世界最大規模のファンド「バークシャー&ハサウェイ」とは?会社沿革から運用方法までわかりやすく解説

米国の投資会社でもっとも有名といっても過言ではない「バークシャー&ハサウェイ」。

バークシャー&ハサウェイは、投資家の神様とも称されるウォーレン・バフェット氏の手によって驚異的な高パフォーマンスを記録してきたファンドですが、もともとは繊維事業を行っていた会社です。

金融業のイメージが強いバークシャー&ハサウェイ社が、もともとは繊維業の会社だったと聞くと少し意外に思われる方も多いと思います。

今回は、バークシャー&ハサウェイ社が現在のファンドとして名をあげるまでの経緯から、同社のポートフォリオの紹介を中心にしていきたいと思います。

投資家であればチェックしておきたいバークシャ&ハサウェイの動向のポイントも合わせて紹介していくので、今後の投資にも活かしていただければ幸いです。

米国の超有名ファンド「バークシャー&ハサウェイ」の沿革

それでは、早速バークシャー&ハサウェイ社は、どのようにして紡績会社から保険業を足場とした投資会社へと移り変わっていったのか、時系列に沿って説明していきたいと思います。

バークシャー&ハサウェイ社の主要業務

バークシャー&ハサウェイ社の沿革を追う前に、現在のバークシャー&ハサウェイは何をしている会社なのか簡単に確認しておきましょう。

同社は、保険、鉄道、公益事業、エネルギー、製造業、サービス、小売業などを行う会社を傘下にもつ「持株会社(ホールディングカンパニー)」の形態をとっており、保険業(損害保険が中心)で得た収益を他の事業へ回すことで幾多の事業を拡大させています。

日本でいう、〜ホールディングスとよばれる会社のビジネスモデルをイメージしてもらうと、理解がしやすいかもしれません。

そして、バークシャー&ハサウェイ社のもうひとつの顔である「投資ファンド」としても機能しています。

歴史的中核事業は綿紡績事業

バークシャー&ハサウェイ社は、1888年にホレイショ・ハサウェイによって設立された紡績業を行う「ハサウェイ製造会社」が前身の会社です。

1950年代にはいると、綿織物会社「バークシャー・ファイン・スピニング・アソシエイティーズ」と合併をし、現在の社名である「バークシャー&ハサウェイ社」になりました。

しかし、原油価格が安くなると競合会社が増え厳しい経営状況が続きました、そこで登場したのが、現在の株主でありCEOであるウォーレン・バフェット氏です。

ウォーレン・バフェットが経営に

1962年、当時のバークシャー&ハサウェイ社の株価が本来の企業価値よりも割安だと判断したバフェット氏は、同社の株を買い集め始めました。

そして、1965年には、バークシャー&ハサウェイ社の株を全て買い、取締役会長に就任。経営に携わることになります。そして経営方針を転換し、紡績業で得た利益を投資へ回すようにしました。

紡績業から保険業を足場としたファンドへ

バフェット氏が会長になってからは、紡績業と投資業の二足のわらじで事業をすすめてきました。しかし、1970年代になり、アメリカで2番目に大きい規模の自動車保険会社「ガイコ(GEICO」の株を取得し始め、投資業へと完全シフトしていきます。

もともと斜陽産業であった紡績業は、1985年に完全に撤退。今の投資ファンドとしての「バークシャー&ハサウェイ社」へと移り変わっていきました。

驚異的な企業成長を遂げたバークシャー&ハサウェイ社

こうして、紡績業から投資業へと異色の転身を遂げたバークシャー&ハサウェイ社は、バフェットの得意とする「バリュー投資」という、株価が企業価値よりも割安だと判断できる上場企業の子会社化を進め、ファンドとして大きな利益を築き上げてきました。

1965年から2008年までの同社の純資産の伸び率は年平均20.3%、累積リターンは約362,319%という驚異的な成長率を記録しています。

単純計算で、純資産を3600倍にしたことになりますから、投資の神様と称されるバフェットの実力の凄さが表れています。

世界各国の投資家が注目する有名ファンドに

現在では世界各国の投資家が注目する有名ファンドとしてその名を轟かせています。

かつての紡績業の先行きが怪しく経営不振に陥っていた面影はなく、投資家のみならずファンドマネージャーやアナリストのお手本のような存在になっているのです。

ここまでが、簡単なバークシャー&ハサウェイ社の会社としての沿革になります。

バフェットが運用し始めた当時から2020年までのバークシャー&ハサウェイ社パフォーマンス

バークシャー&ハサウェイ社のパフォーマンスを確認していきましょう。

バークシャー&ハサウェイ社の1985年から現在までの株価の推移になります。ところどころ下落する場面はあるものの、右肩上がりに株価が伸びていき、2020年9月時点では、32万ドル」を超える超大型株へと成長しています。

紡績業をやめて投資業へシフトした1985年の株価が1730ドル程度でしたが、そこから株価は180倍になっています。

テンバガー(10倍銘柄)が霞んで見えてしまうほどの圧倒的な高パフォーマンスを記録してきた銘柄が、バークシャー&ハサウェイ社なのです。

バークシャー&ハサウェイ社の保有銘柄(ポートフォリオ)

高い運用パフォーマンスを誇る同社が、どのような銘柄を保有しているのか気になるところでしょう。

保有銘柄は、同社の報告書で誰もが閲覧できることができます。ただし、必ずしも現在進行形で保有しているものとは限らないので、その点は注意してください。

まず目を惹く運用資産は、2000億ドル(20兆円)を超えています。これは、国や大きな州の年金基金の運用額に匹敵するほどです。

【保有銘柄の特徴】

・金融や通信IT、生活必需品など
・AppleやAmazonなどのグロース株の保有比率が高い
・コカ・コーラ、ジョンソン&ジョンソン、ゼネラルモーターズはバフェット氏のお気に入り銘柄

バークシャー・ハサウェイの最低投資金額は5000億円とも言われており、投資会社1社で大株主になり得ることも多く、ニュースとして取り上げられることも多々あります。

最新のポートフォリオは「BERKSHIRE HATHAWAY PORTFOLIO TRACKER」から確認できるので、米国株に投資を考えている人は参考としてチェックしてみましょう。

要チェック!バークシャー&ハサウェイの現金保有率

最後に、投資家にとって役立つ「バークシャー&ハサウェイ社」の現金保有率について紹介していきます。

投資家にとってキャッシュポジションを増やすということは、株価の急落や地合いの悪さを意味します。(リスクオフ)

そして、同社の現金保有率が上がると暴落や、株価の急落の前触れだという見方もあるため、定期的にバークシャー&ハサウェイ社の現金保有率を確認し、大きな動きがあった際はより一層マーケットを注視することで、大きな損失を防げるかもしれません。

まとめ

投資家であれば、誰でも知ることになるバークシャー・ハサウェイについて紹介しました。

同社は、筆頭株主でありCEOであるウォーレン・バフェット氏と、副社長であるチャーリー・マンガー氏がメインプレイヤーとして知られています。

2020年の時点で、ふたりとも90歳以上と高齢であるため、後任の問題が重くのしかかってきています。

また、アップルに投資した時期が2016年と極めて遅い時期であったことから、今の時代には合ってないのではという疑問の声が聞かれたりします。

しかしながら、超長期投資というスタンスであり、20兆円規模という巨大な運用資産で高いパフォーマンスを継続しているバークシャー・ハサウェイの存在は、そう簡単に無くなりはしないのではないでしょうか。

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