
MMSMAXIMUS, Inc.0.49%
GWWW.W. Grainger, Inc.0.49%
AXSAxis Capital Holdings Limited0.49%
CHRWC.H. Robinson Worldwide, Inc.0.49%
HEHawaiian Electric Industries, Inc.0.49%
REEverest Re Group, Ltd.0.49%
ATRAptargroup, Inc.0.49%
OTTROtter Tail Corporation0.49%
PCARPACCAR Inc0.49%
AVYAvery Dennison Corporation0.49%

iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV)

iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF (The iShares Core High Dividend ETF)*ティッカーHDVは、配当水準が比較的高位の米国株式で構成される指数と同等の投資成果を目指しています。

iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETFのポイント

  • HDVのインデックスは最近再構成され、推定利回りは3.93%ですが、投資家はこの変更に満足することでしょう。
  • HDVの保有銘柄は、iShares Core Dividend Growth ETFと比較して、同様の成長が見込まれますが、売上高、利益、簿価、キャッシュフローに基づくと、素晴らしいディスカウントで取引されています。
  • エクソンモービルはHDVの主要銘柄であり、現在のような高インフレ環境下で優れたパフォーマンスを発揮する傾向があることを証明しています。

iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETFの構成株式銘柄

ティッカー保有銘柄比率
XOMExxon Mobil Corporation7.92%
JNJJohnson & Johnson6.22%
VZVerizon Communications Inc.5.95%
CVXChevron Corporation5.58%
ABBVAbbVie, Inc.5.45%
PFEPfizer Inc.5.31%
PGProcter & Gamble Company4.85%
PMPhilip Morris International Inc.4.38%
KOCoca-Cola Company3.76%
CSCOCisco Systems, Inc.3.74%
MRKMerck & Co., Inc.3.71%
AVGOBroadcom Inc.3.61%
PEPPepsiCo, Inc.3.31%
BMYBristol-Myers Squibb Company2.54%
MCDMcDonald’s Corporation2.29%

SPDRポートフォリオS&P・500高配当株式ETF(SPYD)

SPDRポートフォリオS&P・500高配当株式ETF (SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF)*ティッカーSPYDは、ポートフォリオを通じてより高い収益を得たいと考える投資家の間で最も人気のある選択肢の1つです。特に、インフレが進行している今日の市場環境においては、多くの投資家が株式やETF市場でインカムゲインを得るための選択肢を模索しています。しかし、SPYDは、2015年以降の短いスパンで、パフォーマンスとボラティリティの両面から、投資家が検討すべき強力なケースを作ることができていません。

運用資産(AUM)5.3Bと、バリュー/ハイイールド領域で最大級のファンドです。SPYDは、S&P500高配当指数のトータル・リターン・パフォーマンスと一致することを目指します。経費率が0.07%と非常に低く、79銘柄に分散されているため、当初は安全で有望な選択肢と思われるかもしれません。このファンドの上位10銘柄には、Pfizer (PFE), Broadcom (AVGO), Marathon Petroleum (MPC) などのブランドネームが含まれています。SPYD の上位 10 銘柄を合わせても、配分全体のわずか 15% に過ぎません。SPYのようなS&P 500ファンドや、人気のバンガード グロース ETF (VUG)のような成長志向のETFでは、上位10銘柄で株式ポジション全体の30%以上、時には50%を占めることを考えると、この事実だけでも興味深い点です。

公益事業、不動産、金融、エネルギーなどのセクターは、米国株式市場においてより高い利回りの機会を提供しており、SPYDがこれらのセクターを最も多く配分しています。

過去5年間、このファンドが大幅にアンダーパフォームしていることを考えると、配当利回りの最初の魅力は薄れています。人気のあるETFで配当利回りが高いということで、最初は投資家の注目を集めましたが、より詳細にデータを見ると、SPYDはパフォーマンスとボラティリティの優位性に欠け、せいぜい平均的な選択であることがわかります。SPYDは案外ボラティリティが高いファンドになっています。SPYDは、シャープ比率とソルティーノ比率が2番目に低く、最大ドローダウンが高い点から、優れたファンドではないと思われます。

SPDRポートフォリオS&P・500高配当株式ETFの構成株式銘柄

ティッカー保有銘柄比率
PFEPfizer Inc.1.71%
AVGOBroadcom Inc.1.70%
STXSeagate Technology Holdings PLC1.63%
CMAComerica Incorporated1.59%
SPGSimon Property Group, Inc.1.56%
IRMIron Mountain, Inc.1.49%
KEYKeyCorp1.49%
BKRBaker Hughes Company Class A1.49%
EIXEdison International1.49%
MPCMarathon Petroleum Corporation1.48%
CVXChevron Corporation1.47%
EXCExelon Corporation1.46%
MTBM&T Bank Corporation1.46%
PBCTPeople’s United Financial, Inc.1.44%
PFGPrincipal Financial Group, Inc.1.43%

インベスコ・ハイイールド・エクイティ配当アチーバーズETF(PEY)

インベスコ・ハイイールド・エクイティ配当アチーバーズETF (Invesco High Yield Equity Dividend Achievers ETF)*ティッカーPEYは大幅にアウトパフォームしています。日本での取り扱いはないようですが非常に優れたETFですので、簡単にコメントしておきます。PEYは、過去に妥当な配当利回りとともに健全な年間価格上昇を実現してきた優良ETFです。PEYの価格上昇と配当利回りを合わせたリターンは、インカムゲイン投資家にとって最適なものだと考えています。

NASDAQ US Dividend Achievers 50 Indexを構成する50銘柄に投資しています。この指数には、高い配当利回りで、強固で一貫した長い配当成長の歴史(少なくとも連続10年)を持つ企業のみが組み入れられています。つまり、PEYは、一般的に資本保護とインフレに打ち勝つための適切なリターンを求めるインカム投資家のために設計されているのです。最初の特徴は、50銘柄にフォーカスし、インデックスを模倣していますが、0.53%という非常に高い費用を徴収している点である。この高い経費率はマイナス要因です

長期的にPEYの価格が安定的に上昇するのは、安定的に配当金を支払い、増配を続ける企業が優良企業であるためです。そのような企業は、市場が下落するたびに素早く回復し、その後上昇トレンドに入ります。

インベスコ・ハイイールド・エクイティ配当アチーバーズETFの構成株式銘柄

ティッカー保有銘柄比率
TAT&T Inc.4.01%
MOAltria Group Inc3.78%
UVVUniversal Corp3.25%
VLOValero Energy Corporation2.72%
PPLPPL Corporation2.66%
NWBINorthwest Bancshares, Inc.2.65%
PMPhilip Morris International Inc.2.58%
IBMInternational Business Machines2.57%
OKEONEOK, Inc.2.55%
XOMExxon Mobil Corporation2.49%
SJISouth Jersey Industries, Inc.2.37%
UNMUnum Group2.25%
OGEOGE Energy Corp.2.18%
VZVerizon Communications Inc.2.17%
MCYMercury General Corporation2.13%

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