投資初心者でもわかる米国株の個別銘柄の選び方

米国株への投資で大きな利益を求めるのであれば、やはり個別銘柄への投資となります。

どのような企業に投資を行えば、大きな利益を得ることが可能なのでしょうか。

そもそも、どうやって銘柄を探せば良いのでしょうか。

米国株投資において重要となる、有望株を探すための情報取得方法や、参考にすべき指標や数値などのポイントを紹介します。

証券会社が提供するレポートやセミナー

ネット証券会社のHPには、個別銘柄に関するレポートがたくさん提供されています。証券会社の口座を持っていれば、無料で読めるますので、これを利用しない手はありません。

【マネックス証券】
銘柄スカウター米国株
広木隆の米国株投資戦略(マネクリ)
岡元兵八郎の米国株マスターへの道(マネクリ)

【SBI証券】
米国株式 One Pager!
アメリカ NOW!今週の5銘柄
米国ウィークリー・マンスリー

【楽天証券】
米国市況ニュース

また、フットワークの軽い方でしたら他の米国株投資家との交流も含めて、米国株のセミナーに行ってみるのもオススメです。米国株投資のモチベーションにつながったり、情報交換の場としても一石二鳥です。

米国株四季報

投資を始めたての人でも、東洋経済新報社が出版している四季報を聞いたことあるのではないでしょうか。日本の全上場企業約3800社を、四半期ごとにまとめた、「投資家のバイブル」と言っても過言ではないくらいの書物です。その米国株バージョンが、半年に1回出版されています。

昨今の米国株ブームですが、日本株と比べるとなかなか米国株の情報を手に入れるのはハードルがあります。これ1冊があれば、アメリカ企業を代表するような企業から、マイナーな上場企業まで約700社とETF銘柄がまとまっていて使い勝手が良いでしょう。

日本株の四季報と同じように企業の事業内容や、決算、決算予想、財務や株主などが記載されています。自分の知っている企業を調べるもよし、無作為にページをめくって知らない企業を知るもよし。時勢にあったランキングや、特集ページを活用するのもいいでしょう。

【米国会社四季報の主な内容】
・有望銘柄特集
・出世、成長率、高配当、値上がり率、連続増配年数など20種類のランキング
・有力企業、約600社の決算や財務、事業内容
・有望ETF300種類以上の特色や運用実績など

大手投資信託やファンドの保有

日本でも、米国株を含む海外金融商品を組み入れている投資信託が増えてきています。なかには、アクティブ運用で安定的に配当を出しながら純資産を増やしている銘柄もあります。そういったリターンの大きい投資信託の情報は、月間・年間パフォーマンスランキングにまとまっているので、簡単に情報を手に入れることができます。

投資信託やインデックスファンドは、組み入れ銘柄を開示してるところもあるので、どういった視点で組み入れ銘柄を投資をしているのか探ってみましょう。個別株を選ぶ時にも、その視点が役に立つはずです。

NYダウやナスダック100に組み入れられる銘柄

NYダウ指数やナスダックは、コロナで3月落ち込んだ相場からいち早く回復したのが記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。ナスダックに至っては、暴落以前の水準を超えて8月に史上最高値を付けました。

ダウ工業株30種は時代に応じて組み入れ変更されており時期は決まっていませんが、ナスダックは毎年12月に組み入れ銘柄の編成が行われます。ナスダックに組み入れが決まると株価が急騰したということも度々起こっており、選定銘柄は多くの投資家が注目しています。

ダウやナスダックなどの指数の組み入れ銘柄の経緯を参考に、選ばれやすそうな銘柄に投資するのも1つの手立てでしょう。

参考にすべき指標

売上上昇率

売上上昇率は絶対に見ておくべき指標です。なぜかというと、企業にとっての売上は、収入の基本だからです。企業の成長には、売上の伸長がなければ成し得ません。売り上げ上昇率は、前年同期比や四半期ごとの売上推移をみて上昇速度を見ています。

新興市場では、会社の成長スピードが早く株価理論的に将来の成長が織り込まれる形で株価が推移し実際の会社の価値よりも上回って株価が上昇することがあります。成長性という意味で、売上上昇率は重要な視点ですのでチェックしましょう。

売上総利益率

売上総利益は、いわゆる粗利です。粗利は、売上から原価を引いて計算しますが、売上総利益率は、売上に対する粗利の割合を見ています。この指標は企業の収益性を測るための指標です。粗利率が低いほど薄利多売の商売ですし、粗利率が高ければその製品やサービスが企業独自の強みを持っていると判断できます。

業種によって粗利率の水準は全然異なるので一概にどのくらいとは言えませんが、粗利率が高い企業ほど優良企業であることは間違いありません。売上総利益が改善した時は、企業にとって革新があった可能性があります。逆に、売上は伸びているが見合った粗利が増えていない場合など理由が問われるところになります。

営業利益率

営業利益は、本業によって得た利益で、粗利から販管費を引いて計算します。営業利益率は、売上に対する営業利益の割合です。本業というところがミソです、企業の実力を知るうえで欠かせない項目です。

例えば、ある食品メーカーが資産である不動産を売却したことで、売上と利益が拡大したように見えても、本当は本業の売上や利益は前年並みで変わらないという場合があります。

このような場合、営業利益は変わらず前年並みになるので、株価は見せかけの利益拡大に反応しないことがほとんどです。企業の成長性を判断するには、営業利益の変化率と売上変化率の2つが基本と言ってもいいでしょう。

配当性向

企業の第一の目的は「利益の追求」です。利益を出したら、当然出資している株主にも還元する必要があります。それを配当といい、配当性向は企業が配当を出す際の目安としている数字です。
企業の配当性向が10%ということは、今期の利益のうち10%を配当にまわすということです。アメリカ株には、配当性向が高い企業が多数あり、配当性向が高い企業に積極的に投資される傾向があります。配当性向という観点からも優良企業を絞っていきましょう。

自社株買い

自社株買いとは、企業が市場に出回っている自社株を買い戻すことで、市場に出回っている株式数が減り1株の価値が高まる結果になります。自社株買いは投資家にとっては好材料です。なぜなら、企業は「今の株価は安い」と思って買っているはずだからです。

当然のことながら、財力がないと自社株買いはできないので、自社株買いを定期的に行っている会社は優良企業ということになります。株主もそれを見越して、自社株買いを積極的に方針に入れている企業に投資する人も多いです。

EPS

EPSは、企業が1株あたりでどれだけ利益を生み出せたかを見ています。EPSは、純利益を発行株式数で割ったもので、全ての経費、利息と支払うべき税金を引いた後の純利益の値で計算します。これも企業の収益力を見るときに参考になる指標です。

例えば、同じ10億円の利益が出ている会社でもA社の発行株式数が20万株、B社は100万株ならA社のEPSの方が5倍も高く収益力が高いことを示しているのです。
また、先に述べた自社株買いが起こると、EPSの計算上は分母が小さくなるのでEPSは自ずと上がる要因になります。

キャッシュフロー(CF)

キャッシュフローはお金の出入りのことで、企業の経営状況が健全かどうかがわかります。お金の流れを見ることで、企業の保有する現金の規模や、借金も知ることができます。

キャッシュフロー計算書で一番見るべきポイントは、本業の営業活動による営業キャッシュフローがプラスであるかどうかです。営業キャッシュフローがマイナスとは、企業が事業活動を行えば行うほど赤字垂れ流しているということになります。

また営業キャッシュフローから、更なる成長のための投資に使う投資キャッシュフローを引いたフリーキャッシュフローの値もプラスであることが望ましいでしょう。身の丈に合わない投資をしていないかどうかということも、重要ですよね。

ROE

ROEとは、自己資本利益率のことで、この数値が高いほど企業の収益力が高く効率的に事業を行なっているということがわかります。多くの投資家が重要視する指標で、海外ファンド組み入れ時にROEが重要視されるなど、信頼性のある財務指標のひとつです。そのため、ROEの変化率というのも投資家に評価されやすいでしょう。

例えば今期ROEが10%で、来期16%に改善するとなったときに、この変化が急激に株価に織り込まれたりする場合があります。ROEの変化率という点でも、過去5年くらいは遡ってみてみると良いでしょう。

業界シェア

業界での順位も重要です。競合他社との比較することで、商品やサービスのオリジナル性と企業独自の強みがはっきりして来るでしょう。企業の強みがないと中長期投資にはもちろん向きませんし、最悪の場合は倒産というリスクになり得ます。

AppleやMicroSoftも独自性とオリジナリティのある製品でシェアを取ってきた企業の代表格と言えるでしょう。

そういった業界を牽引するような株を早めに見つけて投資を行うことで、ハイリターンを見込むことができます。

業界の将来性

個別株を投資するのにあたって、その企業は「どこのフィールドで勝負しているのか」ということがとても重要な視点です。革新的な技術の登場で、斜陽産業となってしまうと市場全体が衰退し、必然的に将来的な売上低下が予測されてしまうからです。

逆に、成長産業では、事業拡大や売上拡大といった明るい展望が株価に織り込まれやすくなります。業界の将来性を考えておくと、個別株を投資する時には全体的な業界の展望が明るいことで効率的な投資を後押ししてくれるかもしれません。

あのウォーレン・バフェット氏も、繊維産業であったバークシャー・ハサウェイを買収綿紡績事業でしたが、20年以上の時間をかけて完全に金融会社へと変化したことは有名です。

まとめ

代表的で王道である個別銘柄のスクリーニング方法と、参考指標を紹介してきました。

ただ、銘柄によって大きく異なったり独自の指標も多数あります。例えば、ゲーム会社であれば販売本数やダウンロード数。ネットメディア事業であれば、ユーザー数やページビューの推移。飲食業であれば、月次や出退店数など、セクターや業務によって視るべき指標は多数あります。

まずは、ここに挙げた指標で選定したのち、業界独自の指標でさらに絞り込むことで、光る銘柄を探し当てることができるでしょう。

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