
この記事のポイント
- 円安とは円の通貨価値が下がること
- 円高とは円の通貨価値が上がること
- 円安になると輸出企業の売上げが上がり、個人の外貨建て資産の価値も上がる
- 円高になると海外の商品やサービスを安く購入でき、海外旅行も行きやすくなる
- FXでは円安・円高どちらでも利益を狙える
株式取引では安いときに買い、高いときに売れば売却益となります。基本的に値上がり益を目指すわけで、株価が下落基調の場合値上がり益を狙うのが難しくなります。
一方FXでは、円安・円高のどちらに動いていても(上昇・下落どちらでも)利益を狙えます。この「いつでも取引機会がある」というのはFXの特徴の一つでもあります。
この記事では、FX取引をする上で必ず覚えておきたい円安や円高の仕組みと、円安・円高になった場合のメリット・デメリットについて解説します。
さらに初心者向けのおすすめFX会社(口座)を紹介しますので、投資としてのFX取引に興味がある方はぜひ参考にしてください。
※この記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています。
目次 ー Contents
日本の為替相場の歴史
■変動相場制以降の為替(米ドル/円)の動き

円高とは、外国通貨(ドルなど)の価値と比較して円の価値が上がることを意味します。逆に円安は、円の価値が下がることを意味します。
円高になると、輸入品が安くなり、物価を下げる効果があります。しかし、円高が続けば、輸出産業は苦しくなります。
円高・円安は、政治的・経済的な要因で外国為替市場での円の需給が変化することによって起こります。例えば、日本経済が好調で円に対する需要が高まれば円高になり、日本経済が悪化して円の需要が減れば円安になるのです。
日本は戦後長い間、1ドル=360円の固定相場制をとっていましたが、1973年からは変動相場制をとっています。それからは、経済成長やインフレ率などの経済状況に応じて、円の価値は常に変化するようになりました。過去最大の円高となったのは、2011年10月31日の1ドル=75.32円です。
2000年代以降は米金融政策や金融ショックなどが契機となり、米ドル/円相場はトレンド転換しました。2022年以降は米金利が上昇したことにより円安・米ドル高が進み、一時150円を超える水準になりました。
【ワンポイント】為替レートとは
為替レートとは、外国通貨と円との交換比率のこと。
最も典型的な例は米ドル/円レートで、1ドル=100円という形で表されます。円の価値が上がり、1ドル=90円になれば、円高になります。逆に、1ドル=110円まで円の価値が下がれば、円安になります。
円安とは
円安とは、円の価値が他の通貨と比べて相対的に低くなることを指します。円安になると、1円で購入できる外貨の量が減少します。これは、円の価値が下落し、外貨の価値が上昇したためです。

円安のメリット
円安は輸出企業にとってメリットがあるといわれています。円安になれば、輸出企業は海外で稼いだ外貨をより多く円に換えることができ、売上が増えるからです。また、円安になれば、輸出製品の価格を安く設定できるようになり、国際競争力が高まる可能性もあります。
また、円安になると1円を外貨に交換したときの量が少なくなりますが、逆に外貨を持っている人は普段より多くの円を交換できるようになります。したがって、外国人観光客にとっては、円安の時期に日本を訪れることで、日本でより安く買い物をすることができるようになります。その結果、外国からの旅行者が増えることになります。
外国人観光客が増えると、観光地に住む人や観光客が多い施設で働く人の生活にも影響が出ます。例えば、観光施設で働く人は、普段より忙しくなり、残業が増え、収入も増える可能性があります。
そして、個人としてのメリットは、アメリカなどの外国の資産に投資すれば、保有資産の相対的な価値が高まることや、日本株が高くなる可能性が高いことです。円安対策としては、外貨建ての資産(外国株式、外国債券、外貨預金など)を保有するのが有効だといわれています。
外貨建て資産は、円安になると価値が上がるため、円資産の価値が下がるリスクを回避できます。ただし、資産の比重が外貨建てに偏りすぎると円高になったときにリスクが大きくなってしまいます。そのため、資産を複数の種類の金融商品に分散して保有することがポイントです。
円安のデメリット
一方、円安のデメリットは、個人(消費者)への影響が大きくなることです。円安になると、輸入品に頼っている日本では「生活必需品の値上げ」のリスクがあるからです。
そうなると、賃金などが変わらないにもかかわらず、出費が増えることになります。特に、株や外貨建て資産などを持っていない人は、資産が目減りしてしまうので注意が必要です。
円高とは
円高とは、日本円の価値が他の通貨に対して上昇することです。
日本経済は輸出産業によって支えられている部分が多いため、円高になると輸出品の価格が上昇し、競争力が低下して輸出企業が利益を上げにくくなります。その結果、景気は後退し、株式市場も下落する傾向にあるのです。ちなみに、円高による不況を「円高不況」と呼びます。
一方、円高には「安く輸入できる」「海外企業の買収がしやすくなる」といったメリットもあります。
円高とは、日本経済に大きな影響を与える為替変動です。円高のメリット・デメリットを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
円高のメリット
円高のメリットは、海外の商品やサービスを安く購入できること。輸入食品の価格を下げたり、海外旅行の費用を抑えたりできるからです。また、企業の輸入コストも下がるので、輸入産業の利益アップにつながります。
円高を利用して海外旅行を計画する人も多くなります。2010年から2012年にかけては、円高傾向から日本から海外へ旅行する人が増えました。円高を利用して、旅行期間を長くしたり、ホテルをグレードアップしたりする人も多かったのです。
円高のデメリット
個人にとっては、海外資産に投資している場合、円高は資産価値の減少につながります。また、円高になると海外渡航費が安くなるため、海外旅行に行きやすくなりますが、日本円で得られる利益が少なくなるため、むしろデメリットの方が大きいと考えられています。
企業にとっても、円高は日本の輸出製品の価格上昇につながり、海外で売れにくくなります。そのため、輸出企業の業績が悪化し、雇用や賃金の減少につながる可能性があります。また、行き過ぎた円高は安価な海外製品が幅を効かせるようになり、国内企業の業績悪化につながり、景気を悪化させる恐れもあります。
円高が長期化すると、日本経済全体に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、円高対策を行うことが重要なのです。
円安時のFX取引
円安時の為替の動きを利用することによって、利益を狙うことができます。例えば、米ドル/円を買って、ドル高・円安になったときに売れば、その差額が利益となります。
この利益を「為替差益」といい、この為替差益を得ることがFXの最大の目的です。ただし、上記の例では利益が出ていますが、米ドル/円を買った後にドル安・円高になってしまうと、損失が発生します。自分の予想に反して相場が動いたときに為替差損が発生するリスクを知っておく必要があります。
また、通貨の売買だけでなく、高金利通貨を取引する際の金利差であるスワップポイント(金利差)を利用した投資方法もあります。これは、日本の金利が長期にわたって低水準で推移しているため、高金利通貨を保有することで、その金利差を稼ぐことができるのです。ただし、上記と逆の場合は、スワップポイントがマイナスとなり、損失となりますので注意が必要です。
【ワンポイント】スワップポイントとは
スワップポイントとは、FXで金利水準の異なる国の通貨を保有することで得られる利息のこと。ポジションを保有している間、スワップポイントは毎日発生します。
スワップポイントは、FXで利益を得るための一つの方法です。しかし、スワップポイントは金利差によって変動するため、常に利益を得られるわけではありません。スワップポイントを利用した取引を行う場合は、金利差とポジションの保有期間をよく検討するようにしましょう。

円高時のFX取引
株式や外貨預金では「安い時に買い、高くなったら売る」という取引で利益を狙えますが、買ったときよりも価格が下がると損失になってしまいます。

しかし、FXでは買いでも売りでも利益を狙えます。
- 円を売って米ドルを買い(米ドル/円の買い注文)、その後円安になれば利益になります。
- 円を買って米ドルを売り(米ドル/円の売り注文)、その後円高になれば利益になります。
このように円高でも円安でも利益が狙えるというのは、FX取引のメリットの1つといえるでしょう。
為替変動リスクとは?
為替変動リスクとは、円と外貨の為替レートの変動により、外貨建ての資産の価値が変動する可能性のことをいいます。
投資家は、各国の経済成長率、インフレ率、国際収支の動向を見て、経済成長が見込まれる国に投資します。
したがって、多くの人がそう思って投資すれば、その国の通貨をたくさん買うことになり、通貨が強くなる(強まる)ことになるのです。
基本的に、通貨の価格は需要(買いたい人)と供給(売りたい人)のバランスによって変動します。
円と外貨の為替レートは、シーソーの関係です。一方が高くなれば、もう一方は安くなるのです。
しかし、将来、日本円が他国の通貨より強くなるか、弱くなるかは、プロでも読めないほど難しいといわれています。
為替レートの変動は、海外で取引する企業の収益に大きな影響を与えるため、多くの企業は先物、オプション、スワップなどの「デリバティブ(金融派生商品)」を利用して、為替リスクを一定水準に抑えています。
為替リスクを回避するためには、投資する国や通貨を厳選することが重要です。また、為替リスクヘッジを行うことで、ある程度リスクを軽減できます。
インフレが進むと円安・円高どちらになる?
インフレとは、財やサービスの価格が継続的に上昇する現象のことです。インフレになると、同じ量の商品やサービスを購入するために、より多くのお金が必要になります。
また、インフレは為替レートにも影響します。インフレが進むと、円の価値が下がり、円安傾向になります。円安になると、輸入品の価格が上がり、生活費が高くなります。
インフレと円安は、日本の将来に大きな影響を与える可能性があります。インフレが進むと生活費が高くなり、家計を圧迫するからです。また、円安になると輸入産業が不振になり、景気が悪くなる可能性もあります。
日本の将来を守るためには、インフレと円安を抑制する必要があります。そのために、政府は金融政策と財政政策を適切に管理し、経済を安定させる必要があります。また、企業は競争力を高めるために、コスト削減や生産性向上に取り組む必要があるのです。
また、私たち一人ひとりがインフレや円安に備えることもできます。節約して貯蓄を増やすことが大切です。また、為替変動リスクに備え、外貨預金やFXなどの金融商品への投資を検討しておくのも良いでしょう。
インフレや円安は、私たちの生活に大きな影響を与える可能性があります。しかし、私たち一人ひとりが備えることで、その影響を最小限に抑えることができるのです。

2022年以降は世界各国でインフレが進んだことにより、海外の金利が上昇。円安傾向が続いています。
おすすめのFX会社5選
FX取引を考えているなら、取引口座を開設する必要があります(無料です)。
FX会社は国内に数十社あり、取引ルールがそれぞれ異なっているため、できるだけ有利な条件の取引口座で開設したいところです。
そこで、ここからはスプレッド(FXにおける実質的な取引コスト)や取引ツールの使いやすさ、サポート体制などを考慮して、投資初心者でも利用しやすいであろうFX会社を5つ紹介します。
GMOクリック証券

最小取引単位 | 1,000通貨 |
通貨ペア数 | 20種類 |
口座開設 | 最短当日 |
デモ口座 | あり |
GMOクリック証券の特徴
- スプレッドが狭い
- 取引ツールが充実
- 1,000通貨単位で取引できる
GMOクリック証券「FXネオ」のスプレッドは、主要通貨ペアで軒並み最狭水準となっています。例えば、米ドル/円のスプレッドは0.2銭、ユーロ/円のスプレッドは0.4銭、ユーロ/米ドルのスプレッドは0.3pipsとなります。取引コストを抑えたい人は候補に入れておきましょう。
※原則固定(例外あり)
取引時間内であれば常に同じスプレッドが提供されるため、時間帯を気にする必要がありません(相場急変時を除く)。

GMOクリック証券「FXネオ」は、高性能な取引ツールも魅力の一つ。PC(Windows・Mac)とスマホ(iPhone・Android)どちらでも相場分析や取引、資産管理を行えます。
MATSUI FX

最小取引単位 | 1通貨 |
通貨ペア数 | 20種類 |
口座開設 | 最短当日 |
デモ口座 | なし |
MATSUI FXの特徴
- 1通貨単位の少額取引が可能
- 初心者でも使いやすい取引ツール
- 業界最狭水準のスプレッド
- 自動売買ができる
ネット証券の大手である松井証券が手掛けるFXサービスです。
SBI FXトレードと同じく最小取引単位が1通貨なので、100円からFX取引を始められます。
また、自動売買は「リピート系注文」というタイプの取引手法。最初に決めたルールに基づいて自動的に売買が繰り返されていくため、FX取引に詳しくなくても簡単に始められます。

IG証券

最小取引単位 | 1万通貨 |
通貨ペア数 | 約100種類 |
口座開設 | 最短1営業日 |
デモ口座 | あり |
IG証券の特徴
- FXだけでなく株式CFD、株価指数CFD、商品CFDの取引が可能
- 100種類以上の通貨ペアで取引ができる
- イギリスでNo.1のFXプロバイダーで、日本を含む世界15か国にオフィスを展開
IG証券は英国ロンドンを拠点に45年以上の歴史を持つ金融サービスプロバイダー、IGグループの日本支社です。FX、個別株、インデックス、債券、コモディティなど、さまざまな資産クラスをワンストップで提供しています。
IGグループはロンドン証券取引所に上場し、FTSE250種総合株価指数にも採用されています。FXでは100種類以上の通貨ペアの取引を提供しています。
DMM FX

最小取引単位 | 1万通貨 |
通貨ペア数 | 21種類 |
口座開設 | 最短1時間 |
デモ口座 | あり |
DMM FXの特徴
- 口座開設が最短1時間
- 米/ドル円のスプレッドが0.2銭など業界最狭水準
- 手軽でスピーディな取引が可能
DMM FXではスマホに最適化した最新ツールで、スピーディな取引を実現できます。
また、DMM FXは、口座開設のスピードが早いのも特徴です。即日の口座開設が可能で、最短1時間で取引できます。最短で口座開設を希望する場合は、本人確認書類をスマートフォンで撮影し、オンラインで口座開設手続きを完了できる「スマートフォンによるスピード本人確認(休業日を除く)」サービスを利用しましょう。

【まとめ】FXなら円安でも円高でも利益を狙える
この記事のポイント
- 円安とは円の通貨価値が下がること
- 円高とは円の通貨価値が上がること
- 円安になると輸出企業の売上げが上がり、個人の外貨建て資産の価値も上がる
- 円高になると海外の商品やサービスを安く購入でき、海外旅行も行きやすくなる
- FXでは円安・円高どちらでも利益を狙える
FXでは円安・円高、どちらのトレンドが出ていても利益を狙えます。両方の局面で取引ができるというメリットを生かせるよう、円安と円高について正しく理解しておきましょう。
なお、FXで安定して利益を出せるようになるには、チャート分析方法や取引手法、ファンダメンタルズ分析などを習得する必要があります。当メディアでは取引のヒントになる様々な記事を投稿していますのでぜひお役立てください。