
この記事のポイント
- FXのデイトレードとは、その日のうちに決済をしてポジションを手仕舞うトレード
- 資金効率を高め、リスクを軽減するメリットがある
- 時間に余裕がある人、FXで資産を大きく増やしたい人に最適
- 最初は少額から、損切りの逆指値注文も忘れずに
短時間売買のデイトレードはポジションを翌日に跨がないため、回転売買で資金を大きく増やしたい人に人気のあるトレードスタイル。
ここではそんなデイトレードのやり方を、基本的な部分から手法のコツまで解説しています。
目次 ー Contents
FXのデイトレードとは?
FXのデイトレードとは、デイ(Day=1日)の中で完結するトレードのこと。
日本時間の早朝から翌朝のニューヨーク市場終了までがFXの「1日」なので、この24時間のうちにポジションを建て、ニューヨーク市場終了までに決済をして1つのトレードを終了します。
数あるFXのトレードスタイルを時間軸で分類すると、デイトレードは短期トレードに属します。
スキャルピング・スイングトレードとの違い
FXのトレードを時間軸で分類し、時間軸が短い順に並べると以下のようになります。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
- ポジショントレード
この4つを、一覧表で比較してみましょう。
トレード種別 | ポジション保有時間、期間 | 獲得値幅(目安) |
---|---|---|
スキャルピング | 数秒〜数分 | 数pips~5pips程度 |
デイトレード | 最長で24時間 | 10~50pips程度 |
スイングトレード | 数日〜数週間 | 50~100pips以上 |
ポジショントレード | 数か月~数年 | 100pips以上+スワップ |
ご覧のように、デイトレードは2つめに時間軸の短いトレードです。
デイトレードよりも短いスキャルピングは超短期売買で、数秒から数分でトレードを終了することもあります。
トレードの時間が短いということは、狙う利幅も小さくなるということですね。
そのため、スキャルピングは数pipsや5pipsといったわずかな値幅を狙って1日に何十回と短期売買を繰り返す手法といえます。
その一方でデイトレードよりも時間軸の長いスイングトレードは、ポジション保有期間が数日から数週間であることが大半です。
これだけの時間を使って数十pips以上の利幅を狙うのが、スイングトレードの特徴です。
最もポジション保有期間の長いポジショントレードは、さらに大きな利幅やスワップポイントの蓄積による利益を狙うトレード手法です。
この中でデイトレードは「スキャルピング以上スイングトレード未満」という位置づけで、最大24時間を使っておおむね数十pipsの利幅を狙うのが基本です。
デイトレードのメリット5選
他のトレードスタイルと比べると、FXのデイトレードには主に5つのメリットがあります。
- FXのリスクが少ない
- 資金効率がよい
- マイナススワップが発生しない
- FXの経験値が貯まりやすい
- ぐっすり眠れる
FXは24時間いつでも取引ができるだけに、5つめのメリットである「ぐっすり眠れる」という心身へのメリットも意外に重要です。
FXのリスクが少ない
FXはポジションを保有する時間が長くなるほど、経済情勢の変化や投機筋による仕掛けなどさまざまな影響を受けやすくなるため、リスクが高くなります。
デイトレードはポジションの保有期間が最長でも24時間なので比較的短く、トレードのリスクを抑えやすいことはメリットです。
資金効率がよい
最長でもその日のうちに1つのトレードを終了するため資金の拘束時間が短く、デイトレードを続けていると取引回数は多くなります。
100万円を使って1か月間に1回しかトレードをしなければ100万円分の投資効果しか得られませんが、1か月間で毎日デイトレードをすれば取引回数は20回程度になります。
100万円を20回運用したことになるため、実質的な投資額は2,000万円相当になります。
このように短期的な取引を繰り返すことで資金効率を高められるのは、デイトレードで知っておきたいメリットです。
マイナススワップが発生しない
FXでは、保有するポジションによってはマイナススワップが大きい場合があります。
例えば、米ドル/円の売りポジション1万通貨に対するマイナススワップは180円です(みんなのFX、2023年4月10日)。
スワップポイントはプラスマイナスに関わらず毎日発生するため、マイナススワップのポジションの保有期間が長くなるほど不利になります。
しかし、スワップポイントが発生するのは「1日」の終了時、つまりニューヨーク市場終了時なので、このタイミングをまたいでポジションを保有しなければプラスとマイナスのどちらもスワップポイントは発生しません。
マイナススワップが発生する通貨ペアのトレードをする場合であっても、デイトレードだとマイナススワップを意識する必要がありません。
FXの経験値が貯まりやすい
FXは経験値を積むほどトレード技術が上がっていくので、いかにリスクを抑えながらトレード経験を積むかが上達のポイントです。
デイトレードは比較的リスクを抑えやすいトレード手法であり、時間軸が短いので取引回数も多くなります。
これに対してスイングトレードの場合は数日、数週間に1回のペースになることが多いため、経験値を高めていくスピードには大きな差があります。
ぐっすり眠れる
デイトレードの「日をまたがない」ということには、実はメンタル面でとても大きなメリットがあります。
FXは24時間いつでも取引ができることがメリットの1つとして認識されていますが、これは逆にデメリットにもなり得ます。
FX初心者にありがちな悪影響として挙げられるのが、ポジションを持っていると相場が気になって仕方ない状態になってしまい、夜も眠れないというケース。
保有しているポジションで含み損が拡大していて、夜眠っている間にそれがさらに拡大したらどうしよう、ロスカットになっていたらどうしようと思いながら生活するのは、精神衛生上良くありません。
FXに慣れている人や適切なリスク管理ができている人であれば、ポジションを保有したままでも枕を高くして眠れると思います。
しかし、その部分に慣れていない人はポジションを持っている状態で夜を迎えると落ち着きを失ってしまいがちです。
デイトレードは眠る前にトレードを終えてしまってノーポジションになるため、メンタルの安定を保つ効果も期待できます。
デイトレードのデメリット3選
デイトレードのデメリットについても解説しましょう。
ここでいうデメリットとは、スキャルピングやスイングトレードといった他のトレードスタイルと比較した場合のデメリットです。
- それなりの分析時間が必要
- 1回の獲得値幅が少ない(≒利益が少ない)
- ポジポジ病になりやすい
それなりの分析時間が必要
スイングトレードなど時間軸の長いトレードだと頻繁に相場やチャートをチェックする必要はありませんが、デイトレードの場合は毎日チェックすることが前提になります。
FXに費やすことができる時間が多い人にとっては問題のないことだと思いますが、仕事が忙しい人やFXそのものにそこまで入れ込んでいない人にとっては、毎日のチェックが負担に感じられるかもしれません。
FXの「1日」には主に、東京時間、欧州時間、ニューヨーク時間という3つの時間帯があります。
少なくともこの3つの市場が動き始める時間帯はチェックすることが望ましいので、それぞれに1時間程度を使うとすると毎日3時間は相場をチェックする時間が必要になります。
1回の獲得値幅が少ない(≒利益が少ない)
デイトレードはポジションの保有時間が短いため、狙う値幅は小さめです。
そのため、大きな利幅を狙うことを目的としているスイングトレードと比べると、利益が少ないと感じる人は多いと思います。
ただし1回あたりの利益についてはロット数(取引数量)を変えることで調節が可能なので、ロット数を大きくすることで解消できるデメリットです。
ポジポジ病になりやすい
FXには、ポジポジ病と呼ばれる「病気」があります。
チャートを見ているとトレードをしたくて仕方ない、ポジションを持ちたくて仕方ないと思ってしまう心理のことで、FX初心者にありがちな「病気」といえます。
デイトレードではチャートを見る機会が多くなるため、必然的にポジポジ病になってしまう可能性も高くなります。
ポジポジ病によるエントリーは雰囲気に流された結果であることが多く、負けるリスクは高いでしょう。
負けたことでポジポジ病を反省できる人であれば損失は拡大しませんが、負けたことで熱くなってしまい、前回の負けを取り返すために無謀なトレード(リベンジトレード)をしてしまうのはさらに危険です。
ポジポジ病やリベンジトレードはいずれも、メンタルコントロールがうまくいかないことによる現象です。
この対策として有効なのが、ロットコントロールです。
含み損が発生しても感情が動かない程度のロット数にしておけば損切りをためらうこともないでしょうし、次のトレードに向けて冷静に取り組むことができます。
ポジポジ病やリベンジトレードの危険があると感じる人は、ロットコントロールによってメンタルの健全化を検討してみてください。
デイトレードに向いている人
デイトレードにはどんな人が向いているのでしょうか。ここではデイトレードに向いている人として、以下の条件をピックアップしました。
これらのうち、2つ以上当てはまる項目がある人はデイトレード向きかもしれませんね。
- 決められた時間しか取引できない人
- せっかちな人
- 時間に余裕のある人
- 複利で大きく増やしたい人
それでは、1つずつ見ていきましょう。
決められた時間しか取引できない人
FXに使える時間はあればあるほどいいのですが、ただ漠然とトレードをしても結果が出にくいのもFXの特性です。
なぜなら、FXの「1日」にはそれぞれの時間帯に特徴があり、その特徴をうまくとらえることが勝率アップにつながるからです。
こうした特徴を考慮せず漠然とトレードしていても勝率は上がりにくいですし、それ以前に技術的な向上が望めません。
「1日」の中でも東京時間、欧州時間、ニューヨーク時間にはそれぞれ異なる特徴があるため、生活に合わせてトレードしやすい特定の時間帯に強いプロを目指すのも良いのではないでしょうか。
最初はよく分からないかもしれませんが、特定の時間帯の値動きを観察し続けることで特徴が見えてきますし、その特徴に適したトレード技術も確立していきます。
トレードができる特定の時間帯に絞って勝率を高め、他の時間帯はチャートすら見ないというのも、生活にFXを溶け込ませる有効な手段の1つです。
せっかちな人
トレードの結果を早く求めすぎるのはあまり良い傾向ではありませんが、性格上どうしても早く結果が欲しいと感じる人は、短期売買であるデイトレード向きです。
その意味では、デイトレードよりもさらに短い時間軸のスキャルピングにも向いているといえるでしょう。
保有しているポジションで含み益や含み損が出ていると気になって仕方がないという人にも、ポジションを長時間保有しないデイトレードやスキャルピングが適しています。
【ワンポイント】損切り貧乏に注意
ポジションを長時間保有していると落ち着かず、早く結果を確定させたいと思いすぎると損切りが続いて「損切り貧乏」になってしまう恐れがあります。
利益確定と損切りには、それぞれの戦略に応じた適切なレートとタイミングがあります。
焦りすぎてそのタイミングを見誤ったり、戦略から逸脱した行動を取らないように注意しましょう。
時間に余裕のある人
FXに十分時間をかけられる人も、デイトレード向きです。
デイトレードでは頻繁に相場のチェックをするため、FXと向き合う時間が長くなります。
そのための時間を取れる人であれば失敗を繰り返しながら勉強する機会も多くなるため、FX上達のチャンスに恵まれるでしょう。
年齢的に若い人であれば経験を積む十分な時間がありますし、確立した自身の売買テクニックをいかして利益を積み上げる時間も長くなるため、生涯の利益額はより大きくなるでしょう。
FXに興味があって時間的な余裕がある人は、できるだけ早く始めることで上記のメリットが大きくなります。
複利で大きく増やしたい人
複利とは、投資で得た利益を再投資することで原資が加速度的に大きくなることです。
金利の高い借金をすると元本が雪だるま式に増えてしまうと言われますが、投資でも複利を味方につけると資金を雪だるま式に増やすことができます。
デイトレードは短期間で利益を確定させるため、次のトレードでは利益分を上乗せした投資ができます。少しずつであっても利益を積み上げていけばポジションを保有する原資が大きくなっていくため、資金は加速度的に増えていきます。
複利を味方につけて資金を大きく増やしたい人は、デイトレードやスキャルピングなど短期トレードの技術を磨くべきでしょう。
FXデイトレード手法のやり方
デイトレードの概要やメリットなどを理解した上で、ぜひやってみたいと思った人に向けて、デイトレードの基本的な手法を解説します。
- 取引する時間帯を決める
- 通貨ペアを決める
- 分析方法・トレード手法を決める
- チェックする時間足は?
- 狙う値幅(pips)、損切りのタイミングは?
- 1日のトレード回数は何回?
- 初心者はやめた方がいい手法
ただし、チャート分析の結果を売買に反映するのがデイトレードの基本なので、FXの基本的な知識を身につけた上で、主要なチャートの特徴や見方をマスターしておくことが前提になります。
これらの知識を網羅した上で、以下の解説を読み進めていただくと実践しやすいと思います。
① 取引する時間帯を決める
すでに述べているように、FXの「1日」にはそれぞれの時間帯における特徴があります。
東京時間、欧州時間(ロンドン時間)、そしてニューヨーク時間です。それぞれの時間帯の特徴について、一覧表にまとめました。
時間帯 | 日本時間 | 特徴 |
---|---|---|
東京時間 | 8時~17時頃 | 日本円、オセアニア通貨の取引が活発になりやすい。 日本時間の9時55分は仲値が決まるのに向けて米ドル/円の取引が活発になりやすい。 10時の仲値を過ぎるとマイルドな値動きになることが多い。 |
欧州時間 (ロンドン時間) | 16時~翌2時頃※ | ユーロ、ポンド、スイスフランなどの取引が活発になる。 欧州関連の経済指標が発表されると大きく相場が動くことも。 19時は欧州が昼休みになるため相場が一旦落ち着くものの、20時以降から再び大きく値が動くことも多い。 |
ニューヨーク(NY)時間 | 21時~翌6時頃※ | 取引量が最も多くなる時間帯。21時から翌2時まではロンドン市場も動いているため、激しい値動きが起きやすい。 午前0時にはロンドンフィックス(東京仲値に相当)があるため、欧州通貨の値動きが活発になる。 「1日」のうち最も値動きが活発になるため、デイトレード向きの時間帯。 |
この一覧表からトレードの時間帯を決めるのが理想ですが、生活のすべてをFXに合わせる必要はありません。ご自身の生活スタイルに合わせて「トレードできる時間帯」と「トレードに適した時間帯」を照らし合わせてみてください。
■主婦(主夫)なら…
家事が一段落した午前中に絞って東京仲値をはじめとする東京時間の値動きを研究する。
■サラリーマンなら…
帰宅から寝るまでの時間帯に絞ってニューヨークスタートの値動きを研究する。
といった具合です。
そこから導き出された時間帯に絞って値動きをこまめにチェックして、その時間帯のみエントリーするというのは、デイトレードの中でも有効な戦略です。
② 通貨ペアを決める
先ほど特定の時間帯に絞ってトレードすることを推奨しましたが、それは通貨ペアにも同じことがいえます。
通貨ペアによって値動きの特徴は異なるため、最初は1つの通貨ペアに絞って研究し、それをトレードに反映するのが得策です。
では、数ある通貨ペアからどの通貨ペアを選ぶのが良いのでしょうか?
もちろん個人的な好みや相性で決めても構いませんが、あまりマニアックな通貨や新興国通貨などは情報が少なく、また流動性の低さゆえに突発的な値動きが損失につながる恐れがあります。
その意味では取引量が多く、それゆえにスプレッドも狭いメジャーな通貨ペアを選ぶのが無難でしょう。

一般社団法人金融先物取引協会がまとめた「店頭FX月次速報」の2023年3月版によると、取引量のトップは米ドル/円です。
2位はユーロ/円ですが、その差は20倍以上なので米ドル/円が断トツであることがわかります。3位はポンド/円、4位は豪ドル/円、5位はユーロ/ドルが続きます。
これから通貨ペアを決める人は、この5位までの通貨ペアから選ぶのが良いのではないかと思います。
③ 分析方法・トレード手法を決める
その時の雰囲気や直感で、何となく「上がりそう」「下がりそう」といったトレードをするのはおすすめできません。
こうしたトレードは山勘トレードと呼ばれ、短期的には運良く勝てたとしても長期的には負けるケースがほとんど。
FXのトレードにはこうした山勘ではなく、明確な根拠が必要です。
根拠に基づいたトレードであれば仮に失敗してもその原因を検証できますし、その検証結果を次のトレードにいかせます。
とはいえ、FX初心者がいきなり自分流のチャート分析、トレード手法を編み出すのは難しいでしょう。
そこでおすすめなのが、既存のさまざまな手法を実践してみて、それを検証した上で自分のものにしていく方法です。
もちろん最初から大切なお金をリスクにさらすわけにはいかないので、最初はデモトレードや超少額トレードなどで実践と検証を繰り返すのが良いでしょう。
松井証券では1通貨単位からトレードが可能なので、超少額トレードを実践するのに役立つと思います。
重要なのは、投資の判断を人任せ(人のせい)にしないことです。人のせいにしてしまうといつまでも検証が進まず、自分流のトレード手法が確立しません。
その結果、「〇〇が悪い」「〇〇のせい」と責任転嫁をしたまま損失だけが増えていくことになります。
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④ チェックする時間足は?
デイトレードは短期売買なので、チェックするチャートの時間足も短めのものを用いるのが一般的です。
具体的には5分足や15分足などでエントリーのタイミングをはかります。
ただし、これらの短期足をチェックするだけではなく、日足などより長い時間軸(上位足)のチャートもチェックして相場の大きなトレンドを掴むようにしてください。
短期足をチェックしているだけだと、仮に5分足などで買いシグナルと判断したとしても、日足では下落トレンドが継続中かもしれません。
この状態で安易な買いエントリーをすると下落トレンドに巻き込まれて損失につながる恐れがあります。
デイトレードは短期足のチェックが基本ですが、上位足から得られる傾向も含めて総合的に判断するようにしましょう。
⑤ 狙う値幅(pips)、損切りのタイミングは?
一般論としてデイトレードで狙う値幅は10~100pips程度、スイングトレードではそれ以上といわれています。
しかしこれは大まかな目安であり、トレード手法によって狙う値幅と損切りのラインは異なるもの。利幅と損切りのラインはいずれも重要な戦略なので、エントリーする前に決めておくべきものです。
FXには入口となるエントリーと、出口となる利益確定(もしくは損切り)があります。
エントリー前にそれぞれのレートを決めておき、IFOやOCO注文であらかじめ設定しておくのが基本です。
⑥ 1日のトレード回数は何回?
「デイ」トレードだから、トレードは1日に1回までという決まりがあるわけではありません。
チャンスがあれば1日に何回トレードをしても問題はありませんし、逆にチャンスがなければチャートをチェックしていても1回もエントリーしない日もあります。
あくまでもトレード手法ありきなので、自分で決めたトレードのルールに沿って行動するようにしてください。
「今日はトレードなしになりそうなのでエントリーしておこう」といったように、自分の都合を理由にしてエントリーするのは危険です。
⑦ 初心者はやめた方がいい手法
ネットで検索するとたくさんのFX手法を見つけることができますが、手法を探す際に勝率にこだわりすぎるのはおすすめしません。
なぜなら、「勝率が高い」ことと結果につながる手法であることはイコールではないからです。
「勝率95%」など高い勝率を謳っているものは、ほとんどがナンピンマーチン系と呼ばれる「勝つまでエントリーし続ける手法」です。
【ワンポイント】ナンピンとは?
最初に建てたポジションで含み損が出たら、そこから再度エントリーをして平均取得価格を有利にするのがナンピンです。
例えば米ドル/円が130円の時に買いエントリーしたもののドル安が進行して含み損が出たら次は129円で買いエントリーをして、平均取得価格を129.50円にするといった具合。
【ワンポイント】マーチンゲールとは?
そしてマーチンとはマーチンゲールのことで、1回目に負けたら2回目はロットを2倍にして、それも負けたら3回目は4倍にするといったように、勝つまでロットを倍に増やし続ける手法です。
このナンピンとマーチンゲールを組み合わせたのがナンピンマーチンです。負けを確定させず、勝つまで追加エントリーを続けるため、勝率は高くなります。
しかし、倍々ゲームのようにロットを増やし続けていると、証拠金が枯渇してロスカットになるリスクが飛躍的に高くなります。
うまくいっている時はいいのですが、1回の失敗で「一発退場」になるリスクをはらんでいるため、リスク管理や資金管理を徹底できるFX上級者向けの手法です。
FX初心者がデイトレードする際のコツ・注意点
FX初心者がこれからデイトレードを始めようと思った際に留意しておきたいコツや注意点を、4つの項目で解説します。
- 慣れるまでは少ないロットで取引する
- 経済指標、イベント情報を毎日チェックする
- 損切りの逆指値注文を使う
- トレード記録をつけて振り返る
ちなみにこの4項目はデイトレードだけでなく、他のトレードスタイルにも共通するものなので、FXをこれから始める人はぜひ留意しておいてください。
① 慣れるまでは少ないロットで取引する
今は安定的に利益を上げているFX投資家であっても、過去には必ず失敗をしています。
FXの失敗は「誰もが通る道」なのです。
その前提に立って、最初からいきなり再起不能になるような金額を口座に入れないようにしましょう。
1回の失敗でロスカットになってしまうようなハイレバレッジ取引も、同様におすすめしません。誰もが失敗することを踏まえて、その失敗から立ち直るための資金管理を徹底してください。
最初は失っても痛くない少額から始めるのが基本です。
少額トレードを卒業する基準は人それぞれですが、例えば資金を2倍にすることができた時点で少額トレードを卒業するといったように、明確な数値目標を立てるのも1つの方法です。
② 経済指標、イベント情報を毎日チェックする
相場に影響を及ぼす可能性が高い経済指標は、毎日しっかりチェックしましょう。
経済指標の結果が相場にどんな影響を及ぼすのかを知ることで、その時間帯のトレードテクニックを身につけられます。
安定的に利益を上げたいと思うのであれば、経済指標や相場に影響を及ぼすイベントのチェックは必須です。
こうした情報に精通すると、世界情勢にも精通できるようになります。
③ 損切りの逆指値注文を使う
デイトレードに限らず、ポジションを建てたら逆指値による損切り注文を入れておくのが基本中の基本です。
相場に「絶対」はありません。万が一の事態も想定して利益確定の指値だけではなく、損切りの逆指値を入れておきましょう。
IFO注文では新規エントリー時に利益確定と損切りの両方を設定できるので、ぜひ活用してください。
④ トレード記録をつけて振り返る
トレードには「根拠」が必要であると述べました。
その根拠に基づいてトレードを実際に行い、その結果がどうだったのかを検証することで、いわゆるPDCAサイクルが完成します。
新規トレードをする際にはなぜそのレートなのかを記録し、その結果相場はどう動いたのか、トレードの結果はどうだったのかも記録します。
記録をすることで正確な検証ができますし、次は検証を踏まえたトレードをしてみて、またその結果も検証します。
これを繰り返すことによってトレードの技術はどんどん上達していくので、まずはトレードの記録から始めてみてください。
【ワンポイント】PDCAとは?
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を1つのサイクルにして、業務改善をするフレームワークのことです。
FXトレードに当てはめるとPlanはチャート分析、Doは新規エントリー、Checkはトレード結果の検証、Actionは次のトレードへの改善となります。
デイトレードを学べるFX本3選
FXのデイトレードをもっとしっかりと学びたいという人に向けておすすめのFX本を3冊紹介します。
この3冊はこれまで編集部が取材してきた個人投資家から推薦されたものなので、FXで結果を出したい人はぜひ手に取ってみてください。
- いますぐスタートできる FX超入門
- デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術
- バーンスタインのデイトレード入門
1冊目はFXの入門書、2冊目と3冊目はデイトレードやFXトレードの普遍的な知識を学べる本です。
この順に読んでいただくと、効率良く理解を深められるでしょう。
いますぐスタートできる FX超入門

これからFXを始める人が、FX界のカリスマである羊飼い氏のもとでFXを学びつつ挑戦する入門書です。
一般的な入門書を読んでも分からないことや疑問点にその場で答える構成になっているため、この本を読み進めながらFXを始めるのも良いでしょう。
デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術

米国のトレーダー養成機関「プリスティーン」が、デイトレーダーとして成功するための法則をまとめた1冊です。
株式投資のための本ですが、デイトレードの手法はFXと共通しているのですぐに応用できます。
バーンスタインのデイトレード入門

チャート分析手法をはじめ、デイトレードに特化した知識が網羅されています。
テクニック面だけではなく、デイトレーダーとして成功できる資質があるかどうか、ない場合はどうするのかといったところにもスポットが当てられています。
デイトレードにおすすめのFX会社3選
デイトレード向きのFX会社を3つご紹介します。
外為どっとコム

取引手数料 | 無料 |
最小取引単位 | 1,000通貨 |
通貨ペア数 | 30種類 |
米ドル/円スプレッド | 0.2銭(午前9時~午前3時、例外あり) |
口座開設 | 約5分で申込完了 |
公式サイト | ![]() 公式サイト |
外為どっとコムの特徴
- マーケット情報配信が充実している
- FX初心者が使える学習コンテンツが充実している
- 初心者が簡単に使えるテクニカル分析ツールがある
- FX業界では専業であり、老舗である安心感
こんな人におすすめ!
- ゼロからFXを丁寧に学びたい人
- まだ勉強中でもテクニカル分析を活用したい人
- 安心感のあるFX会社で始めたい人
- 他社と比べてそん色のない条件で取引したい人
外為どっとコムは、FX業界では最古参の部類に入る老舗です。
FX専業の取引会社として、FXの発展に寄与する目的の一環で初心者向けの情報発信や学習コンテンツに力を入れているため、初心者からの人気が高いのも特徴の1つ。
スプレッドは他社と比較してもそん色のない水準なので、これからFXを始める人も安心です。
GMOクリック証券

取引手数料 | 無料 |
最小取引単位 | 1,000通貨 |
通貨ペア数 | 20種類 |
米ドル/円スプレッド | 0.2銭※1(午前9時~翌午前3時、例外あり) |
口座開設 | 最短当日 |
公式サイト | ![]() 公式サイト |
GMOクリック証券の特徴
- 東証プライム上場企業グループの圧倒的なスケール感
- 多くの通貨ペアで業界最狭水準のスプレッド
- 1,000通貨から取引可能、少額トレードに適している
- FX以外も豊富な投資が可能な総合証券会社
こんな人におすすめ!
- 安心感のあるFX会社で取引をしたい人
- スプレッドやスワップポイントの条件にこだわる人
- 少額トレードから始めたい人
- FX以外の投資にも興味がある人
GMOインターネットグループの証券会社で、東証プライム上場企業グループのGMOクリック証券。
スケールメリットや企業としての安定感は抜群です。
スプレッドやスワップポイントといったFX取引のスペックでは業界最高水準をキープしており、より有利な条件でFXを始めたい人におすすめ。
また、総合証券会社なのでFX以外にも多彩な投資を手軽に始められます。
MATSUI FX

取引手数料 | 無料 |
最小取引単位 | 1,000通貨 |
通貨ペア数 | 30種類 |
米ドル/円スプレッド | 0.2銭(午前9時~午前3時、例外あり) |
口座開設 | 約5分で申込完了 |
公式サイト | ![]() 公式サイト |
MATSUI FXの特徴
- 1通貨単位から裁量取引&自動売買が可能
- 主要な通貨ペアのスプレッドが業界最狭水準
- ロスカット手数料も含めてすべての手数料が無料
- メッセージアプリ「LINE」との連携機能がユニーク
こんな人におすすめ!
- 超少額トレードでFXの経験を積みたい人
- 自動売買の運用に興味がある人
- 外出中も重要な情報をいち早くキャッチしたい人
- レバレッジの上限を調節してリスクの上限を抑えたい人
松井証券のMATSUI FXは1通貨から取引が可能な証券会社。
超少額トレードで実戦経験を積みたい人にとっては、魅力的な口座となるでしょう。
また、メッセージアプリ「LINE」と連携すると重要な経済指標などの通知を受けられるため、外出中などでもチャンスを逃したくない人にもおすすめ。
2023年4月より自動売買(リピート系)のサービスも提供開始しており、FX取引の選択肢が広がります。
まとめ【FXのデイトレード】
この記事のポイント
- FXのデイトレードとは、その日のうちに決済をしてポジションを手仕舞うトレード
- 資金効率を高め、リスクを軽減するメリットがある
- 時間に余裕がある人、FXで資産を大きく増やしたい人に最適
- 最初は少額から、損切りの逆指値注文も忘れずに
デイトレードはFXとの親和性が高く、多くの投資家が利益を上げている有効性、再現性の高い手法です。
メリットはとても多いですが、その一方で注意すべきデメリットや手を出してはいけない手法もあるので、こうした注意点にもしっかり留意してください。