少額投資非課税制度であるNIAS。
米国株への投資も、NISAを利用することができます。長期的に大きな値上がりを期待できる米国株は、まさにNIASにぴったりの投資先といえるのではないでしょうか。
NISAの基本や投資できる金融商品、注意点などを解説します。
NISAとは
NISAとは、毎年一定の投資金額において投資で得た利益にかかる税金が非課税になる制度です。
通常、株式や投資信託の売買で得た利益には※20.315%の税金が掛かります。
【投資に掛かる税金】
売却益:譲渡益課税
配当金:配当課税
※2020年時点
年間投資枠 | 非課税期間 | 制度の有効期間 | |
一般NISA | 120万円 | 5年間 | 2023年 |
つみたてNISA | 40万円 | 20年間 | 2037年 |
米国株で投資を行うメリット
一般NISAの非課税での投資限度額は年間120万円です。そのため、非課税枠を全て使い切ることができれば、その恩恵を最大に得られることになります。
米国株は、1株から購入できるため、日本株と違い購入したい銘柄を限りなく非課税枠いっぱいまで買いやすいと言えます。また、1株と金額が小さいために、ポートフォリオを組みやすいといえます。
・非課税枠を最大限利用できる
・ポートフォリオを組みやすい
・多くの銘柄を保有できる
NISAにおすすめの米国株の特徴
NISA買った方が良い米国株はどのような銘柄が良いのでしょうか。
筆者は、一般NISAとつみたてNISAで銘柄の特性が変わってくるかと思います。
一般NISA:売却益を優先
つみたてNISA:配当益を優先
▼一般NISA
一般NISAでは、5年間しか期間がないため、成長性のある銘柄でキャピタルゲインを狙いたいところです。
【一般NISAで狙いたい銘柄の条件】
・時価総額300億ドル以下(可能であれば100億ドル以下)
・ROE8%以上(可能であれば10%以上)
・利益率が20%以上
・景気に左右されない事業
・原価が低いクラウドやIT系の事業
・サブスクリプションモデルや確かなブランドがあること
▼つみたてNISA
つみたてNISAは、年間の投資額は小さいですが、期間が2037年までと長期間あります。
そのため、配当で得られる利益が非課税になると高いメリットがあるといえます。
そのため、高配当銘柄を合わせたETFか投資信託が良いのではないでしょうか。
・米国株配当の魅力4,連続増配銘柄が豊富
米国株のうち、2020年2月2日現在で25年以上連続増配を継続している企業は151社。50年以上も連続増配を実施している企業も29社ある。
NISAで米国株投資を行う注意点
NISAであれば、長期的に値上がりが期待できる米国株でより多くの利益を得られる可能性があります。しかし、NISAであり米国株であるがゆえに、注意しておかなければいけない点もあります。
1.損益通算と繰越控除ができない
通常の株式投資であれば、複数口座を利用している場合は損益をまとめて計上することができます。また損失を計上した場合は、3年間まで繰越すことができ、その後に出た利益と相殺することができます。
しかし、NISAはもともと非課税制度です。そのため、他の口座と損益をまとめることができず、また損失を出してしまったとしても翌年に繰り越すことができないのです。
2.非課税期間終了時
NISAの非課税期間が終わってしまった場合に株式や投資信託を保有している場合はどうなるのでしょうか。NISA口座内の資産は、自動的に特定口座や一般口座に移管されます。その際に、最終営業日に取得価格を基準に、移管後の利益に対して税金がかかるようになっています。
このタイミングは、年をまたぐことになります。米国株は日本と違い2日から市場が開きますが、年をまたぐ際には大きな価格変動が予想されます。そのため、十分に利益が出て言う場合は決済を行う方が良いかもしれません。
3.市場が開いている時間
米国市場の取引時間は、日本と違い深夜から早朝にかけてとなります。そのため、多くの日本人は就寝中であり、リアルタイムで値動きを負うことは難しくなります。そのため、購入するタイミングや突然の暴落などへの対応が遅れてしまう可能性があります。
また、日本株にはある制限値幅がなく、大暴落によって利益を減らしてしまう場合もあります。
NISAへの投資は中長期が基本とはいえ、寝ている間に暴落が発生し対応が遅れてしまった場合は、精神的に辛くなってしまうかもしれません。
米国株投資を考えているのであれば、保有する銘柄が暴落に強かったり、確たる成長モデルや要因を構築しているかどうか、綿密な調査を行う必要があるでしょう。