
この記事のポイント
- 不動産投資の「やめとけ」論には一定の根拠がある
- 特に多いのがワンルームマンション投資の「やめとけ」論
- 「やめとけ」論は、誰が言っているのかにも注目
- よくある失敗パターンから学べることは多い
不動産投資を始めようと考えてネットで関連の情報を検索していると、「不動産投資はやめとけ」という論調の記事や動画などがあることにお気づきではないでしょうか。
そのなかでも特に多いのが、ワンルームマンション投資についての「やめとけ」論です。
やる気になっていてもこうした「やめとけ」論に接すると不安になってしまい、やはりやめておいたほうがいいのかな?と考える人がいても不思議ではありません。
こうした「やめとけ」論にはどんな根拠があって、そこにはどんな意図があるのでしょうか。「やめとけ」論がある背景を紐解きつつ、それを踏まえて不動産投資を始めたいとお考えの方に向けておすすめの不動産会社についても紹介します。
目次 ー Contents
不動産投資は「やめとけ」と言われる理由
ネット上などに不動産投資の「やめとけ」論がある理由を、5つの項目にまとめました。さまざまな情報源で見かける「やめとけ」論はおおむね、これらの理由を挙げています。
理由① 物件価格が高騰して収益性が低下しているから
不動産投資の主流ともいえるマンション投資では、主に都市部のマンション物件を購入します。しかしながら大都市圏ではインフレや外国人の買い需要などが相まってマンション価格が高騰しています。
2023年には東京23区の新築マンションの平均価格が初めて1億円の大台を突破しており、投資家にとっても購入のハードルが高くなっています。その一方で家賃の上昇が価格上昇に追い付いておらず、利回り低下の原因になっています。
新築マンションだとキャッシュフローが赤字になる物件も多く、収益性の低さゆえに「やめとけ」というのは、多く見られる意見です。
理由② 経年劣化によって家賃や資産価値の低下リスクがあるから
不動産は現物資産だけに、経験劣化は免れません。時間の経過とともに家賃相場が低下し、それに伴って資産価値も低下してしまいます。
つまり、時間が経つごとに不利な投資環境になってしまいます。このリスクはすべての収益物件に言えることだけに、不動産投資は「やめとけ」という意見の根拠になります。
理由③ 物件購入のために多額の借金をする必要があるから
多くの場合、不動産投資では物件購入のために金融機関の融資を利用します。こうした借金は収益を生むためのものなので、いわゆる「悪い借金」ではありません。
とはいえ、これまで大きな金額の借金をしたことがない人にとってはハードルが高く感じられる部分です。賃貸経営がうまくいかなかった場合には借金返済が苦しくなり、重荷になってしまう恐れがあります。
理由④ 今後、金利が上昇する可能性が高いから
中長期的に見ると、日本では今後金利が上昇する可能性が高いでしょう。2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除したことにより、「金利のある世界」が戻ってきました。それでも依然として低金利水準ですが、今後金利が上昇していく可能性は高く、変動金利で不動産投資のローンを組んでいると返済負担が増加する可能性があります。
今の想定条件よりも経営環境が厳しくなると仮定するのであれば、「やめとけ」論につながります。
理由⑤ 不動産業界は海千山千だから
古くから、不動産業界は海千山千の世界だといわれています。知識や経験に乏しい初心者が丸腰で飛び込んでも価値の低い物件を掴まされてしまう可能性が高く、うかつに参入するべきではない、というわけです。
ただし、この問題についてはネットによる情報の流通や収益物件を専門的に扱う不動産会社の登場によって改善しつつあります。記事の末尾では信頼できる不動産会社を紹介しますので、そちらも参考にしてください。
とりわけワンルームマンション投資が「やめとけ」と言われる理由
ネット上にある不動産投資の「やめとけ」論は、特にワンルームマンション投資を指していることが多い点にお気づきの方は多いかもしれません。なぜワンルームマンション投資に「やめとけ」論が多いのでしょうか、その理由について解説します。
理由① 空室リスクへの対策が求められるから
ファミリータイプと比べるとワンルームマンションは入居者の入れ替わりが多い傾向があります。つまり、入居者が退去するたびに空室期間が発生し、その都度入居者を募集する必要があります。
長期的かつ安定的に入居者がつきやすいファミリータイプと比べると、空室リスクへの対策や客付けのノウハウが求められます。
理由② マンション投資のなかでも利回りが低いから
ワンルームマンションは小規模物件なので、家賃相場もその分低くなります。ファミリータイプほどの家賃収入は期待できないため、利回りは低くなりがちです。
ファミリータイプマンションなど他の不動産と比較すると、ワンルームマンションは利回りが低くなりがちなので「やめとけ」となるわけです。
理由③ マンション投資のなかでも節税効果が低いから
不動産投資の節税効果は、減価償却費が大きなポイントです。不動産を取得するのにかかった費用のうち建物部分を毎年一定率ずつ経費(損金)として計上できるため、所得税の圧縮効果があります。
物件価格によって減価償却費は変動するため、比較的低価格なワンルームマンションは減価償却費も少なくなりがちです。これが「節税効果が低い」という指摘の根拠となっています。
不動産投資は「やめとけ」と、誰が言っているのか?
ネット上で散見される不動産投資の「やめとけ」論。そもそもこうした意見は、誰が言っているのでしょうか。
ネット上の情報は玉石混交な部分があるため、正しい情報を見極める意味でも、「誰が言っているのか」という発信者についても意識をもつ必要があるでしょう。
その観点から、不動産投資を「やめとけ」と言っている主な発信者を挙げてみました。
不動産投資の経験者、専門家
最初に思い浮かぶのは、不動産投資の経験者や専門家が「やめとけ」といっている場合でしょう。これは根拠や経験などに基づいたものである可能性が高く、問題はないでしょう。
しかし、実はこうした人たちによる「やめとけ」論は少ないのが現状です。経験者のなかで不動産投資に成功している人が「やめとけ」とは言うことはないでしょうし、経験者のなかでも失敗した人が自らの失敗談をネットで発信することは少ないため、意外に少ない発言主体です。
不動産投資で失敗した人
先ほど不動産投資に失敗した人が自ら「やめとけ」論を発信するケースは少ないと述べました。しかしながら、そのなかでも自身の経験をつまびらかに発信している人もいるため、こうした人の情報は説得力があり、糧にもなります。
こうした糧になる情報の見極めには情報リテラシーが重要になります。不動産投資で成功するためにも磨いておきたい情報リテラシーについては、後述します。
誰かが失敗した際に責任を取りたくない人
不動産投資に関連するメディアサイトなどでよく見かけるのが、不動産投資を推奨するような情報を発信している一方で、本当に始めた人が失敗しても責任を取りたくないという意図で「やめとけ」論を展開しているケースです。
特に明確な根拠がなくても「やめとけ」と言っておけば、本当に失敗した人が出てきたとしても「そうなると思った」と言えるので、いわば逃げ道づくりです。
不動産投資の経験がないのに「やめとけ」と言っている人
上記の責任回避目的と併せて多いのが、実際に不動産投資をした経験がないのに「やめとけ」と言っているケースです。実際にやったことがないのに、ネット上の情報などを組み合わせて「やめとけ」論を展開します。
この「やめとけ」というネガティブな意味合いを含む言葉は検索エンジンで検索されることが多く、また記事タイトルに「やめとけ」とあると耳目を集めやすいため、アクセス数や動画視聴回数を稼ぐ目的で「やめとけ」という言葉が用いられているケースがあります。
これについても情報リテラシーに関わる問題なので、詳しくは後述します。
不動産投資でよくある失敗パターン
さまざまな「やめとけ」論が正しいのであれば、不動産投資は失敗する可能性が高いはずです。それでは、実際にどんな失敗パターンがあるのでしょうか。
人任せの物件選び、資金計画
初心者は知識や経験に自信がないので、どうしても不動産会社の提案を鵜呑みにしがちです。しかし、投資は自己判断、自己責任の世界です。
自社の利益を優先するような不動産会社だと、買うべきではない物件を掴まされてしまう恐れもあります。
資金計画についても他人の意見を鵜呑みにしてしまうと楽観的なシナリオだけで判断をしてしまい、そのシナリオどおりにならなかったときには破綻してしまうリスクがあります。
将来予測が甘かったために空室リスクが上昇
物件選びや購入判断の際には必ず、収支のシミュレーションをします。しかしこのシミュレーションは今だけでなく、将来の予測が重要です。
将来の予測が楽観的で甘かった場合、現実がそうはならなかったときに空室リスクに悩まされることになります。
安易なサブリース契約で利益を出せない
空室リスクを抑えるためにサブリース契約は有効ですが、安易なサブリース契約はおすすめしません。サブリース会社も自社の利益のためにサービスを提供しているのであって、時には投資家にとって不利な状況になってしまうケースもあります。
そもそも、サブリースに頼らなければならないような物件を選んでいること自体が失敗の始まりともいえます。
不動産投資では特に重要になる情報リテラシー
自称も含めて不動産投資に詳しそうな人が「やめとけ」と言うと、やはり不安になってしまうものです。しかし、「やめとけ」論に必要以上の不安を感じて躊躇してしまうのは機会損失につながりますし、その一方で甘言によって投資詐欺に引っ掛かってしまうこともあり、重大なリスクです。
玉石混交の情報から正確な情報、生きた情報を見極める能力として、ここでは情報リテラシーの重要性を説いていきます。
ネット上の情報は玉石混交
そもそもネット上の情報は玉石混交であり、すべてが正しいとは限らない前提に立ちましょう。嘘を言っているわけではないとしても、特定の企業などが自社の利益に誘導するために何らかのバイアスがかかった情報を発信している可能性もあります。
自分が接している情報には何らかの意図はないか?誰が発信しているのか?その人にとってどんな利益があるのか?といった点を意識する習慣をもつようにしましょう。
不動産投資の勉強を惜しまない
他人の意見を鵜呑みにしてしまったり、「やめとけ」論に必要以上の不安を感じてしまうのは、いずれも自身の知識・情報不足が遠因です。
ネット情報だけでなく、書籍やセミナーなど多層的な情報収集をして知識を身につけることで、あらゆる情報を自分で判断できるようになります。
不動産に限らず、勉強せずに成功できる投資はありません。努力は惜しまないようにしましょう。
最終的な投資判断は自分でする
人任せの投資判断や情報の鵜呑みは失敗の原因になると述べました。人任せのスタンスは投資詐欺に遭うリスクも高めてしまうため、勉強や情報収集を十分に行った上で最終的な投資判断は自分で行う基本を忘れないようにしましょう。
少しでもクリアできない部分があるのであれば、それを「無かったこと」にはせず、すべてをクリアにできないものには投資しないという慎重さも有効です。
複数の不動産会社に相談して広い視点をもつ
不動産投資では不動産会社から物件を購入することになりますが、特定の1社だけでなく複数の不動産会社に相談をして広い視点をもつようにするのも有効です。
複数の不動産会社に相談していることを伝えると、不動産会社側にも競争意識が生まれ、よりニーズに寄り添った提案も期待できるでしょう。
次章では、そんな際に候補に入れたい不動産会社を紹介します。
不動産投資を決断したら検討したい不動産会社【3選】
ここまでの解説をお読みになった上で、「よし、不動産投資をやってみよう」と思ったら、次にすることは不動産会社探しです。
ここでは不動産投資に強い不動産会社を3社を、それぞれのジャンル別にピックアップしました。不動産会社選びの際にはぜひ参考にしてください。
RENOSY

物件選びから購入時の資金計画、資金調達、さらには運営や売却まで不動産投資の全工程をパッケージ化し、投資家はシンプルな操作で不動産投資に取り組むことができます。
AIによる分析で物件選びの正確性が高く、利用者の成功率が高いことも大きな強みです。
入居者が退去した際には原状回復の手配や次の入居者探しなどもパッケージ化されているため、長く付き合っていく上で価値の高い不動産会社です。
運営会社 | 株式会社GA Technologies |
取扱物件ジャンル | 中古区分マンション |
特徴、メリット | AIの活用による正確性の高い物件選び 不動産投資の全工程を一元化 入居者の退去時もサポートが充実 |
デメリット | 自己資金500万円以上の人が対象 利回りが比較的低く短期投資には不向き |
向いている人 | 不動産投資初心者で、不動産会社によるフルサポートを期待したい人 利回りの高さよりも確実に成功したい人 |
トーシンパートナーズ

自社のマンションブランドとして「zoom」「PHOENIX」を展開しており、新築マンションの開発や販売についても多数の実績があります。不動産投資会社としての社歴が長く、創業は1989年です。デザイン性に優れたマンション開発に定評があり、他社とは差別化された物件の供給力により、投資家に安定的な投資環境を提供しています。
運営会社 | 株式会社トーシンパートナーズ |
取扱物件ジャンル | 新築および中古区分マンション |
特徴、メリット | 自社マンションブランドに高いブランド価値 創業は1989年、長い社歴に裏づけられた信頼がある 入居者審査などのサポートも充実 |
デメリット | 過去に裁判沙汰を起こしたことがある 自社マンションブランド以外の投資選択肢が弱い |
向いている人 | 知名度やブランド価値の高いマンションで安定的な収入を目指したい人 |
シノケンプロデュース

ここで紹介している不動産会社のなかでは唯一、アパート物件に特化している会社です。同社の系列にはマンションを取り扱っている会社があるなかでのアパート特化なので、アパート投資に関する高いレベルのノウハウが期待できます。
不動産グループとしての信頼性やネットワークを活かし、各地の地元不動産会社との情報網が充実、良質な情報を入手しやすいのも強みです。
運営会社 | 株式会社シノケンプロデュース |
取扱物件ジャンル | アパート |
特徴、メリット | アパート投資をしたい人には充実のノウハウ、サービス 不動産グループとしての高い信頼度 融資を利用する金融機関の選択肢が広い |
デメリット | 地元不動産会社とのネットワークは、あくまでも主要都市のみ アパートに特化しており、他の選択肢はない |
向いている人 | 少ない自己資金でアパート投資を始めたい人 マンションではなくアパートに関心がある人 |
【まとめ】不動産投資の「やめとけ」論をきっかけに情報リテラシーを高めよう
この記事のポイント
- 不動産投資の「やめとけ」論には一定の根拠がある
- 特に多いのがワンルームマンション投資の「やめとけ」論
- 「やめとけ」論は、誰が言っているのかにも注目
- よくある失敗パターンから学べることは多い
不動産投資は「やめとけ」というネガティブな情報に接して少し不安を感じている人に向けて「やめとけ」論の根拠や、そういった意見が出てくる背景について解説しました。すべてが正しいわけではありませんし、すべてが間違っているわけでもありません。
重要なのはこうした情報から本当に必要な情報を見極める情報リテラシーなので、不動産投資成功のためにも情報を精査する習慣・能力を身につけましょう。