少しハードルがある米国株への投資ですが、ETFであれば手軽に投資を行うことができます。投資未経験者や初心者にも適しているETFへの米国株への投資について解説していきます。
ETFとは
ETFとは、日経平均株価やNYダウ等の指数に連動するように設計されている投資信託の一種で、取引所に上場しています。そのため、証券会社に口座を開けば、株式と同じく手軽に売買を行うことができます。
なお、英語で「Exchange Traded Funds」のため、その頭文字をとりETFと呼ばれています。
ETFの仕組み
上場しているかどうかが、投資信託との主な違いですが、日本株式だけでなく、外国株式や債券、REIT(不動産投資信託)、商品などの様々な指数に連動する多くの種類のETFがあります。
投資信託との比較
項目 | ETF | 投資信託 |
購入先 | 証券会社 | 証券会社や銀行など |
価格 | 市場での取引 | 1日1回の基準価格 |
売買手数料 | 金融機関が決定 | 投信や金融機関次第 |
運用コスト | 信託報酬 | 信託報酬 |
ETFの手数料
項目 | 内容 | 目安金額 |
購入時 | 購入手数料 | 購入額の0.1~0.2%程度 |
保有中 | 信託報酬、監査報酬 | 運用額の0.08~0.85%程度 |
売却時 | 売買手数料 | 売却額の0.1~0.2%程度 |
指数連動型のETFが多く、株式などの入れ替えのための売買を行う必要がないため、投資信託よりもコストが低い傾向にあります。
米国株投資をETFで行うメリット
ETFは証券会社の口座があれば行うことができます。
そのため、米国株の指数連動のETFであっても東証に上場しているものがあり、現在利用している証券会社の口座を利用すれば直ぐに売買することもできます。
そのため、リアルタイムでの売買も可能であり、指値も信用取引も可能です。
【米国株ETFを売買メリット】
- 投資信託よりも取引コストが少ない
- リアルタイムでの売買が可能
- 指値、逆指値などの注文方法が可能
- 空売りが可能
- 信用取引が可能
- 東証に上場しているETFであれば、米ドル転を行う必要はない
現在株式投資を行っている人であれば、米国株インデックスなどに手軽に機動的な売買が可能なところが大きなメリットです。
デメリット
米国株ETFへ投資を行うデメリットとしては、株式指数連動のETFが多く、大きな値上がり益を期待できない点があります。
また積み立てを行うことができないため、自身で計算し一定期間ごとに購入を行う必要があります。
つみたてNISAの対象である米国株ETFがある
投資信託やETFなどの積立投資に対して年間40万円を上限に、最長20年間の運用益が非課税となる制度が「つみたてNISA」です。
特徴として、対象となる投資信託やETFを金融庁が選定していることです。
これには驚く方も多いと思うのですが、長期投資に向いた運用方針であることや、コストが一定の水準以下に抑えられていることが選定条件となっています。
◆つみたてNISAで行える米国株のETF
- 上場インデックスファンド米国株式(S&P500)
出所:金融庁のPDF
※2020年9月15日時点
つみたてNISAで投資可能なETFはS&Pの指数連動のETF1本のみとなっています。堅実な運用を行い方には十分ではないでしょうか。
高いパフォーマンスを発揮する米国株ETF
指数連動のETFが多い中でも、アクティブ運用を行うETFは存在します。なかでも、米国で初めてETFを販売したステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ社やバンガード社のETFが高いパフォーマンスを発揮しており日本でも人気のETFです。
値上がり率や経費率、分配金利回り、純資産総額などを考慮し、おすすめのETFを選定しました。
パフォーマンスの高いおすすめETF
ティッカー | 名称 | 連動指数など |
QQQ | インベスコ QQQトラストシリーズ1 | ナスダック100指数 |
VYM | バンガード・米国高配当株式ETF | FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス |
DIA SPDR | ダウジョーンズインダストリアルアベレージ | NYダウ |
VTI | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF | モーニングスター配当フォーカス指数 |
VIG | バンガード・米国増配株式ETF | NASDAQ USディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス |
SPYD | SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF | 当配当指数 |
VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス |
VOO | バンガードS&P500ETF | S&P500 |
VGT | バンガード米国情報技術セクターETF | MSCI USインベスタブル・マーケット・情報技術25/50インデックス |
DVY | iシェアーズ好配当株式ETF | ダウ・ジョーンズ U.S.セレクト・ディビデンド・インデックス |
インベスコ QQQトラストシリーズ1のチャート
パッシブ運用型のS&P500指数に連動したパフォーマンスを目指すETFバンガード・S&P500でも、過去10年で3倍以上になっていますし、5年で約3.5倍になったバンガード米国情報技術セクターETFなどもあります。
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