
この記事のポイント
- FXは株式よりも取引時間が長く、少額で取引を始められるので初心者におすすめ
- 日中忙しい人でも、夜間などを利用してFX取引ができる
- FXはリスクもあるので、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を学ぶことが必要
- FXと株のどちらにしようか迷っている人はデモトレードの利用がおすすめ
投資という大きなくくりではFXと株は一緒かもしれませんが、どんな投資なのか掘り下げていくと様々な違いがあることがわかります。
なにを対象に取引するのか、取引時間は何時から何時までなのか、資金はいくら必要なのかなどなど、この記事ではFXと株式投資の違いについて解説していきます。
それぞれのメリット・デメリットも確認して、違いを理解してくださいね。
FXと株の違い
FX | 株式投資 | |
---|---|---|
取引時間 | 平日24時間 | 平日9~15時 |
レバレッジ | 最大25倍(国内業者) | 現物は1倍 |
必要な資金 | 数千円~ | 数万円~ |
ボラティリティ | 小さい(ただしレバレッジ取引が可能) | 大きい |
手数料 | 比較的安い | 比較的高い |
税金 | 20.315%(所得税15.315%+住民税5%) | 20%(所得税15.315%+住民税5%) |
FXと株の違いを6つの項目で見てみましょう。
取引時間
FX | 株式投資 | |
---|---|---|
取引時間 | 平日24時間 | 平日9~15時 |
株式投資は、証券取引所が開いている時間帯にしか取引することができません。日本の証券取引所の営業時間は、原則として平日の午前9時から午後3時までです。
一方、外国為替(FX)は、月曜日の早朝から金曜日の夜遅くまで、平日はほぼ24時間取引できます。
これは、外国為替取引が世界中の市場で行われており、常にどこかの市場が開いているためです。
主要な為替市場の営業時間は以下の通りです。
- 東京市場:午前8時~午後4時(日本時間)
- ロンドン市場:午後4時~翌午前2時(日本時間)
- ニューヨーク市場:午後9時~翌午前5時(日本時間)
※ロンドン、ニューヨークは夏時間、冬時間は+1時間
このように、FXは株式投資よりも取引時間の自由度が高いのが特徴です。
平日の昼間に取引する時間がない方や、日本時間の深夜や早朝に取引したい方でも、FXは取引できます。
ただし、24時間取引できるからといって、FXで常に利益を上げられるわけではありません。
為替市場は変動が激しく、予想外の損失が発生する可能性もあるため、FXに参入する際には、そのリスクを十分に理解し、慎重に取引することが重要です。
レバレッジ
FX | 株式投資 | |
---|---|---|
レバレッジ | 最大25倍(国内業者) | 現物は1倍 |
FXと株式投資の最大の違いは、レバレッジです。
株式投資は基本的に現物取引なので、取引に必要な資金は取引される株式の金額と同額になります。
一方、FXはレバレッジ取引なので、取引に必要な資金は取引する通貨の金額の一部にしか過ぎません。
日本のFX会社は、法律で25倍までレバレッジをかけることが許されています。つまり、10万円の証拠金で250万円まで取引できるのです。
レバレッジをかけることで、資金効率を高めて取引できます。
ただし、レバレッジはお金を借りるようなものですから、リスクも高くなります。相場が逆方向に動いた場合、大きな損失を被る可能性もあるわけです。
FXを始める前にレバレッジのリスクを十分に理解し、慎重に取引することが重要です。
【ワンポイント】株式でレバレッジ取引するには
株式投資にも「信用取引」という取引方法がありますが、それでも最大で預けた担保の約3.3倍までしか取引できません。
ですが、IG証券のCFD取引(差金決済取引)を利用すればそれ以上のレバレッジをきかせた取引が可能に。1株数百円〜数千円で株取引ができるので、少ない資金でも始められます。
取引に必要な資金
FX | 株式投資 | |
---|---|---|
必要な資金 | 数千円~ | 数万円~ |
株式投資では投資先の株式の全額を用意する必要がありますが、FXではレバレッジを活用することで、少額の資金で取引を始めることができます。
【ワンポイント】FXの取引に必要な資金例
1ドル100円、レバレッジ25倍で米ドル/円の買いポジションを1,000通貨取引する場合。
必要資金は100円×1,000通貨÷25=4,000円。
つまり、4,000円という少額でFXを始められるのです。
レバレッジは資金効率を高めて大きな利益を狙える反面、リスクも高まります。相場が逆方向に動いた場合、大きな損失が発生する可能性があるので注意が必要です。
ボラティリティ(値動きの大きさ)
FX | 株式投資 | |
---|---|---|
ボラティリティ | 小さい (ただしレバレッジ取引が可能) | 大きい |
FXには原則的に値幅制限がないため、大きな値動きが可能です。しかし、1日の値動きは1%程度であることが多く、大きなイベントが発生しても3〜4%程度に抑えられることが多くなります。
これは、大きな値動きには中央銀行や政府が介入して通貨を安定させるためです。また、FXは取引参加者が多様で、合理的な値動きをする傾向があります。
一方、株式投資には値幅制限があります。
ただし、価格変動はFXよりも大きく1年で10倍になる銘柄もあります。もちろん逆のパターンもあり、投資した企業が倒産すれば株価がゼロになるリスクもあります。
このように株式の方がFXよりもボラティリティは大きいです。
しかし、FXはレバレッジをきかせた取引ができるので、小さいボラティリティでも大きな利益を狙うことができます。
手数料
FX | 株式投資 | |
---|---|---|
手数料 | 比較的安い | 比較的高い |
株式取引の手数料は、少額取引ならネット証券では無料になることが多いです。
ただし、野村證券など大手証券会社などでは約定代金1%の手数料がかかるところもあるので、事前に確認しておく必要があります。
また、証券会社によっては、1取引あたりの約定価格や1日の注文量によって手数料が変わるところもあります。
一方のFXの場合、基本的に手数料がかからない場合がほとんどです。
ただし、買値と売値には「スプレッド」と呼ばれる差があり、これが実質的な手数料となります。
スプレッドは、通貨ペアや取引量によって異なりますが、数銭から数十銭程度。たとえば、GMOクリック証券のスプレッドは、以下の通りです。

スプレッドはFX会社によって異なるので、コストを抑えたいならスプレッドの狭いFX会社を選ぶとよいでしょう。
税金
FX | 株式投資 | |
---|---|---|
税金 | 20.315% (所得税15.315%+住民税5%) | 20% (所得税15.315%+住民税5%) |
FXで得た利益は申告分離課税の対象となり、税率は20%(所得税15%+住民税5%)。
FXで発生した損益は、取引所に上場しているデリバティブ取引や店頭でのデリバティブ取引等と通算すること(損益通算)ができます。
株式投資も基本的に配当金と譲渡益には、所得税15%、住民税5%、合計20%の税金がかかります。ただし、FXと株式の損益通算はできないので注意が必要です。
【ワンポイント】復興特別所得税について
FXと株の税金は2013年から2037年までの25年間、所得税額に対し2.1%の「復興特別所得税」が課せられ税率は20.315%となります。
FXと株のメリット・デメリット
FXと株の違いが見えてきたところで次はそれぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。
ここを読めば、どっちを選ぶかある程度絞り込めるはずです。
FXのメリット
メリット① 24時間取引が可能
FXは世界中の通貨が取引でき、平日なら24時間取引可能です。これは株式市場とは大きく異なる特徴です。
インターネットに接続できる環境さえあれば、昼夜を問わず、いつでも好きなときに取引できます。
メリット② 少額から始められる
また、FXはレバレッジ取引ができるため、取引額の数%、FX口座によっては5,000円前後という少額から取引を始めることができます。
例えば、証拠金が10万円でレバレッジが25倍の場合、最大250万円まで取引できます。レバレッジ効果を利用することで大きな利益を狙うことができますが、その反面、大きな損失が発生することもあります。
メリット③ 取引コストが安い
取引手数料は無料です。口座管理費などその他の手数料も無料のところが多く、実質的な手数料はスプレッドのみ。他の商品と比べて取引コストが安いというメリットがあります。
メリット④ スワップポイントがある
FXではスワップポイントを受け取ることができます。
スワップポイントとは、高金利の通貨を買い、低金利の通貨を売ったときに得られる金利収入のこと。
スワップポイントは毎営業日受け取ることができ、複利で大きな利益を積み重ねることができます。
FXのデメリット
FX取引には、主に「為替変動リスク」「流動性リスク」「信用リスク」などのリスク(デメリット)があります。
デメリット① 為替変動リスク
為替変動リスクとは、外貨を取引しているため為替レートの変動が損益に大きく影響するリスクです。例えば、売買した通貨の価値が下落した場合、損失が発生します。
デメリット② 流動性リスク
流動性リスクとは、取引量の少ないマイナーな通貨が取引されなくなるリスクです。
取引量の多いメジャーな通貨(米ドルやユーロなど)を選ぶことで、流動性リスクを回避できます。
デメリット③ 信用リスク
信用リスクとは、取引しているFX会社が倒産するリスクのこと。
資産管理をきちんとしてる会社や財務状況が良好な会社を選ぶことで、信用リスクを回避するようにしましょう。
デメリット④ マイナスサムゲーム
また、FXは「ゼロサムゲーム」といわれています。ゼロサムゲームとは、投資家の損益を集計するとゼロになる取引です。
さらに、スプレッドというコストがかかるので、マイナスサムゲームともいわれています。ただ、ファンダメンタル分析やテクニカル分析を利用して勝率を高めることは可能です。日々の勉強や実績を通じて勝率を高めていく努力が大切です。
株のメリット
株式投資は、業績が好調な企業の株式を保有することで、配当金や株主優待を得ることができる投資方法です。
配当金は企業が株主に利益を還元する際に支払われるお金で、株主優待は企業が株主に対して提供するサービスや商品です。
メリット① 配当金が定期預金より高利回り
配当金の利回りは、企業の業績や株価によって異なりますが、一般的には3%程度です。これは定期預金の利回りよりも高く、株式投資は資産を増やすための有効な手段のひとつといえます。
メリット② 魅力的な株主優待
また、配当金だけでなく、多くの企業が株主優待を実施しており、株を持っているだけでその企業のサービスや商品を割引価格で利用できます。例えば、飲食店の割引券や旅行券などが一般的です。
ただし、株式投資はレバレッジをかけることができないため、配当金や株主優待を受けるためには多額の資金が必要となります。
投資初心者や経験の浅い方は、少額から始められるFXで投資の勉強を始めることをおすすめします。
株のデメリット
株は投資の王道と言われる投資法です。しかし、株にはデメリットもあります。
デメリット① ある程度の資金が必要
まず、投資を始めるために必要な資金が大きいことです。
株式の最低売買単位は100株で、1株の価格が1,000円だとすると、10万円(1,000円×100株)の資金が必要になります。
【ワンポイント】株式でレバレッジ取引するには
株式投資にも「信用取引」という取引方法がありますが、それでも最大で預けた担保の約3.3倍までしか取引できません。
ですが、IG証券のCFD取引(差金決済取引)を利用すればそれ以上のレバレッジをきかせた取引が可能に。1株数百円〜数千円で株取引ができるので、少ない資金でも始められます。
デメリット② 取引時間が短い
株式は市場が開いているときにしか取引できません。
日本の株式市場は、平日の9時から15時までしか開いていないため、日中仕事で忙しいサラリーマンが取引するのは難しいでしょう。
初心者はFXと株のどちらがおすすめ?
投資を始める際、FXと株式投資のどちらから始めるか悩む方も多いのではないでしょうか。
どちらも資産運用の手段のひとつですが、FXの方が始めやすく、初心者向きといわれています。
その理由としては、以下の3つが挙げられます。
【理由①】少額から始められる
FXは数千円という少額から始めることができます。
(FX会社の中にはワンコインで始められるところもあります)
一方、株式投資では、数万円から始められる銘柄もありますが、株価が高い銘柄も多く、まとまった資金が必要です。
1株から取引できるミニ株(単元未満株)を利用すれば数百~数千円で取引できますが、取扱証券会社が限られていることや、手数料が割高になっているので、FXで少額投資を始めることをおすすめします。
【理由②】取引時間が長い
FXは24時間取引できます。そのため、自分のライフスタイルに合わせて取引できます。
株式投資は、原則、証券取引所が開いている時間帯にしか取引できません。
【理由③】情報量が多い
株式投資に比べ、FXは情報量が豊富です。
これは、FXが世界中の通貨を扱っているため、ニュースや経済指標などの情報が入手しやすいからです。
このように、FXは少額から始められ、取引時間が長く、情報量が豊富なことから、初心者に向いていると言われることが多いです。
FXに向いている人
FXは、少額の資金で始められる投資です。
また、インターネット上で取引ができるため、空いた時間を利用して取引することができます。そのため、あらゆる層の人におすすめできます。
ただし、FXは簡単に始められる商品ですが、簡単に利益を出せるわけではありません。安定して利益を出し続けられるようになるには、日々の勉強が必要不可欠です。
- 一度や二度の失敗で諦めずに頑張り続けられる人。
- 毎日FXの勉強や情報収集に取り組める人。
このような人はFXで成功する確率が高いでしょう。
株式投資に向いている人
株式投資は、企業の株式を売買することで利益を得る投資です。
株価は企業の業績や経済状況によって変動するため、継続的に株価情報をチェックする必要があります。そのため、株価情報の継続的なチェックが苦にならない方におすすめの投資です。
また、マーケットが開いている平日の昼間に取引できる人も、株式投資しやすいでしょう。
迷っているならデモトレードで擬似体験
デモトレードとは、株式やFX取引の練習をするためのツールです。
実際の取引と同じ環境で仮想の資金で取引することができるので、株式やFX取引の練習に最適な方法です。
FX会社や証券会社では無料でデモトレードのサービスを提供しているところがあるので、「FXや株のトレードに興味がある」「FXと株のどちらに挑戦していいか迷っている」という方は、一度デモトレードで“お試し”してみるといいでしょう。
投資初心者におすすめのFX会社
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ちなみに、GMOクリック証券はFXだけでなく、株やCFD、外為オプションなど様々な金融商品を取り扱っています。
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【まとめ】FXと株の違い
この記事のポイント
- FXは株式よりも取引時間が長く、少額で取引を始められるので初心者におすすめ
- 日中忙しい人でも、夜間などを利用してFX取引ができる
- FXはリスクもあるので、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を学ぶことが必要
- FXと株のどちらにしようか迷っている人はデモトレードの利用がおすすめ
FXも株式投資も人気のある投資手法ですが、それぞれに特徴があります。
大切な資金を使って運用するわけですから、焦って決める必要はありません。どちらの投資に挑戦するか決めかねているなら、デモトレードを利用して体験してみるものいいですね。