
この記事のポイント
- 少額投資におすすめの取引手法は株式ミニ投資やETF
- 少額投資におすすめの銘柄はS&P500やVTがある
- 少額投資のおすすめは長期投資
投資に回せる資金があまりない方は投資できる銘柄が限られているため、どの銘柄に投資するべきか迷う方も多いでしょう。
本記事では、少額投資におすすめな取引手法を4つ紹介し、初心者でも銘柄選定を間違わないように多くの投資家から人気を集めている銘柄を紹介します。
少額投資を行う際に注意するべきことも紹介しているため、本記事を読み終えれば損失を出す確率を限りなく減らして少額投資を始められます。
目次 ー Contents
株の少額投資におすすめな取引手法4選
株の少額投資におすすめな取引手法は以下の4つです。
- 株式ミニ投資
- 株式累積投資
- 米国株での1株投資
- ETF
①株式ミニ投資
メリット
10株単位で購入できる
デメリット
配当金や株式分割などにより取得する株式の議決権は行使できない
株式ミニ投資は通常100株以上から購入可能な株を10株から購入できる投資手法です。
例えば日本株は100株以上からの取引となっており、大企業の銘柄を購入しようとすると数万円以上かかってしまい、少額投資では足りません。
しかし、株式ミニ投資であれば1/10の10株から購入できるため、少額投資でも大偉業の銘柄へ投資できるのです。
ただ、投資できる銘柄は証券会社によって決まっており、株式ミニ投資では投資できない銘柄もあるため注意しましょう。
②株式累積投資
メリット
少額で積立投資ができる
デメリット
1口座で投資できる銘柄数に限りがある
配当金や株式分割などにより取得する株式の議決権は行使できない
株式累積投資は、毎月定額で株式を購入する投資手法です。毎月定額で購入していく手法のため積立投資となっており、積み立てる金額は銘柄によって異なります。
ただ、株式累積投資は他の投資手法よりコストが高く、口座管理費として株式累積投資口座管理料、取引の完了(約定)費用として委託手数料がかかります。
③米国株での1株投資
メリット
1株から投資できる
優良な銘柄が多い
デメリット
手数料負けのリスクがある
為替リスクがある
米国株は日本株とは違い、1株から投資できます。株価は違うものの日本株と比較して必要資金が1/100になるため少額投資が行いやすく、米国株は以下のように優良な銘柄が豊富にあります。
- Amazon
- Alphabet
- Apple
- Microsoft
- NVIDIA
ただ、1株だと利益が少なくなるので取引を決済した際に利益より手数料の方が高くなってしまう手数料負けのリスクがあったり、米国株はドルベースで取引が行われりするため為替リスクがあったりします。
④ETF
メリット
他の投資信託よりコストが低い
銘柄数が豊富にある
デメリット
分配金の再投資がない
ETFは(Exchange Traded Fund )の略称で、日本語では「上場投資信託」と呼ばれています。
ETFは投資信託の一種で、株式ミニ投資や株式累積投資のように個別株を自分で決めて投資するのではなく、複数の株価を計算して総合した「株価指数」に投資するものとなります。
複数の株価が合わさった指数に投資できるので個別株より分散性が高く、投資信託よりコストが低い特徴があります。
デメリットとしては、ETFから発生した配当金や利息などの分配金は再投資されず、決済時にすべて分配されます。
そのため、分配金を自動的に再投資へ回して資金力を増やしたい方には少し手間がかかるでしょう。
株の少額投資におすすめな銘柄2選
株の少額投資におすすめな銘柄は以下の2つです。
- Shares S&P500連動ETF
- VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
なお、銘柄紹介時に扱う単語の意味は以下になります。
- ベンチマーク銘柄:指数として連動している株式銘柄
- 経費率:ETFを運用するための費用
- 配当利回り:配当金の利回り
ベンチマーク銘柄 | S&P500採用銘柄 |
経費率 | 0.08% |
配当利回り | 約1.25% |
Shares S&P500連動ETFは米国の株式市場を代表するS&P500採用銘柄を投資対象としたETFです。米国経済の見通しによって価格が左右されます。
S&P500は米国の主要企業500社に投資できるため基本的に優良株のみに投資でき、配当利回りは低いので売買利益がメインの収益になります。
米国経済全体に投資できる意味では分散性は高いと言えますが、米国経済の先行きによって価格が大きく左右されるため、よりリスクを減らしたい方は次に紹介する全世界の株式指数に投資できるVTを選ぶと良いでしょう。
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
ベンチマーク銘柄 | Apple、Microsoft、Amazonなど米国の大企業 |
経費率 | 年率0.07% |
配当利回り | 年率約2% |
VTは「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」に価格が連動するETFで、先進国や新興国株など幅広い株価指数をベンチマークとしているため、VTに投資することで全世界の株式へ投資できると言えます。
配当利回りは他のETFと比較すると高くありませんが、約8,000銘柄に投資できる分散性の高さがあります。
※構成銘柄の60%が米国株のため、米国経済の一定の影響は受けやすいです。
経費率は他のETFと比べてもあまり差はありません。SBI証券で取引できます。
少額投資のメリット
少額投資のメリットは以下の通りです。
- 損失が発生しても精神的な負担が小さい
- 長期投資を始めやすい
損失が発生しても精神的な負担が小さい
少額投資のメリットは損失が発生しても額が小さいため、精神的な負担や生活に与える負担が小さいことです。
投資で最も重要なのは「損失を出さないこと」。
大きな金額を賭けて損失が発生すれば損失分を回収するのに長い時間やさらなるリスクが必要になります。
生活に影響を与えるほどの損失が発生すると、判断力の低下につながりさらなる損失を招く恐れもあります。
しかし少額投資であれば仮に負けたとしても損失額が小さいため安全性が高く、投資で人生を壊さないメリットがあるでしょう。
長期投資を始めやすい
投資初心者の方は銘柄の短期的な動きを予想してトレードを繰り返す手法を行うのは困難です。
そのため、将来性のある銘柄を長期投資する手法が一般的に行われています。
長期投資をする際は資金を継続して投資する必要がありますが、少額投資であれば1回の投資額が小さいため、安定した長期投資が行えるメリットがあります。
毎月10万円の積立投資を数年行うにはかなりの収入がないと厳しいでしょう。
少額投資のデメリット
少額投資のデメリットは以下の3つです。メリットだけに目を奪われず、しっかりとデメリットやリスクについて把握しておきましょう。
- 大きな利益を得るには数年以上がかかる
- 少額では買えない銘柄が多くある
- もらえる配当金の額が小さい
大きな利益を得るには数年以上がかかる
投資のリターンはリスクの大きさによって決まるので、リスクが低い少額投資は大きな利益をすぐに受け取れません。
少なくとも3年以上は投資し続けることを見積もっておくとよいでしょう。
ただ、少額投資を長期で行ってある程度の利益が発生している状態であれば、一度利益確定して少額投資を卒業するのもありです。
少額投資で増えた元本を使用して短期トレードを始めたり他の投資に変えたりなど、幅が広がるメリットはあります。
少額では買えない銘柄が多くある
銘柄によっては数万円以上かかるものがあったり、日本株は100株以上からしか取引できなかったりするので、少額では買えない銘柄があるのはデメリットです。
そのため、少額では買えない銘柄がどうしても欲しい際は、遠回りにはなりますがETFや投資信託などを運用して利益を出し、増えた元本で買うのがよいでしょう。
また、日本株は100株以上からしか取引できませんが、優良な株は米国の方が多くあるのであまり大きなデメリットにはならないでしょう。
もらえる配当金の額が小さい
株は企業の利益によって投資家に配当金が分配され、分配金は投資額によって異なります。
そのため、少額投資では配当金をもらったとしても収入を大幅に増加することはできないでしょう。
配当金メインで投資したい方は、入金力を増やし、配当利回りが高い銘柄を選ぶ必要があります。配当利回りは以下の式で計算できます。
1年の配当金 ÷ 株価
また、配当金以外にも株主優待がもらえる銘柄もありますが、少額投資では株主優待がもらえる条件を満たさない場合が多いためデメリットになります。
少額投資を行う際に注意するべきこと
少額投資を行う際に注意するべきことは以下の通りです。
- 短期投資ではあまり意味がない
- 価格高騰に釣られて投資額を増やさない
- 出口戦略を考えておく
短期投資ではあまり意味がない
少額投資は短期だと大きな価格変動が起こらない限り稼ぎづらい投資手法となっているので、短期投資ではなく長期投資で考えましょう。
もし少額投資で大きな利益を得るのであれば「レバレッジ取引」をする必要がありますが、レバレッジ取引は実質的に少額投資ではなくなるので、投資を始めたばかりの方にはおすすめしません。
【ワンポイント】レバレッジ取引とは
レバレッジ取引とは、口座に預け入れた証拠金(資金)を担保に、担保にした証拠金より大きい金額を取引できる方法
価格高騰に釣られて投資額を増やさない
少額投資はすぐに大きな利益が発生しないため、価格高騰時に欲が出て釣られ、投資額を増やしてしまう方もいます。
投資初心者の方は「価格が高騰しているときはまだまだ上昇する」と思い込みがちですが、多くの場合はその後下落し、損失を発生させます。根拠のない投資はほとんどの場合勝つことはありません。
高値掴みをしてしまわないよう、価格に惑わされずコツコツと積立投資を行いましょう。
出口戦略を考えておく
投資における出口戦略とは、投資した資金をいつ・どのようにして回収するかの戦略を指します。
もちろん出口戦略は利益が発生しているときに利益確定を行うのが最も良いですが、どれくらいの利益が欲しいか、損失が発生しているときはどうするか、などを決めておかなければダラダラと資金をリスクに晒してしまいます。
少額投資を始めたばかりの頃はまだ考えなくても良いかもしれませんが、将来どのタイミングで投資を終了するかの大まかな目処は立てておくと計画性のある投資ができるでしょう。
少額投資におすすめの証券会社【スマホOK】
少額投資に向いているおすすめの証券会社として、次の4社を紹介します。
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
- IG証券
いずれも大手のネット証券なので安心感があります。
SBI証券

名称 | SBI証券 |
取引手数料 | 国内株:55円~ 米国株:0円~ |
株式ミニ投資 | あり |
株式累積投資 | あり |
投資信託 | あり |
ETF | あり |
SBI証券は少額投資におすすめな取引手法をすべてカバーしている証券会社です。
取引手数料は種類によって異なるものの無料が多く、投資信託であれば100円から投資できます。
また、口座開設時に積立NISAやiDeCoなどの口座も同時に開設できるので、初心者に必要な投資をすぐに始められるでしょう。
楽天証券

名称 | 楽天証券 |
取引手数料 | 現物取引:無料 |
株式ミニ投資 | なし |
株式累積投資 | なし |
投資信託 | あり |
ETF | あり |
楽天証券は楽天ポイントで投資が行える証券会社です。楽天ポイントであれば0円で投資できるため、投資に回せる資金が少額しかない方でも資金を必要とせずに行えます。
SBI商圏と同じく、投資初心者が必要とする銘柄はほぼ取り扱っているので、安心してポイント投資したい方におすすめです。
マネックス証券

名称 | マネックス証券 |
取引手数料 | 55円~ |
株式ミニ投資 | あり |
株式累積投資 | なし |
投資信託 | あり |
ETF | あり |
マネックス証券は取引手法が豊富な証券会社です。初心者から人気を集めている国内・米国株はもちろん、FXや暗号資産CFDなど、中級者以上の方向けの取引手法もあるので、投資に慣れてきたらそのままチャレンジできます。
株式ミニ投資の買付手数料が無料となっていますが、ETFは他の証券会社と比較すると銘柄数が少ないです。
IG証券

名称 | IG証券 |
取引手数料 | 日本株:110円 |
株式ミニ投資 | あり |
株式累積投資 | なし |
投資信託 | あり |
ETF | あり |
IG証券はCFD取引が行える商品が豊富にある証券会社です。CFD取引とは日本語で「差金決済取引」と呼ばれる手法で、株が下落しているときでも儲けられるチャンスがあります。
CFD取引は短期取引が中心となるため長期投資が中心となる少額投資とは相性は良くないですが、取引手段を豊富に持っておくことはリスクヘッジにもなるため、サブ口座として開設しておくとよいでしょう。
【まとめ】少額投資のおすすめは長期投資!
この記事のポイント
- 少額投資におすすめの取引手法は株式ミニ投資やETF
- 少額投資におすすめの銘柄はS&P500やVTがある
- 少額投資のおすすめは長期投資
少額投資におすすめな取引手法について解説しました。
株式ミニ投資やETFなど少額からでも投資できる方法を活用しましょう。
よりリスクを抑えたい方は、複数の株価に分散されている株価指数の銘柄に投資するのがおすすめです。