安定したパフォーマンスが期待できる米国株への投資には、投資未経験者や初心者の方も多いのではないでしょうか。
投資経験が浅いと、あらゆるニュースや相場変動に対して、どういった対処を行うのが良いのかどうか分からないですよね。
そこで今回は、投資経験が浅い人はどのような投資を行えば良いのか。また投資への考え方はスタンスに関してお伝えします。
【気を付けたい投資手法とスタンス】
- 1点集中型の投資
- 過度な分散投資
- 性格に合っていない投資
- 塩漬け
1点集中型の投資
投資において、一番上昇している銘柄に全資産を投入することができれば、最高のパフォーマンスを出すことができます。
しかし、多くの場合それは困難です。
安定成長を続けるマイクロソフトでも、成長性がダントツのアマゾンでも、上場来で最高のパフォーマンスを誇るネットフリックスでも、良い時があれば悪い時もありました。
長い目で見ていれば上昇を続けていますが、人気銘柄であるがゆえに多くの投資マネーが集まっており下落時のスピードも急激である傾向があります。
経験の浅い投資家が1つの銘柄に集中投資を行うことは、あまり賢明であるとは言えないでしょう。
過度な分散投資
「ひとつのかごに卵を持ってはいけない」という投資の格言があります。分散投資は、商品、タイミング、期間、投資先の国や地域を分けるなど様々な方法があります。
しかし、数ある金融商品の中で米国株が良いということはこれまで説明してきました。
つまり、分散すべきはタイミング、期間、セクターあたりになります。
タイミング
上昇を続ける米国株ですから、下落したタイミングでの購入がパフォーマンスを向上させるコツとなります。
月ごとに傾向が出ていますので、8月、9月の下落時に購入することがひとつの目安となります。
投資期間を分ける
投資を始めた時に、いつまでにいくらまで増やしたい、などの目標を立てる人も多いでしょう。長期的な積立投資でなければ、数か月程度の適度なタイミングで利益の一部を引き出すことをおすすめします。
主要な株式市場は、年に2回ほどは大きな下落に見舞われます。そのため、長期的に投資を行うと決めていても、大きな利益を見た後に減少してしまうと精神的に辛いものがあります。まずは、投資での成功体験をつかむべく、利益確定を行いましょう。
セクターを分ける
金融、IT、食料品、医薬品など、銘柄のセクターを分けることは重要です。
金融危機が発生してしまえば、金融銘柄は大きなダメージを受けてしまいますが、医薬品や日用品に関する銘柄はそれほど大きな被害を受けません。また、新しい技術革新が生まれた場合、それまで好調だったIT銘柄が売られてしまう場合があります。
そのため、資産は最低でも5等分ほど行い、それぞれのセクターに振り分けた方が良いでしょう。
ここで注意すべきは、過度に分散させることです。株式指数の上昇率は、S&P500よりもGAFAの4銘柄。ナスダック総合指数よりも、ナスダック100と銘柄数が少ない方が高い上昇率を誇っています。これは、エッジが効いているからです。
銘柄数が多くなればなるほど、足を引っ張る銘柄もあるため、パフォーマンスはなだらかになりがちです。そのため、50や100もの銘柄を持つよりも、ある程度絞り込んだ方が正しい分散投資といえるのです。
性格に合っていない投資
投資は、銘柄選定とタイミング、そしてリスクが重要です。しかし、ここに人間の心理が入ってくると、状況は大きくことなります。
例えば、積立投資の例でみてみましょう。
マイクロソフトを、2000年1月から毎月1間年をおよそ20年間積み立てた例です。
総投資金額:249万円
口座金額:約1447万円
パフォーマンス:581%
配当を除いたキャピタルゲインだけでも、およそ1200万円ほどの利益が出ています。ウィンドウズ95の発売以降、マイクロソフトの知名度は非常に高く、投資を続けることは多くの人に可能だったはずです。
しかし、ここで性格的に短期の人はこれを行うことはできたでしょうか。
サブプライム・ショックが発生したら?アベノミクスで日本株が魅力的に見えたら?トランプ氏が当選したら?それとも、含み益が2倍になったら?利益確定を行うタイミングは、度々あったでしょう。悲しいことに、それらを乗り越えた後に上昇率は飛躍的に伸びています。
もし、性格が短期の人であれば、緩やかな含み益にも、毎月1万円だけコツコツと投資を行うこともストレスになるのではないでしょうか。
このストレスは、投資判断を大きく悪化させてしまいます。その結果、正しい決断を行えずに損失を出す場合があるのです。
そのため、投資の経験を積む過程において、まずは自身自信の性格に合った投資スタンスで行うことが大切です。
塩漬け
損失を出している銘柄を、保有し続ける行為を塩漬けといいます。特に、株価が近い将来も値上がりしそうにない銘柄を持っている場合によく使われます。
優良銘柄であっても、技術革新や新しい競合の登場によって、大きく状況が変わる場合があります。例えば、ブランドで有名な皮革製品を中心とするメーカー、コーチ(COACH)は高い利益率を誇っており、2000年からサブプライム・ショックが発生するまで、株価は50倍以上にもなったのです。
しかし、競合メーカーが台頭し株価は頭打ちとなり、リーマン・ショック後の株価の回復から取り残されることとなってしまったのです。
このように、どんなに優良な銘柄であっても、起きな変化が起これば損失はずっと損失のままになる可能性があります。
たとえば、資産を5等分していれば、株価が20%も下落したとしても全体的には5%の損失です。先行き不安であれば、一度、仕切り直しを行うことは正解といえるでしょう。
まとめ
投資で100%勝ち続けている人はいません。誰でも、損失を経験しますし、あのウォーレン・バフェット氏であっても、ITバブルに乗ることができず、アップルを購入した時期ですら2017年になってからと遅すぎるほどの購入です。
米国株であれば、失敗といえるようなことを行ったとしても、技術革新を経済成長力、そして世界中から集まる投資マネーによって回復することが可能です。
まずは、これらの4つを押さえたうえで投資に取り組んでみてはいかがでしょうか。