
この記事のポイント
- FXの自動売買はプログラム型、リピート型、トレーダー型の3種類に大別できる
- FX会社の自動売買なら「みんなのシストレ」「MATSUI FX」がおすすめ
- MT4のEAによる自動売買なら「FXTF MT4」「楽天MT4」がおすすめ
- FXの自動売買では定期的にパフォーマンスをチェックしてデータを取ること
- FXの自動売買ではメジャーな通貨ペアで運用するのがおすすめ
「FXの裁量取引に挑戦したもののなかなか勝てないから」「チャートをチェックする時間がないけどFX取引は続けたいから」「相場を読む知識がなくてもできる運用方法を知りたくて」このような理由からFXの自動売買に興味を抱く人が多いようです。FXの知識がないと、なかなか分かりにくい自動売買というサービス(運用方法)を、この記事で明らかにしていきます。
そもそも自動売買とは何なのかというところから、FXの自動売買をすることのメリットやデメリット、さらには一歩踏み込んで自動売買の選び方のコツや失敗しないためのポイントについてもわかりやすく解説します。
※この記事は2024年3月時点の情報をもとに作成しています。
目次 ー Contents
証券会社とFX会社が提供するおすすめ自動売買【8選】
おすすめの自動売買として、ここでは証券会社のFX口座と、FX会社が提供している自動売買サービスとMT4を使う自動売買(EA)を紹介します。
- インヴァスト証券(トライオート)
- トレイダーズ証券(みんなのシストレ)
- 松井証券(MATSUI FX)
- アイネット証券(ループイフダン)
- 外為オンライン(iサイクル2取引)
- FXブロードネット(トラッキングトレード)
- マネースクエア(トラリピ)
- ゴールデンウェイ・ジャパン(FXTF MT4)
- 楽天証券(楽天MT4)
それぞれ見ていきましょう。
種類 | 手数料 | 取引単位 | 通貨ペア数 | 米ドル/円 スプレッド | 口座開設 | |
---|---|---|---|---|---|---|
![]() 公式サイト | リピート型 プログラム型 | 往復40円※1 | 1,000通貨 | 20種類 | 0.3銭 | 最短当日 |
![]() 公式サイト | プログラム型 リピート型 トレーダー型 | 無料 | 1,000通貨 | 34種類 | 1.9銭 | 最短当日 |
![]() 公式サイト | リピート型 | 無料 | 1通貨 | 20種類 | 0.2〜0.9銭 | 最短当日 |
![]() 公式サイト | リピート型 | 無料 | 1,000通貨 | 20種類 | 2.0銭 | 最短翌々日 |
![]() 公式サイト | リピート型 | 往復40円※2 | 1,000通貨 | 26種類 | 1.0銭 | 最短5分で 申込完了 |
![]() 公式サイト | リピート型 | 往復400円※3 | 1万通貨 ※4 | 24種類 | 0.2銭 | 最短5分で申込完了 |
![]() 公式サイト | リピート型 | 無料 | 1,000通貨 | 16種類 | 4.4銭 | 最短当日 |
![]() 公式サイト | プログラム型 (EA) | 無料 ※5 | 1,000通貨 | 30種類 | 0.2銭 | 最短当日 |
![]() 公式サイト | プログラム型 (EA) | 無料 | 1,000通貨 | 24種類 | 0.5銭 | 最短5分で 申込完了 |
※2 全通貨ペア一律で片道20円(往復40円)の手数料が発生(南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は1万通貨あたり)
※3 ブロードコース、1万通貨あたり。ブロードライトコースは1,000通貨あたり往復40円
※4 ブロードコースの場合(南アフリカランド/円は10万通貨)。ブロードライトコースは1,000通貨(南アフリカランド/円は1万通貨)
※5 EA利用時は対象の5通貨(米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円、ユーロ/米ドル)は新規1万通貨の取引あたり20円の手数料が発生(片道分のみ)
インヴァスト証券(トライオート)

自動売買サービス名 | トライオート |
種類 | リピート型、プログラム型 |
自動売買の取引手数料 | 往復40円 ※ |
最小取引単位 | 1,000通貨 |
通貨ペア数 | 20種類 |
米ドル/円スプレッド | 0.3銭 |
口座開設 | 最短当日で取引可能 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
「トライオート」はインヴァスト証券の主力商品で、同じプラットフォーム内でFXとCFD、ETFの自動売買と裁量トレードを行えます。
自動売買には「セレクト」と「ビルダー」2つの機能が用意されており、「セレクト」ではあらかじめ用意されている豊富なプリセットから選ぶだけで資産運用が可能。「ビルダー」は中上級者向きの機能で、自分で考案した自動売買の設定を形にできます。
自動売買ではリピート系注文をかつてないほどお手軽にできるのが最大の特徴です。

また、自動売買の際に必ずやらなくてはいけないものの、いざやろうとすると骨が折れるバックテストですが、トライオートなら高速で、最大3年間のバックテスト結果をシミュレーションという形で得ることができます。
しかも、一つのロジックだけではなく複数のロジックを組み合わせたポートフォリオのバックテストも可能。リスク分散してより手堅い運用をしたい人に使ってほしい機能です。
こんな人におすすめ!
- 初期設定の手間をかけずにFXのリピート系自動売買を始めたい人
- 自分で自動売買のルールを構築してみたい人
- 自動売買と裁量トレードを同じ口座でやりたい人
- CFDやETFの自動売買にも興味がある人
トレイダーズ証券(みんなのシストレ)

自動売買サービス名 | みんなのシストレ |
種類 | プログラム型、リピート型、トレーダー型 |
自動売買の取引手数料 | 無料 |
最小取引単位 | 1,000通貨 |
通貨ペア数 | 34種類 |
米ドル/円スプレッド | 1.9銭 ※2024年3月21日18:55時点のレート参照 |
口座開設 | 最短当日で取引可能 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
トレイダーズ証券の「みんなのシストレ」はトレーダー型、プログラム型の自動売買ができるのが特徴で、ストラテジーランキングに登録されているトレーダーの中から優秀なトレーダーを選ぶだけで自動売買を運用できます。

トレーダーは収益率、フォロワー数、取引スタイルなどさまざまな種類でランキングされていて、目的に応じて選びやすくなっているので初心者でも選びやすくなっています。
また、プログラム型のストラテジーの中にはリピート系自動売買のロジックを再現したものも搭載。すべての種類の自動売買に対応しているサービスといえるでしょう。
こんな人におすすめ!
- 自動売買の運用に興味がある人
- 様々な自動売買の種類を運用してみたい人
- 取引コストを押さえたい人(手数料無料、スプレッド狭い)
- みんなのFXで裁量取引をしている人(同じ会社が提供)
松井証券(MATSUI FX)

自動売買サービス名 | MATSUI FX |
種類 | リピート型 |
自動売買の取引手数料 | 無料 |
最小取引単位 | 1通貨 |
通貨ペア数 | 20種類 |
米ドル/円スプレッド | 0.2〜0.9銭 ※自動売買運用時、例外あり |
口座開設 | 最短5分で申込完了 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
ネット証券の大手、松井証券のFXサービス「MATSUI FX」では、業界最小の取引単位でリピート系の自動売買ができます。
最小1通貨で取引すれば、1つのポジションをもつのに必要な資金は100円程度。数十万円の初期資金が必要といわれているリピート系自動売買を、MATSUI FXなら1万円もあれば余裕で始められます。

MATSUI FXの自動売買取引画面。簡単な初期設定をするだけでリピート系注文を始められる。
実際に1通貨で取引すると1注文あたりの利益は微々たるものなのでそのような運用をする人はいないと思いますが、他社の最小取引単位である1,000通貨未満で細かく取引数量を調整するやり方を重宝する人は多そうです。
また、松井証券はサポート体制の充実ぶりが有名です。FX口座の電話サポートは平日7:00〜24:00まで対応しているので、調べてもわからなくて困った際は遠慮なく問い合わせてみましょう。
ネット証券の大手、松井証券のFXサービス「MatsuiFXは100円から自動売買が利用できます。またリピート型はロジックがシンプルなので初心者でも使いやすくなっています。松井証券はカスタマーサービスが充実している点も初心者には安心です。
こんな人におすすめ!
- 自動売買の運用に興味がある人
- ネームバリューのあるFX会社を利用したい人
- 少ない資金で自動売買をやってみたい人
- 取引コストを気にしている人(スプレッドのみ、手数料なし)
アイネット証券(ループイフダン)

自動売買サービス名 | ループイフダン |
種類 | リピート型 |
自動売買の取引手数料 | 無料 |
最小取引単位 | 1,000通貨 (南アフリカランド/円、メキシコペソ/円は1万通貨) |
通貨ペア数 | 20種類 |
米ドル/円スプレッド | 2.0銭 |
口座開設 | 最短翌々日 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
アイネット証券のループイフダンは初心者でも簡単にFXをはじめられる自動売買で、一定の値幅が動いたら自動で売買を繰り返すタイプのリピート型自動売買。
仕事が忙しくFX取引をする時間のない人でも、ループイフダンの簡単な初期設定さえすれば、あとは継続してFX取引を自動で行えます。
自動売買の手数料はスプレッドに含まれているため、シンプルな取引ルールです。
5年間の平均損益額が91万円のプラス(1口座あたり)というデータ(アイネット証券調べ)があることから、多くの利用者がプラスで運用できています。
為替相場の知識や分析方法に精通していなくても、これだけの結果が出ているわけですから、FX初心者でも利用しやすいのではないでしょうか。
またループイフダンのようなリピート型の自動売買は中長期運用で運用するのが基本で、細かく利食いしていく利益に加えてスワップポイントの受取にも期待できます。アイネット証券は業界最高水準のスワップポイントを提供しているため、他社の自動売買よりもスワップポイントの恩恵を受けられるでしょう。

ループイフダンの設定方法は「自分で設定する」と「ランキングから選ぶ」の2通り。自分で設定する際の項目もそれほど多くなく、仕組みを学べば簡単に理解できます。
もっとお手軽に設定したい場合は好成績なループイフダンを選ぶだけで設定が完了する「ランキング機能」を利用するとよいでしょう。
こんな人におすすめ!
- 自動売買の運用に興味がある人
- もっとも簡単に設定できるサービスを使いたい人
- スマホアプリ一つで自動売買をしたい人
- 取引コストを押さえたい人(手数料無料、スプレッド狭い)
外為オンライン(iサイクル2取引)

自動売買サービス名 | iサイクル2取引、サイクル2取引 |
種類 | リピート型 |
自動売買の取引手数料 | 1,000通貨あたり往復40円 ※ |
最小取引単位 | 1,000通貨 (南アフリカランド/円、メキシコペソ/円は1万通貨) |
通貨ペア数 | 26種類 |
米ドル/円スプレッド | 1.0銭 |
口座開設 | 最短5分で申込完了 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
老舗のFX会社、外為オンラインは自動売買に注力していることで有名です。「iサイクル2取引」「サイクル2取引」という2つのサービスは、いずれもリピート型と呼ばれるタイプの自動売買。あらかじめ設定したレンジ(一定の値幅)内で新規・決済注文を何度も自動的に繰り返して利益を積み上げていきます。
「iサイクル2取引」と「サイクル2取引」の違いは発生したトレンドを追従する「トレンド機能」の有無。この機能が備わっている「iサイクル2取引」ならば、最初に設定した売買ルールが自動的に変わる(買い→売り、売り→買い)ので、トレンドが転換しても自動的に追従していきます。
どちらの自動売買サービスも最小取引単位が1,000通貨のmini口座で行えば、少ない資金(推奨は30万円以上)で自動売買の運用が可能です。


スマホアプリのiサイクル2取引
「iサイクル2取引」と「サイクル2取引」のいずれも、あらかじめ用意されている設定を選ぶだけで取引スタート。スマホアプリにも対応しているので、スマホトレード派の人も利用できます。
こんな人におすすめ!
- 自動売買の運用に興味がある人
- 有名&利用者の多いFX会社で自動売買を始めたい人
- スマホアプリでもPCと一つで自動売買をしたい人
- 運用の疑問や悩みをすぐに解決したい人(無料オンラインサポートあり)
FXブロードネット(トラッキングトレード)

自動売買サービス名 | トラッキングトレード |
種類 | リピート型 |
自動売買の取引手数料 | ■ブロードコース 新規:1万通貨あたり200円 決済:1万通貨あたり200円 ■ブロードライトコース 新規:1,000通貨あたり20円 決済:1,000通貨あたり20円 |
最小取引単位 | ■ブロードコース:1万通貨 (南アフリカランド/円は10万通貨) ■ブロードライトコース:1,000通貨 (南アフリカランド/円は1万通貨) |
通貨ペア数 | 24種類 |
米ドル/円スプレッド | 0.2銭 ※原則固定・例外あり |
口座開設 | 最短当日で取引可能 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
FXブロードネットではリピート型に該当する自動売買サービス「トラッキングトレード」を提供しています。指定した値幅(レンジ)の中で安く買って高く売る、高く買って安く売る予約注文を発注し、自動的に売買が繰り返されていきます。
利益実績87.3%(※)というデータがあるように、トラッキングトレードを利用している人の多くが自動売買で結果を出しています。
※2014年10月15日から2023年12月31日までに設定されたトラッキングトレードの設定毎の利益実績(公式サイトより引用)
通貨ペアや注文数量などを自分で設定できる「任意注文」に加えて、設定別損益ランキングの中からこれぞと思うものを選んで始められる「ランキング注文」があるので、より手軽に始めたい人はランキング注文で好成績な設定を選ぶといいでしょう。

トラッキングトレードの設定画面。「トラッキングトレードランキング発注」を選ぶとランキングが表示される。
こんな人におすすめ!
- 自動売買の運用に興味がある人
- 堅実な資産運用ができればどんな金融資産でも構わない人
- 取引コストの安さよりも、サービス面の充実度を重視したい人
- 裁量取引もするので取引環境やスプレッドにもこだわりたい人
マネースクエア(トラリピ)

自動売買サービス名 | トラリピ |
種類 | リピート型 |
自動売買の取引手数料 | 無料 |
最小取引単位 | 1,000通貨 (南アフリカランド/円、メキシコペソ/円は1万通貨) |
通貨ペア数 | 16種類 |
米ドル/円スプレッド | 4.4銭 ※2024年3月22日11:40時点のレート参照 |
口座開設 | 最短当日で取引可能 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
マネースクエアの「トラリピ」は、リピート系の自動売買として元祖的な存在として有名です。最初の設定で7項目を入力すれば初心者でも簡単に利用できる手軽さが魅力。
マネースクエアの利用者は、平均年齢46才、平均預り資産残高273万円、平均取引期間9.3年という特徴があり、堅実な資産運用をするための手段としてトラリピを選んでいることがわかります。

トラリピの注文画面。左側の項目欄に数値を入力するだけでOK。右側のチャートのラインを上下に動かすとレンジの設定ができる。
アナリストやエコノミストによる日々のマーケット情報やトラリピの使い方や戦略を学べる無料セミナーなど、投資初心者が学べるコンテンツが充実。FXについてゼロから学べるでしょう。
スプレッドが広く、取引コスト面で他社サービスに見劣りしますが、トラリピの使いやすさや、サポート体制の充実度、現金やAmazonポイントに振り返られるポイントプログラムなど、デメリットを感じさせないほどの取引環境となっています。
こんな人におすすめ!
- 自動売買の運用に興味がある人
- 堅実な資産運用ができればどんな金融資産でも構わない人
- 取引コストの安さよりも、サービス面の充実度を重視したい人
- 運用資産の推移や日々の確定損益を簡単にチェックしたい人
ゴールデンウェイ・ジャパン(FXTF MT4)

自動売買サービス名 | FXTF MT4 |
種類 | プログラム型(EA) |
自動売買の取引手数料 | 無料 ※ |
最小取引単位 | 1,000通貨 |
通貨ペア数 | 30種類 |
米ドル/円スプレッド | 0.2銭 ※原則固定・例外あり |
口座開設 | 最短当日 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
2006年創業、20年近く個人投資家へFXサービスを提供しているゴールデンウェイ・ジャパン。メインのFXTF GX口座に加え、世界的な人気を誇るMT4(MetaTrader 4)が使える口座(FXTF MT4口座)もあります。
FXTFの魅力はなんといっても、業界最狭水準のスプレッドです。一般的に裁量用の取引口座よりも広く提供されることの多いMT4口座ですが、FXTF MT4は米ドル/円0.2銭などほとんどの通貨ペアを最狭水準で提供。EAによる運用でも取引コストに妥協したくないのであればこの口座は一度検討しておくとよいでしょう。
こんな人におすすめ!
- 自動売買の運用に興味がある人
- EA(Expert Adviser)で自動売買をしたい人
- 米ドル/円以外の通貨ペアにもスプレッドの狭さを求める人
- FXと一緒に暗号資産や商品、オプション取引を検討している人
楽天証券(楽天MT4)

自動売買サービス名 | 楽天MT4 |
種類 | プログラム型(EA) |
自動売買の取引手数料 | 無料 |
最小取引単位 | 1,000通貨 |
通貨ペア数 | 24種類 |
米ドル/円スプレッド | 0.5銭 ※例外あり |
口座開設 | 最短5分で申込完了 |
公式サイト | ![]() 公式サイトへ |
大手ネット証券の一つ、楽天証券でFXの自動売買ができます。楽天MT4口座では世界中で使われているチャートツール「MT4」を利用でき、EA(MT4、MT5専用の自動売買プログラム)を使った自動売買運用が可能です。
MT4を利用できる国内FX会社の中ではスプレッドが狭いため、取引コストを抑えてMT4で取引したいなら楽天MT4は口座選びの最有力候補となるでしょう。
こんな人におすすめ!
- 自動売買の運用に興味がある人
- EA(Expert Adviser)で自動売買をしたい人
- ネームバリューのあるFX会社を利用したい人
- 取引コストを気にしている人
FXシストレ経験者が考える自動売買の魅力とは?
FXの自動売買とは、あらかじめ決めたトレードルール(売買ロジック)を用いて自動的にFXの取引を行う仕組みやサービスのこと。システムトレード(略称:シストレ)とも言われています。自動売買のシステムやサービスを稼働させれば、あとは自動的に売買ロジックに合わせてトレードを繰り返していくため、トレーダーは定期的に取引結果をモニターするだけです。後述しますが、現在FX会社数社が自動売買サービスを提供しています。
より詳しくFXの自動売買を解説してみます。FXの取引手法は裁量トレードと自動売買に分類されます。初心者の方は、普通、裁量トレード手法から始めることになると思います。
そして下の自動売買にかかわる専門用語は自動売買をしているとよく耳にすると思うので、念のため覚えておきましょう。
ストラテジ
ストラテジは日本語では戦略といいます。どのような相場やチャートパターンの発生で利益を目指すのか?短期、中・長期など、どのような期間を想定して利益を目指すトレードをするかなどトレードの戦略コンセプトのことをいいます。
売買ロジック
ストラテジが決まったら具体的にどの通貨ペアで取引するか、使用するチャートの時間足、テクニカル指標とパラメーター、指値・逆指値注文の設定など、具体的にシステム化して自動売買プログラムまで具体化したものをいいます。このプログラムした売買ロジックは売買プログラムとも言われます。
FXの自動売買と裁量トレードの違い
裁量トレードとは、売り買いの判断を自身で行うトレード手法で、多くのFX投資家が行っている一般的な取引手法です。何だ、普通じゃない、と皆さん思うことでしょう。
逆に自動売買は売買ロジックのテクニカルポイントの発生により、システムが自動的に売り買いをします。売買ロジックは、投資家の方自身が数ある売買ロジックの中から成績を参考にしながら、選択することになります。売り買いはシステムが行うので、人がそれを判断することはありません。
またテクニカル分析により、売り買いを判断してもそれは裁量トレードと定義づけられます。テクニカル指標で発生した売り買いのサイン(売買シグナル)を見て、トレードするわけですから、そこには人の判断がはいるからです。
現実的に、自動売買は利用したほうがいいのか?
個人的にはFXで長い間利益を上げ続けるために、裁量トレードと自動売買の二つを自身のトレード・ポートフォリオに組み入れるべきだと思います。
裁量トレードは自分の知識と経験をもとにストラテジ(トレード戦略)を組み立てます。しかし、その戦略が誤っていれば損失が出ます。その戦略のリスク分散をするために、他人のつくったストラテジをトレードのポートフォリオに組み込むのです。
特に最近のFXの自動売買には、他のトレーダーが作成した、その時々、ある一定期間に利益が出ている売買ロジックを使い自動売買ができるサービスや、予め設定した指値注文を繰り返し発注しながらレンジ相場で利益を狙う自動売買機能サービスなど、多くの自動売買サービスがあります。
そしてその多くは国内の証券会社やFX会社から提供されており、システム自体の信頼性が非常に傾向にあります。
自分のトレード戦略が間違っていれば損失が出る、一方、他人のトレード戦略があっていれば利益が出ます。このようにトレード頭脳をわけるという意味でもFXの自動売買を活用したほうがいいと思われます。
編集部スタッフが考えるFXにおける裁量トレードと自動売買の特徴
FX取引経験20年の編集部スタッフが裁量トレードと自動売買の特徴を紹介します。
通常のFX(裁量トレード)の特徴
・自分の判断で自由に取引できる
・好きなときに、好きなようにトレードができる
・相場急変動時、相場の乱高下でも対応が可能
・トレードの勝ち負けの理由がはっきりわかる
・相場分析をする時間が必要
・為替レートのチェックが欠かせない
・取引ルールの徹底、厳しい自己管理が必要
FXの自動売買の特徴
・取引は売買ロジックまかせになる
・売買ロジックまかせなので、いつ取引が発生するかわからない
・相場急変動時、相場の乱高下が苦手
・トレードの勝ち負けの理由がわかならい
・相場分析をする時間が不要
・為替レートのチェックは不要
・取引ルールはすべて売買ロジックにおまかせ
FXの自動売買がおすすめな人
FXの自動売買がおすすめな人、向いている人とはどのようなタイプでしょうか?
あらゆる人が利用できる便利な仕組みなのですが、特に次の3つのパターンに当てはまっている人は親和性が高いかもしれません。
パターン① 忙しい人
仕事や家事で忙しくFXをしたいけど取引する時間がない、という人にFXの自動売買は向いています。自動売買を設定すれば、相場が動いている限り24時間休まず取引をしてくれます。
パターン② FX初心者
FX初心者でFXの知識や経験が浅い人にも自動売買はおすすめです。為替相場の分析方法を身につけるには多くの時間がかかって大変ですが、自動売買ならば優秀なプログラムやサービスを選べれば利益を出せる可能性が高くなります。
選び方のコツに関してはこの記事で解説しているので、ぜひ目を通しておいてください。
パターン③ FXの裁量取引で勝てない人
FXで裁量取引をしているけど勝てない、だけどFXをやめたくない、という人に自動売買はおすすめです。特にトレーダー型の自動売買では、利益が出せるトレーダーの取引を自分の口座で見られるため、とてもよい勉強になります。
FXの自動売買の3つメリット
自動売買に興味があるならすでにご存知かもしれませんが、あらためてFXの自動売買のメリットをみてみましょう。
- 24時間自動で取引
- メンタルが影響しにくい
- 初心者でも取引できる
24時間自動で取引
FXの自動売買を一旦設定すれば、あとはシステムが24時間継続して取引をしてくれるため、取引チャンスを逃がしません。
仕事中や就寝中でも相場で利益が出せるチャンスになれば自動売買が取引をしてくれるため、ユーザーはFXのことを気にすることなく仕事に集中できたり、ゆっくり就寝できたりします。
メンタルが影響しにくい
自動売買はルールに従って自動的に売買を繰り返すため、そこにトレーダー自身の感情が介入することはありません。
FX取引の失敗の多くが感情的な取引の場合が多いため、取引にメンタルの影響が及ばないことは大きなメリットです。
ただし、ユーザーが含み損を見て不安になり自分で判断して自動売買を止めたり、勝手に利益を確定させたりしないように注意が必要です。
初心者でも取引を始めやすい
自動売買には決められたルールがあり、トレーダーはどんなルールで取引をしたいか、もしくはどのような利益が見込めそうかを考慮して自動売買を選びます。
そのため、自身で新規注文や決済注文のタイミングを決める裁量取引と比べて、相場分析の知識を必要としないため、初心者でもFX取引を始めやすいというメリットがあります。
とはいえ、FXや相場に関する知識はないよりあった方がいいに越したことはありません。本気でFXで資産を築きたいのであれば、テクニカルやファンダメンタルズの勉強をしましょう。
FXの自動売買の2つデメリット
FXの自動売買にはメリットだけではなく、デメリットも存在します。
- 臨機応変な対応が苦手
- 利用者に最低限の知識と判断力は必要
臨機応変な対応が苦手
FXの自動売買はあらかじめ決められたロジックによって取引を行うため、相場が急変したりトレンドが転換した際にその変動にロジックが適合しなくなる場合があります。
自動売買のロジックと相場が合わない場合は損切りが連続することもあるため、ユーザーは定期的に自動売買をモニターする必要があります。
利用者に最低限の知識と判断力が必要
FXの知識や経験がなくても利用できる自動売買ですが、連続して損失を出している自動売買は一時的に止めたほうがよい場合があります。
大きな損失を出さないためには、自動売買を稼働させるかどうか判断するための最低限の知識や判断力が必要です。
FXの自動売買の種類
FXの自動売買といっても実は様々な種類が存在します。細かく説明してもより分かりにくくなってしまうため、ここでは3種類に大別してみました。
- プログラム型自動売買
- リピート型自動売買
- トレーダー型自動売買
詳しく見ていきましょう。
プログラム型自動売買
プログラム型自動売買は、売買ロジックをプログラム化して機械的、自動的に取引を行うものを指します。例えば、「移動平均線をローソク足が上抜けたら買う」「前日安値をレートが下抜けたら売る」などのロジックに従って自動的に売買を繰り返します。
このタイプの自動売買のロジックは公開されている場合と非公開の場合があり、またロジックのパラメーターをユーザーが設定できるものや、デフォルト以外の設定はできない場合など、さまざまなタイプがあります。

この手のFXの自動売買では、Expert Advisors(エキスパートアドバイザー、通称EA)が有名です。取引プラットフォームのMT4(MetaTrader 4)やMT5(MetaTrader 5)で使うことができます。
また、MT4(MT5)にはEAを開発できる環境があるので、プログラミングに詳しい人はEAを自作することも可能です。
MT4(MT5)コミュニティでは1万以上の自動売買が提供されています。その多くが無料で利用できるので、MT4/MT5ユーザーで自動売買に興味のある人は一度コミュニティを訪れてみるとよいでしょう。
リピート型自動売買

FX会社が提供している自動売買サービスとして有名なのが、このリピート型です。
「レンジになりやすい」「上がったり下がったり小刻みに変動しやすい」といった為替相場の特徴を利用して、あらかじめ設定したレンジ内で何度も新規・決済注文を自動的に繰り返して利益を積み上げる仕組み。
リピート系注文の初期設定の例
・通貨ペア(米ドル/円、豪ドル/円など)
・売買の方向(買い、売り)
・レンジ(100円〜150円など)
・売買頻度(50銭、100銭間隔など)
・取引数量(1取引1,000通貨など)
例えば、「米ドル/円が50銭下がったら買い、100銭上昇したら売る」「米ドル/円を30銭ごとに買い、買った値段から50銭上昇したら利益確定」など、あらかじめ設定されたロジックに従って繰り返す取引を自動で行います。
特に相場がある一定の値幅(レンジ)で上下しているような場面でリピート型の自動売買は威力を発揮します。レンジ相場を狙ったリピート系自動売買は長期的な運用方法として近年人気が高まっています。
トレーダー型自動売買
トレーダー型自動売買とは、自分以外のトレーダーの売買をそのまま真似して取引するもの。この手の自動売買はミラートレードとも呼ばれます。
FX初心者でもプロと同じ取引ができることから、FXの勉強にもなります。またトレーダー型自動売買は相場の変動に強く、さまざまな相場に対応できるメリットがあります。
ただし、プロトレーダーも人間なので、トレードの調子が悪くなって損切りが続く可能性もあります。

FX会社ではトレイダーズ証券の「みんなのシストレ」がサービスを提供しています。
FXの自動売買の選び方【3選】
以下は3つの自動売買の選び方です。次の3つの選び方を参考にして絞り込んでみてください。
- おまかせ度合いで選ぶ
- パフォーマンスで選ぶ
- コストで選ぶ
おまかせ度合いで選ぶ
自動売買にはさまざまな種類があり、完全に自動のものから半自動のものまであります。
特に忙しい人やFX初心者は、中途半端に裁量要素を取り込むよりは新規注文から決済まですべてシステムが行ってくれる「完全自動売買」を選ぶとよいでしょう。
また取引ロジックも簡単なものから複雑なものまであるため、最初はできるだけシンプルなロジックの自動売買から始めることをおすすめします。
パフォーマンスで選ぶ
自動売買はパフォーマンスが公開されています。過去にどのくらいの利益や損失を出しているのかをよく見て、できるだけ成績のよい自動売買を選びましょう。
成績を見る際はバックテストの結果(過去の成績)だけではなく、フォワードテストの結果(リアルトレードの成績)も参考にするのが望ましいです。
また、自動売買のロジックによってレンジ相場に強いものやトレンド相場に強いものがあるため、今の相場がどのような相場なのかによって自動売買のパフォーマンスは変化する可能性があります。
ある程度知識のある人は、相場環境と自動売買の成績を良く観察して、相場に合った自動売買を選ぶことをおすすめします。
コストで選ぶ
自動売買は無料で利用できるものと有料のものがあります。取引コストを抑えて自動売買を利用したい場合は、無料の自動売買の中からできるだけ成績のよいものを選ぶとよいでしょう。
ただし、有料の自動売買で非常に成績がよいものがあれば、手数料を支払ってでもその自動売買を利用した方が利益が大きくなる可能性があります。
したがって、自動売買の取引コストは取引手数料だけではなく、リスクリワードや利益の大きさなども考慮して総合的に判断できるのが理想です。
FXの自動売買、7つの成功ポイント
FXの自動売買で成功するために、次の7つのポイントを押さえておきましょう。
- 自動売買のロジックを理解する
- 相場に合った自動売買の選択
- 複雑なロジックの自動売買を避ける
- データを記録する
- 定期的にパフォーマンスを確認する
- マイナススワップポイントに注意する
- メジャーな通貨ペアで運用する
順番に詳しく解説します。
自動売買のロジックを理解する
利用しようとする自動売買のロジックを理解すれば、その自動売買で利益を出せる通貨ペアや相場環境などが判断できます。
例えば、20pips毎に買いを入れるロジックがあった場合、相場が上昇している通貨ペアを選べばその相場では利益が出る可能性が高くなります。
逆に上下100pipsの値幅で動いている相場では、50pips上がったら売り、50pips下がったら買う、などのロジックがよいでしょう。
このようにロジックが明確であれば、そのロジックに有利な相場で自動売買を稼働させ利益を狙えます。
相場に合った自動売買の選択
ロジックと同じように、その自動売買がどのような相場に強いのかによって稼働させる通貨ペアを選択します。
相場の環境認識を行い、トレンド相場なのかレンジ相場なのかを判断し、その通貨ペアの相場環境にあった自動売買を選択すれば、利益を出せる可能性が高くなります。
逆に、レンジ相場型の自動売買を稼働させているときに相場にトレンドが発生した場合は、レンジ相場型の自動売買を停止させることで損失を回避することも可能です。
複雑なロジックの自動売買を避ける
複雑なロジックやロジックが非公開の自動売買は避けたほうが無難です。
ユーザーが自動売買の特徴を理解できなければ、その自動売買がどういう相場で利益を出し、どういう相場で損失を出すのかが判断できない可能性があります。
ロジックが複雑な自動売買を利用する場合は、できるだけ長く過去にさかのぼり、パフォーマンスをチェックして、その自動売買の特徴を理解してからにするとよいでしょう。
データを記録する
自動売買の損益を記録すると以下のようなメリットがあります。
- 相場のどこで利益が出て、どこで損失が出るのかがわかる
- 時間帯によって利益の出やすい時間帯や損失の出やすい時間帯がわかる
- 通貨ペアによってパフォーマンスがよい通貨ペアと悪い通貨ペアがわかる
このようなことがわかれば、自動売買に24時間・100%任せるのではなく、利益の出やすいときにだけ自動売買を稼働させるという選択が可能です。
定期的にパフォーマンスを確認する
定期的に自動売買の損益を確認することで、自動売買がその相場に合っているかそうでないかの判断ができます。
利益が出ている場合はそのまま稼働させ、連続して損失が出ている場合などは、その自動売買を一時的に停止させるか、稼働させる通貨ペアを変えるなどの対策が可能です。
マイナススワップポイントに注意する
自動売買を長期にわたって運用する場合は、マイナススワップに注意が必要です。特にマイナススワップの大きい通貨ペアを長期間保有するロジックで取引する場合、取引によって得られた利益よりもマイナススワップの方が大きくなれば、自動売買は勝っているのに利益は残らないという結果になってしまう可能性があります。
マイナススワップが発生する方向にトレンドが出ている相場では十分に注意しましょう。
メジャーな通貨ペアで運用する
メジャーな通貨ペアはその動きが規則的になる傾向があります。市場に十分な流動性があり、多くの参加者が取引するため、テクニカル分析が機能するためです。
自動売買はロジックに従って売買を繰り返すため、規則的な動きの相場と相性がよいので、米ドル/円やユーロ/米ドルのようなメジャーな通貨ペアで利益が出しやすいといえます。
マイナーな通貨ペアは値動きが不規則かつ急激なことがあり、期待通りの結果にならない可能性があります。
FX自動売買に関するFAQ Q&A
裁量取引に慣れていてFXについてある程度知っている人でも、自動売買については分からない部分が多々あるのではないでしょうか。
ここではFXの自動売買についてよくある質問について回答していますので、気になる点がある人はチェックしてみましょう。
FXの自動売買は何もしなくても儲かるの?
そんなことはありません。どんな自動売買やEAであっても元本割れのリスクがあります。それを理解できない間は「かならず儲かる」と謳っている自動売買はすべて投資詐欺だと疑ってかかった方がいいでしょう。やらなければ増えませんが、無用な損失を回避できます。
FXの自動売買の勝率は?
自動売買の種類によって勝率や利益率はさまざまです。その自動売買が相場に合っているか合っていないかによっても勝率は大きく変化します。
また、勝率が極めて高い自動売買のプログラムは1回の損失で取り返しのつかない損失を出すロジック(ナンピンマーチン系)だったりするので、勝率だけで判断するのは非常に危険です。
勝率にこだわるよりも、ある程度長期間運用して総合的に利益が出ているかどうかを重視するとよいでしょう。
おすすめの自動売買アプリはありますか?
FX会社の提供している自動売買は専用のスマホアプリがあれば利用できます。マネースクエアのスマホアプリ「トラリピFX」があれば、スマホ片手にトラリピを注文できます。
なおMT4を使った自動売買はスマホアプリに対応していません。

少額でFXの自動売買を始められる?
はい。松井証券のMATSUI FXでは100円から自動売買を始められます。通貨単位は1通貨から取引できるため、非常に小さいリスクで実際の売買を体験できます。
FXの自動売買って危険じゃない?
FXの自動売買は運用方法を間違えなければリスクを抑えて自動でFX取引ができる便利な取引方法です。毎年利益を出している人たちも多数存在します。
ただし近年は、高勝率や高利益率を謳って高額な自動売買ツールを販売する詐欺案件が発生しているため、十分な注意が必要です。
【まとめ】FX自動売買は初心者や多忙な人におすすめ!
この記事のポイント
- FXの自動売買はプログラム型、リピート型、トレーダー型の3種類に大別できる
- FX会社の自動売買なら「トライオート」「みんなのシストレ」「MATSUI FX」がおすすめ
- MT4のEAによる自動売買なら「楽天MT4」がおすすめ
- FXの自動売買では定期的にパフォーマンスをチェックしてデータを取ること
- FXの自動売買ではメジャーな通貨ペアで運用するのがおすすめ
FXの自動売買は初心者や仕事で忙しい人にはおすすめのFX取引方法です。
さまざまな種類の自動売買があるので、一つずつ吟味してみましょう。