
この記事のポイント
- TQQQとは、NASDAQ100指数の価格を3倍のレバレッジで連動するように運用されている「レバレッジETF」
- TQQQに投資するメリットは短期取引でハイリターンを狙える
- TQQQに投資するデメリットは他のETFより経費率が高い
- TQQQとQQQは投資期間によって売買を変えるのがおすすめ
TQQQとは、NASDAQ100指数の価格を3倍のレバレッジで連動するように運用されている「レバレッジETF」です。
TQQQは本来の値動きの3倍変動するため注文タイミングが良ければ短期間で大きな利益を得られますが、レバレッジETFは特有のリスクを抱えています。
そこで本記事では、TQQQの仕組みや投資するメリット・デメリットを解説し、TQQQとQQQのどちらに投資するべきなのかについて解説します。
※この記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています。
目次 ー Contents
TQQQとは
名称(ティッカー) | TQQQ |
運用会社 | ProShares |
経費率 | 0.88% |
直近1年リターン(2024/2/11時点) | 152.22% |
TQQQとは、NASDAQ100指数の日時運用実績の3倍に価格が連動しているレバレッジETFです。
3倍のレバレッジがかかっているので、NASDAQ100指数の価格が10%上昇すればTQQQの価格は30%上昇することになります。
直近1年リターンは約150%とETFの中でも特に高い水準を保っています。
TQQQが指数としてるNASDAQ100指数とは
TQQQが指数としているNASDAQ100指数とは、米国の新興企業が多く集まるNASDAQ市場に上場している企業のうち、時価総額と流動性の大きい上位100銘柄を時価総額加重平均で算出した数値に連動する指数です。
NASDAQ市場は上位100社が市場の約70%の規模を占めているため、TQQQに投資すればNASDAQ市場の大部分に投資できます。
TQQQの構成銘柄
TQQQの構成銘柄(NASDAQ100指数)は大型ハイテク銘柄が大部分を占めており、マーケットキャップ上位10社は以下のようになっています。
ティッカー | 銘柄名 |
---|---|
MSFT | マイクロソフト Microsoft Corporation Common Stock |
AAPL | アップル Apple Inc. Common Stock |
GOOG | アルファベット(クラスC) Alphabet Inc. Class C Capital Stock |
GOOGL | アルファベット(クラスA) Alphabet Inc. Class A Common Stock |
AMZN | アマゾン・ドット・コム Amazon.com, Inc. Common Stock |
NVDA | エヌビディア NVIDIA Corporation Common Stock |
META | メタ・プラットフォームズ Meta Platforms, Inc. Class A Common Stock |
TSLA | テスラ Tesla, Inc. Common Stock |
AVGO | ブロードコム Broadcom Inc. Common Stock |
ASML | ASMLホールディング ASML Holding N.V. New York Registry Shares |
出典:Nasdaq|Quotes For Nasdaq-100 Index
TQQQが占める投資セクターの割合は大きく以下のようになっています。
- 情報技術:49.61%
- コミュニケーションサービス:15.06%
- 一般消費財:14.38%
- 消耗品:6.84%
- 医療:6.67%
※2024年2日12時点 出典:proshares.com
いわゆるハイテク銘柄が半分以上を占めており、ハイテク銘柄は景気後退に特に下落の影響を受けやすいので注意しましょう。
TQQQの最新ニュース
TQQQの最新ニュースとしては、Meta社やAlphabet社の決算発表が想定より好調だったことを受けてNASDAQ100指数が上昇しており、3倍の値動きをするTQQQはより大きく価格上昇しています。
ただ、2023/8/2時点の米国経済は政策金利が5%を超え、急激な金利上昇によって景気後退が懸念されています。
景気後退が訪れればハイテク銘柄が暴落し、TQQQも大きな打撃を受ける恐れがあるため、米国経済の今後の見通しはTQQQを売買する上で最も考えるべきでしょう。
TQQQに投資するメリット
TQQQに投資するメリットは以下の2つです。
- 短期取引で高いリターンを狙える
- ハイテク銘柄に幅広く投資できる
メリット① 短期取引で高いリターンを狙える
TQQQはレバレッジETFのため、長期投資ではなく短期投資を前提とした設計になっています。
なぜならレバレッジをかけた金融商品はボラティリティが激しく、長期投資におけるポートフォリオを大きく棄損させてしまう恐れがあるからです。
しかしNASDAQ100指数が一時的に価格上昇すれば3倍の利益を得られるため、エントリータイミングを見極めれば短期取引で高いリターンを狙えるでしょう。
メリット② ハイテク銘柄に幅広く投資できる
NASDAQ100指数に価格が連動しているので、ハイテク銘柄に幅広く投資できます。
代表的なハイテク銘柄は以下の通りです。
- Apple
- Tesla
- Microsoft
- Meta
- NVIDIA
GAFAM銘柄にはすべて投資でき、ハイテク銘柄のインフラ要因となり、今後AIが浸透することでより需要が高まるNVIDIAにも投資できます。
ハイテク銘柄は景気後退時に他の銘柄より大きく下落する傾向がありますが、景気が上向いている時は他の銘柄より大きく上昇する傾向があるため、上昇相場においてはTQQQはハイリターンを狙える手段となり得るでしょう。
TQQQに投資するデメリット
TQQQに投資するデメリットは以下の3つです。
- 他のETFより経費率が高い
- 不況時は価格の上昇が見込めない
- 長く保有するほど価格が下落する
デメリット① 他のETFより経費率が高い
TQQQは他のETFと比べて経費率が高く、コストがかかります。
ETF名 | 経費率 |
---|---|
TQQQ | 0.88% |
VTI | 0.03% |
VYM | 0.06% |
SPYD | 0.07% |
QQQ | 0.20% |
出典:Bloomberg
米国の代表的な株式指数に連動するETFと比べると経費率がかなり高いとわかるでしょう。
投資においてコストを極限まで抑えることは重要とされているので、コストが気になる方は3倍のレバレッジがないQQQへ投資するのがおすすめです。
デメリット② 不況時は価格の上昇が見込めない
TQQQの構成銘柄の半分以上を占めているハイテク銘柄は、不況時に価格の下落幅が大きく、利益が見込めません。
そのためNASDAQ100指数の3倍の値動きをするTQQQを保有すれば、ポートフォリオが大幅に以上棄損してしまうリスクも低くないでしょう。
不況時はTQQQのようなハイテク銘柄連動のETFを保有するのではなく、消耗品や医療品などのディフェンシブ銘柄を多く含むETFを保有するのがおすすめです。
デメリット③ 長く保有するほど価格が下落する
TQQQに限らず、レバレッジETFは長く保有するほど価格が下落する仕組みになっています。
仮に100円のレバレッジETFが30%値上がりして30%値下がりすると、以下のようになります。
- 価格が30%上昇した場合: 100円×1.30=130円
- 価格が30%下落した場合: 130円×0.70=91円
レバレッジETFは値動きを繰り返すうちにどんどん価値が下落していく仕組みになっているのです。
そのため、レバレッジETFに投資する際はなるべく短期取引を前提に投資するのがおすすめだと言われています。
QQQとTQQQの違いは?
QQQとTQQQの違いは、以下の通りです。
- QQQ:NASDAQ100指数に価格が連動している
- TQQQ:NASDAQ100指数の日時運用実績に3倍のレバレッジをかけている
つまり、レバレッジが歩かないかの違いになります。
どちらも同じ指数に連動しているため価格は同じ方向に動きますが、ボラティリティはTQQQの方が3倍大きくなるのでハイリスク・ハイリターンの投資になるのです。
QQQとTQQQはどちらに投資するべき?
QQQとTQQQのどちらに投資するべきか迷っている方は、以下の軸を基に決めるのがおすすめです。
- 長期投資ならQQQ
- 短期投資ならTQQQ
QQQはレバレッジがかかっていないので、他のETFと同じように長期投資が可能です。
保有し続けてもレバレッジETF特有の減価がないからです。
しかし、短期取引で効率的なリターンを狙いたい場合は、QQQの3倍のリターンを獲得できるTQQQの方がよいでしょう。
TQQQが売買できる証券会社2選
TQQQが売買できる証券会社として、ここでは次の2社を紹介します。
- SBI証券
- 楽天証券
SBI証券

SBI証券は、ネット証券国内株式個人取引シェアNo.1を誇る証券会社です。
5,000銘柄以上の米国株式を取り扱っており、さまざまな国のETFや個別銘柄、商品(コモディティ)まで幅広く売買できるため、メイン口座としておすすめです。
TQQQ以外にも投資をしてポートフォリオを多様化したい方は口座開設しておくとよいでしょう。
楽天証券

楽天証券は、SBI証券と同程度の人気を誇り、楽天ポイントで投資が行える証券会社です。
ポイント投資であれば実質的なコストはなくなるので、TQQQのようなレバレッジETFを保有する際も精神的な負担を抑えられるでしょう。
商品数も国内トップクラスになっているため、メイン口座として十分利用できます。
IG証券

IG証券はCFD取引に特化している証券会社です。1万種類以上の株式やETF、コモディティなど、幅広い金融商品の短期取引が行えます。
TQQQについてもCFD取引ができるため、少額の資金でもTQQQに投資することができます。
TQQQまとめ
この記事のポイント
- TQQQとは、NASDAQ100指数の価格を3倍のレバレッジで連動するように運用されている「レバレッジETF」
- TQQQに投資するメリットは短期取引でハイリターンを狙える
- TQQQに投資するデメリットは他のETFより経費率が高い
- TQQQとQQQは投資期間によって売買を変えるのがおすすめ
TQQQはハイリスク・ハイリターンな投資にはなるものの、米国株式市場が上昇している時は大きな利益を狙いやすいETFです。
長期投資を目的としている際はレバレッジETFのデメリットがないQQQの方が安全性が高いので、投資戦略に基づいて購入するかどうかを検討しましょう。