
この記事のポイント
- 株式投資のシミュレーションは、積立投資や取引シミュレーションなどがある
- 株式投資のシミュレーションは、自分の資金を失うことなく取引できる
- あくまでシミュレーションのため、想定外の事態が起きる可能性がある
- シミュレーションツールの選び方は、まずは学習系がおすすめ
「株式投資を始めてみたいけど、どれくらいの利益が出るのかシミュレーションしてみたい」という方は多いのではないでしょうか?
本記事では、株式投資をこれから始める人向けに、シミュレーションツールの紹介やシミュレーションを行うメリット・デメリットを解説します。
シミュレーションは使い方によってはまったく株式投資の役に立たない可能性があるため、本記事で正しい使い方を学んでいきましょう。
※この記事は2024年10月時点の情報をもとに作成しています。
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株のシミュレーションとは
株のシミュレーションとは、実際の資金を使用することなく株式市場の取引を体験できるツールやプラットフォームを指します。
シミュレーションをすることで、投資家は金銭的なリスクを負わずに取引の練習を行ったり、積立投資でどれくらい資産が増えるのかを大まかに把握できたりします。
例えば金融庁が提供している「つみたてシミュレーター」では、毎月の積立額、想定利回り、積立期間を設定するだけで以下のように運用成績をシミュレーションしてくれます。

具体的なツールは後述していますが、その他にも仮想資金を使用したデモ取引や学習コンテンツを交えたツールなどさまざまなツールがあります。
初心者の方はシミュレーションツールを利用して株式投資の基礎を学びながら本番環境でも取引をするのがおすすめです。
株のシミュレーションツール【3種類】
株のシミュレーションツールにはさまざまな種類がありますが、本記事では特におすすめのツールの種類を3つ紹介します。
- タイムトラベル投資シミュレーション
- 積立投資シミュレーション
- 取引シミュレーション
タイムトラベル投資シミュレーション
昔の時代の株式投資を体験できるシミュレーションツールです。日本取引所グループが提供する「人生やりなおし体験」というツールでは、2001年から2023年の投資を体験できます。
具体的には100万円の資金がある前提で戻りたい年を選択し、その年に上場した会社から投資したい会社を選択します。
すると、選択した年から現在までの株価を元に、一括投資と積立投資それぞれの運用結果を確認することができます。
例えば2001年に「国際計測器」という企業に100万円投資したとすると、以下の運用成績が得られたことがわかります。

このツールを利用すると、長期投資による恩恵がどれだけ大きいか、どのような企業に当時投資すれば大きなリターンが得られたかなどを理解できるでしょう。
積立投資シミュレーション
積立投資シミュレーションは、毎月の積立金額や想定利回り、積立期間などを設定し、将来どれだけのリターンが得られるかをシミュレーションするツールです。
金融庁が「つみたてシミュレーター」というツールを出しており、上記の数値を設定すると運用成績のシミュレーションを出してくれます。

株式投資では基本的に、長期投資が初心者の方でも低リスクでリターンを得られる方法とされています。目標としている資産額から逆算し、積立期間や金額などを想定してみるのに活用してみるとよいでしょう。
また、金融庁のサイトではこれからNISAを始める方向けに、投資の基本を学べるコンテンツや用語集など、学習コンテンツが豊富に揃っています。信用できるサイトで初心者向けの勉強に役立つサイトをお探しであれば、金融庁のサイトもチェックしてみてはいかがでしょうか。
取引シミュレーション
取引シミュレーションは積立投資シミュレーションとは違い、実際に自分の手で株式を取引したらどのような運用成績になるかをシミュレーションできます。いわゆるデモ取引といわれるものです。
取引に使う資金は仮想資金のため、取引で損失が発生しても自身の資金には影響ありませんが、リアルタイムで取引を行うことで実際の取引環境と近い体験ができます。
取引シミュレーションツールは主に証券会社がデモ取引口座を用意しているケースが多く、中でもmoomoo証券のデモ取引ツールは、現在の相場とリアルタイムで連動していて高機能なツールが豊富にあるので、他のツールよりも実践的な勉強ができます。
株取引のシミュレーションができるツール【3選】
株取引のシミュレーションができるツールは複数ありますが、おすすめなのは以下の3つです。
- moomoo証券
- トウシカ
- 株たす
株取引のシミュレーションツールを選ぶ際は、リアルタイム株価が採用されていたりさまざまな金融資産が取引できたりなど、実際の取引に近い環境を提供しているツールを使うことがおすすめです。
ちなみにmoomoo証券が提供しているアプリでは、無料で日本株・米国株・投資信託・ETFのデモトレードを行えます。

moomoo証券の詳細についてはこの記事の「株シミュレーションができる証券会社」でご確認を。
株シミュレーションを行うメリット
株シミュレーションを行うメリットは以下の通りです。
- 自分の資金を失うことなくさまざまな投資を試せる
- 無料で実践的な勉強ができる
- 積立投資のプランを設計できる
自分の資金を失うことなくさまざまな投資を試せる
株シミュレーションのメリットの1つは、実際の資金をリスクに晒すことなく、さまざまな投資戦略を試せる点です。
思いついた戦略をいきなり本番環境で取引をしてしまうと、それが失敗した際に資金を減らしてしまいますが、シミュレーションツールでどのような結果になるか大まかに試しておくことで、資金を失うリスクを減らせるでしょう。
無料で実践的な勉強ができる
多くの株シミュレーションツールは無料で提供されているので、誰でも簡単に株取引の実践的な勉強を始められます。
そのため、いきなり自己資金で取引を始めたり高額な商材を購入するのではなく、まずは金融庁や証券会社などから無料で提供されているコンテンツを見て勉強し始めるのがよいでしょう。
積立投資のプランを設計できる
積立投資は長期投資になるため、シミュレーションツールを使ってある程度の予測を立てておきたいところです。
プランを設計する際は、まず積立投資で達成したい目標金額を設定してから、毎月積み立てられる金額や想定利回りを決めるのがよいでしょう。
想定利回りは平均3%前後に収めるのが現実的で、あまり高すぎる利回りを設定するとシミュレーション通りに行かなくなる可能性が高まったりハイリスクな資産に投資しなければいけなかったりするので注意してください。
株シミュレーションを行うデメリット
デメリットというと大袈裟ですが、一応注意しておきたいことが2つあります。
- 自己資金を使用する取引とは環境に差がある
- シミュレーション通りにいかないこともある
自己資金を使用する取引とは環境に差がある
シミュレーションは実際の資金を使わないため、自己資金を使用する実際の取引とは環境に大きな差があります。
最も大きな差はメンタル面です。シミュレーションでは自己資金を使わないためリスクに晒す際の精神的な圧力や感情的な決定が伴わないません。
そのため、投資家が実際の市場で経験する判断や緊張感を再現することはできないのです。
シミュレーションでは冷静な判断が可能でも、実際の取引では感情が判断を鈍らせることは多々あります。シミュレーションで成功したからといって必ずしも実際の市場で成功につながるわけではないことはしっかりと覚えておいてほしいです。
シミュレーション通りにいかないこともある
株のシミュレーションはあくまでシミュレーションのため、想定外の事態も起こり得ることを考慮しなければいけません。
例えば政治的なトラブルや自然災害などは、起きることは想定できてもいつどのようなトラブルが起きるかまでは予測できず、不確実性が高い事象です。
そのような事象を考慮してシミュレーションすることは困難になるので、シミュレーション結果を過信し過ぎず、多くの資産に分散投資したり余剰資金を残しておいたりなど、あらゆる事態に対処できる方法も考えておきましょう。
株シミュレーションツールの選び方
使ってみたい株シミュレーションツールは、次の方法で選んでみるとよいでしょう。
- 初心者は学習系ツールから選ぶ
- ゲーム要素が強いツールは避ける
- 目的に沿って利用するツールを分ける
初心者はまずは学習系ツールから選ぶ
初心者は、いきなりデモ取引や積立投資シミュレーションをするのではなく、まず学習系コンテンツから選んでみるのがおすすめ。
最初にデモ取引をしても、取引の基礎がわかっていないため学びが少なく、積立投資のシミュレーションをしても想定利回りや複利など、専門用語を理解できずあまり身に付かない可能性があります。
そのため、まずは学習系ツールから選ぶのがおすすめです。
ゲーム要素が強いツールは避ける
ゲーム要素が強いツールは、楽しく学べるという点においてはよいのですが、ゲーム要素が強すぎると実際の市場とはかけ離れてしまうので、利用しない方が無難でしょう。
投資は資金を失うリスクを考慮して始めるもののため、シミュレーションだとしても遊び感覚ではなく「投資」という意識を持って取り組みたいところ。
ただ、最初から本格的な環境を用意しても続かない方もいると思うので、「学習系ツールで基礎知識を勉強しながらゲーム要素のあるツールでざっくりとしたイメージを掴む」というやり方もよいでしょう。何事もバランスが大事ということです。
目的に沿って利用するツールを分ける
目的に沿って利用するツールを分けないと、自分が何をしたいのかわからなくなってしまうので、積立投資を中心にやりたい方は積立投資ツール、取引を積極的に行いたい方はデモ取引というように、目的に沿って利用するツールを分けるようにしましょう。
また、目的が決まっても自身の知識レベルによってもツールを使いわけるのがおすすめです。
例えば、これから取引を始める方が複雑な機能が多く揃っているツールを使ってもかえって難しく考えてしまうので、簡易的なツールから始めるとよいでしょう。
株シミュレーションができる証券会社【5選】
株シミュレーションができる証券会社は以下の5つです。
- 楽天証券
- SBI証券
- 松井証券
- マネックス証券
- moomoo証券
楽天証券

投資信託 | 2,569本 |
新NISA (つみたて投資枠) | 225本 |
外国株 | 米国株(4,700銘柄超)、中国株含め5か国 |
NISA投資信託取引手数料 | 無料 |
最低積立金額 | 100円~ |
IPO実績 | 188社(2023年)、169社(2022年)、195社(2021年) |
取引ツール(PC) | マーケットスピードⅡ マーケットスピード マーケットスピード for Mac マーケットスピードⅡ RSS マーケットスピードFX 楽天MT4 |
スマホアプリ | iSPEED iSPEED 先物OP iSPEED FX |
ポイント付与 | 楽天ポイント |
ポイント投資 | 可能 |
その他のサービス | マネーブリッジ(楽天銀行との提携による金利優遇など)が便利 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
楽天証券のおすすめポイント
- 積立投資の簡単シミュレーションができる
- デモ取引ができる
- 楽天ポイントで投資できる
- 取扱銘柄数が国内トップクラス
楽天証券は、以下のようなさまざまなパターンで積立投資の計算シミュレーションを行えます。

- 目標金額達成に必要な毎月積立額
- 目標金額達成に必要な積立期間
- 目標金額達成に必要なリターン
また、積立投資以外にもデモ取引ツールも用意されているので、これから投資を始めたい
方には十分なツールが揃っているといえるでしょう。
SBI証券

投資信託 | 2,575本 |
新NISA (つみたて投資枠) | 299本 |
外国株 | 米国株(5,190銘柄超)、中国株含め9か国 |
NISA投資信託取引手数料 | 無料 |
最低積立金額 | 100円~ |
IPO実績 | 91社(2023年)、89社(2022年)、122社(2021年) |
取引ツール(PC) | HYPER SBI 2(国内株式版) HYPER SBI、SBI CFDトレーダー |
スマホアプリ | SBI証券 株アプリ SBI証券 米国株アプリ かんたん積立 アプリ HYPER FXアプリ HYPER 先物 オプションアプリ HYPER CFDアプリ |
ポイント付与 | Tポイント Pontaポイント dポイント PayPayポイント Vポイント(クレカ積立時のみ) |
ポイント投資 | 可能(Tポイント / Pontaポイント / Vポイント) |
その他のサービス | 住信SBIネット銀行との連携が便利 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
SBI証券のおすすめポイント
- 積立シミュレーションができる
- 1株単位で取引可能
- 口座数1,200万超の人気を誇る
SBI証券も、楽天証券と同じように積立投資のシミュレーションができます。

また、株式は基本的に100株単位で取引されていますが、SBI証券では1株単位で取引可能。
つまり、株価が1万円の銘柄なら通常は10,000 × 100 = 100万円必要ですが、1株から取引できるので1万円から購入できます。
松井証券

投資信託 | 1,886本 |
新NISA (つみたて投資枠) | 234本 |
外国株 | 米国株(3,800銘柄超) |
NISA投資信託取引手数料 | 無料 |
最低積立金額 | 100円~ |
IPO実績 | 70社(2023年)、55社(2022年)、56社(2021年) |
取引ツール(PC) | マーケットラボ ネットストック・ハイスピード 株価教えて! by 松井証券 株価ボード チャートフォリオ フル板情報(BRiSK for 松井証券) QUICK情報 QUICKリサーチネット ネットストックトレーダー ネットストックトレーダー・プレミアム 松井FP~将来シミュレーター~ FXトレーダー・プラス |
スマホアプリ | 日本株アプリ 株touch フル板情報(BRiSK for 松井証券) 米国株アプリ 投信アプリ 松井FP~将来シミュレーター~ FXアプリ |
ポイント付与 | 松井証券ポイント(PayPayポイント・dポイント・Amazonギフトカード・3,000種類以上の商品に交換可能) |
ポイント投資 | 可能(松井証券が厳選した3種類の投資信託のみ) |
その他のサービス | ロボアドバイザー(簡単な8つの質問に回答すると、最適なポートフォリオを提案する機能)で初心者でも分散投資が可能 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
松井証券のおすすめポイント
- ライフプランシミュレーションができる
- 25歳以下の方は取引手数料無料
- ロボアドバイザーで銘柄選定ができる
松井証券では「松井FP~将来シミュレーター〜」と呼ばれるライフプランシミュレーション機能を利用できます。
人生設計を真剣に考えている方なら、ショッピングモールやデパートに出店している保険の相談ができる代理店で、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談に乗ってもらった経験があるかと思います。
それと同じことをWeb上で簡単にできるのがこのサービスです。いくつかの質問に答えていくと将来必要なお金をシミュレーションしてくれます。

また、ロボアドバイザー機能があり、銘柄選定を手伝ってくれるので投資初心者の方には特におすすめです。
マネックス証券

投資信託 | 1,778本 |
新NISA (つみたて投資枠) | 228本 |
外国株 | 米国株(4,500銘柄超)、中国株(2,000銘柄超) |
NISA投資信託取引手数料 | 無料 |
最低積立金額 | 100円〜 |
IPO実績 | 54社(2023年)、61社(2022年)、65社(2021年) |
取引ツール(PC) | マネックストレーダー MonexTraderFX マルチボード500 チャートフォリオ フル板情報ツール |
スマホアプリ | マネックストレーダー株式スマートフォン マネックス証券アプリ トレードステーション米国株スマートフォン SNS型投資アプリ「ferci」 マネックストレーダーFXスマートフォン |
ポイント付与 | マネックスポイント(株式手数料・仮想通貨もしくは他ポイントに交換可能) |
ポイント投資 | 可能 |
その他のサービス | 米国株取引に強く、銘柄スカウターなど投資に役立つサービスが豊富 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
マネックス証券のおすすめポイント
- 新NISAとiDeCoのシミュレーションができる
- 株式とFXのデモ取引ができる
- 銘柄スカウター機能が充実している
マネックス証券では、新NISAとiDeCoのシミュレーションが行えます。
操作は簡単で、毎月の積立金額と想定利回り、積立期間を設定するだけでシミュレーション結果を出してくれます。

ただ、iDeCoは原則65歳になるまで引き出しできず、20〜30代の方はかなり先で不確実性が高いといえるので、シミュレーションの結果をあまり参考にし過ぎないようにしましょう。
また、マネックス証券のウリの一つである銘柄スカウター機能。これは日本株や米国株の直近5期の年間配当、12四半期の配当履歴や、過去10期以上の企業業績などを見やすいデータで抽出してくれるという代物なので、効率的に銘柄分析をしたいなら積極的に使ってみましょう。
moomoo証券

投資信託 | 393本(2024年10月31日時点) |
新NISA (つみたて投資枠) | 105本(2024年10月31日時点) |
外国株 | 米国株(約7,000銘柄) |
NISA投資信託取引手数料 | 無料 |
最低積立金額 | 記載なし |
IPO実績 | なし |
取引ツール(PC) | ヒートマップ 大口の売買動向 20年分の財務データ |
スマホアプリ | moomoo証券 – 日米株取引・投資情報・リアルタイム株価 |
ポイント付与 | 毎日のログインでポイント獲得(特典と交換可能) |
ポイント投資 | なし |
その他のサービス | コンテンツ配信 著名投資家のプレミアムレポート 企業関係者取引(過去3年分閲覧可能) デモ取引 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
moomoo証券のおすすめポイント
- デモでリアルタイム取引ができる
- 取引手数料は業界最安値水準の安さ
moomoo証券のデモ取引は、リアルタイム取引ができるので、より実践環境に近い形で練習できます。無料で日本株・米国株(それぞれ現物取引)や投資信託、ETFのデモトレードができるため、幅広い金融商品について学ぶ機会を得られます。
米国株の取扱銘柄数は楽天証券やSBI証券よりも約2,000銘柄多く、米国株に興味のある方なら押さえておきたい証券会社の一つといえます。
デモ取引の始め方はとても簡単で、moomoo証券で「moomooアプリ」をダウンロードしてアカウントを登録(無料)。その後アプリ上でデモ取引口座を申し込むだけです。
スマホアプリはもちろん、PC版(ブラウザ)でもデモ取引ができます。
また、moomoo証券で口座開設すると閲覧できる学習コンテンツが豊富にあるので、取引の練習をしながら座学的な勉強も同時に行えます。
【まとめ】株シミュレーション
この記事のポイント
- 株式投資のシミュレーションは、積立投資や取引シミュレーションなどがある
- 株式投資のシミュレーションは、自分の資金を失うことなく取引できる
- あくまでシミュレーションのため、想定外の事態が起きる可能性がある
- シミュレーションツールの選び方は、まずは学習系がおすすめ
株式投資のシミュレーションは投資の練習や運用成績の目安を知る指標としては優秀といえます。
本記事で紹介したツールを利用して失敗しない投資戦略を立てられるようにしましょう。