グローバルX BOTZの概要
BOTZは、ロボットやAI(人工知能)の開発・生産に取り組む企業に、時価総額加重平均したインデックスを通じて、セクター横断的に投資しています。対象となる企業は先進国に上場しており、収益のかなりの部分をロボットや人工知能の分野から得ているか、または事業目的が明記されている企業に特定しています。ドローンの開発からヘルスケアロボット、予測分析ソフトウェアまでさまざまな投資対象が含まれています。従来のセクター分類システムで見ると、BOTZは工業とテクノロジーに大きく傾斜しています。この指数は毎年再調整・構成され、リバランスされます。
グローバルX社のETF紹介ページ
https://globalxetfs.co.jp/funds/botz/
ティッカー | 名称 | 経費率 | 資産残高 | 1日平均取引額 | |||
(億ドル) | 円換算 (億円) | 取引額 (百万ドル) | 取引額 (億円) | ||||
BOTZ | グローバルX ロボット&AI・ETF | 0.68% | 23.8 | 2,454 | 28.5 | 29.4 | |
設定日 | 銘柄数 | PER | PBR | 配当 利回り | 2020年年間 パフォーマンス | 3年間 パフォーマンス | |
2016/9/12 | 33 | 38.6 | 3.3 | 0.2% | 51.9% | 12.8% |
出所:ETF.comより 2020/2/31時点 為替レートは、103.121で換算
ロボット市場の成長予測
マーケッツアンドマーケッツの調査によると、「産業用ロボット市場規模(周辺機器、ソフトウェア、システムエンジニアリングの価格を含む)は、2019年の487億米ドルから2024年には756億米ドルに成長し、年間平均成長率(CAGR)は9.2%になると予測されています。」世界の人工知能市場はさらに急成長すると予想されています。世界の人工知能市場規模は、2019年には399億米ドルと評価され、2020年から2027年までは42.2%の年間成長率(”CAGR”)で成長すると予想されています。テック大手による継続的な研究と技術革新が、自動車、ヘルスケア、小売、金融、製造業などの産業分野での先端技術の採用を後押ししています。
ロボット工学とAI市場は密接に結びついているため、ロボット工学に特化したウェブページを持つAmazon (AMZN)、AIに特化したウェブページを持つGoogle (GOOG) (NASDAQ:GOOGL)、そしてApple (AAPL)のような大企業は、この2つの技術を活用するために多額の投資を行っています。BOTZファンドは、Indxx Global Robotics & Artificial Intelligence Thematic Indexをトラッキングするように設計されています。このインデックスは10年以上前から存在し、現在は31のグローバル企業が含まれています。
BOTZの経費率は0.68%で、AUMは20億ドルです。地域別の内訳、上位10銘柄は以下の通りです。日本銘柄が多く含まれているのが特徴です。全体の44%入っています。
グローバルX BOTZの国別株式銘柄
日本 | 44.16% |
アメリカ | 32.18% |
スイス | 12.93% |
イギリス | 5.65% |
カナダ | 3.01% |
フィンランド | 2.07% |
グローバルX BOTZの保有株式上位10銘柄
ティッカー | 銘柄 | 構成比 | コメント |
NVDA | NVIDIA | 7.89% | アメリカの半導体メーカー。GPUの世界最大手企業。 自動運転の頭脳としてGPUは欠かせない。 |
6954 | ファナック | 7.80% | 山梨県の工業用ロボットの企業。ロボットの世界大手は、 ファナック、安川、ABB、クーカの4企業。 |
ISRG | イントゥイティブ・サージカル | 7.78% | 外科手術用ロボット「ダヴィンチ」の企業 |
6861 | キーエンス | 7.69% | 大阪の自動制御機器、計測機器、情報機器、光学顕微鏡・ 電子顕微鏡などの開発および製造販売を行う企業。 TOPIX Core30の構成銘柄。 |
ABBN | ABB Ltd. | 7.49% | スイスの電力関連、重電、重工業企業。ABBはファナックよりも 多様性に富み、電力や重電機の分野でも大きな事業を展開 しています。 |
RSW | レニショー | 5.38% | 英国の測定、モーション制御、医療、分光法機器企業。 金属3Dプリンターも手がける |
6383 | ダイフク | 4.72% | 大阪の物流などの自動倉庫やベルトコンベア、 自動洗車機の企業 |
6506 | 安川電機 | 4.60% | 北九州の産業用ロボットなどメカトロニクス製品の製造を行う メーカー |
TECN | テカン | 4.56% | イギリスのラボラトリーオートメーションの部品および システムの医療技術会社 |
BRKS | ブルクス・オートメーション | 4.50% | アメリカの半導体製造、テクノロジーデバイス製造、 ライフサイエンスなど、複数の市場向けのオートメーション企業。 |
出所:ETF.comより
競合となるROBOとの比較
BOTZはROBO同様、明確なパッシブ・インデックスを採用していません。BOTZ ETFはパッシブな31銘柄のETFであり、人間が多くの情報を入力したインデックスを追跡しています。1年に一度構成銘柄のリバランスを行います。(競合するROBOは四半期ごとのリバランス)
BOTZ は時価総額の重み付けを行っており、競合するROBOと比較した場合、より集中したものになっています。産業分野やロボット市場のより循環的な分野へのエクスポージャーが非常に高くなっています。日本企業へのウェイト(44%)が大きくなっています。日本が産業用オートメーションをいち早く大規模に導入してきた歴史があることを考えれば、驚くべきことではありません。逆に中国企業がポートフォリオに含まれていないことも特徴です。ABBやファナックのようなより伝統的で成長の遅い企業に過大なウエイトがかかっているように見えます。
パフォーマンスの違いを見てみると、比較的高い相関関係があります。しかし、市場の異なる局面では、特に産業サイクルの観点から、それぞれ異なる行動をとる傾向があります。そのため、現在は1年遅れで製造業活動が回復しており、それが具体化してきています。BOTZはROBOをアウトパフォームする傾向があります。しかし、サイクルを通して見てみると、他の市場局面ではROBOがアウトパフォームしています。いくつかのケースでは非常に顕著になっています。過去3年間のパフォーマンスは、正確には一致していないにしても、実際には似たようなパフォーマンスとなっています。ROBOのほうが小規模な新進気鋭のプレイヤーに焦点を当てています。
一方、ARKQと比較した場合は、アンダーパフォームしているようです。ARKQはテスラ(TSLA)のウェイトが大きくパフォーマンスの違いとなっています。ただし、アーク社のETFは日系ネット証券では取り扱いが無いので、BOTZはETF投資としてはおすすめです。
グローバルX BOTZの評価とおすすめポイント
投資信託と比較して経費率の低いETFで、ロボット産業に焦点を当てたETFに直接投資したい場合にはBOTZはおすすめです。中国銘柄を組み入れたい場合は他社のROBOも検討対象となります。
過去2年間のBOTZのパフォーマンス
(競合するROBO、ARKQとの比較)
グローバルX BOTZが取引できる証券会社
グローバルX BOTZ~ロボット&AI ETFの取扱いがある日本国内のネット証券会社です。SBI証券、マネックス証券、楽天証券、DMM証券で取扱いがあります。IG証券ではCFDで取引ができます。
ティッカー | 日本国内ネット証券 | IG証券 | |||
SBI証券 | マネックス証券 | 楽天証券 | DMM証券 | CFD | |
BOTZ | 有り | 有り | 有り | 有り | 有り |