
この記事のポイント
- ビットコインFXとは、仮想通貨の証拠金取引
- レバレッジ取引ができるので現物より安く売買できる
- ビットコインFXは下落相場でも利益が狙える
- ビットコインFXは金融庁で認可された取引所で行うべし
ビットコインをはじめとした仮想通貨のFXは、通常のFXと同じ証拠金取引です。現物を売買しない、レバレッジをかけたりロングやショートの取引をしたりする取引方法になります。
本記事では、ビットコインFXの特徴やメリット・デメリット、ビットコインFXで勝つためのコツなどを解説します。
※この記事は2024年9月時点の情報をもとに作成しています。
目次 ー Contents
ビットコインFXとは
ビットコインFXとは、従来の外国為替取引(FX)と同じ証拠金取引の仕組みを応用して、ビットコインなどの仮想通貨を取引する金融商品です。業者によっては仮想通貨FX、レバレッジ取引、
ビットコインFXでは、ビットコインを現物で所有するのではなく、その価格に対する差金決済を行います。
つまり、ビットコインの価格が上昇するか下降するかを予測し、その予測が当たれば利益を、外れれば損失を出すという仕組みです。
仮想通貨の現物取引をする場合、取引形式は通常、仮想通貨取引所が取引相手となる「販売所」と、ユーザー同士で取引する「取引所」の2つがありますが、仮想通貨FXの場合は、業者とユーザーが直接取引するかたちになります(国内のFX会社のFX取引はすべからくこの形式です)。
取引方法は口座資金(日本円や円換算された資産)から取引に必要な証拠金を預け入れてポジションを保有するのが基本。レバレッジをかけられるので、自己資金以上の資金力で取引でき、現物取引より資金効率が良い取引形態です。
ビットコインFXと通常のFXの違いとは
ビットコインFX(仮想通貨FX)と、通常のFXの違いを見てみましょう。
ビットコインFX | FX | |
---|---|---|
取引時間 | 365日24時間 | 土日祝日以外の24時間 |
取引対象 | ビットコインを始めとした仮想通貨 | 各国の法定通貨 |
ボラティリティ | 為替取引より大きい | ビットコインより小さい |
市場の成熟度 | ビットコインは2009年に誕生したばかり | 数十年以上前から存在している |
ビットコインFXと通常のFX取引の違いは、主に取引する対象(通貨)の違いといえるでしょう。
FX取引ではさまざまな法定通貨を取引するのに対し、ビットコインFXは仮想通貨が対象となります。
為替は基本的に、その国の経済状況や他国との経済状況の差などによって価格が変動しますが、ビットコインを含む仮想通貨は銘柄ごとにプロジェクトの発展や衰退が見られるため、株式投資のようにその銘柄のビジネスによって価格が変動する一面もあります。
また、市場参加者という点においてもFXは市場が成熟しているため取引しているユーザーは、世界中の企業、銀行、証券会社、機関投資家といったプロが多数参加しているのはもちろん、個人投資家の数についてもビットコインFXより多くいます。
しかし、近年のビットコインブームによって、若い人たちの中には仮想通貨で投資デビューしている人も少なくありません。
ビットコインFXのメリット
仮想通貨の現物取引と比べてわかるビットコインFXのメリットは以下の通りです。
- ビットコインの運用方法の幅が広がる
- 下落相場でも利益が狙える
- レバレッジ取引でハイリターンが狙える
ビットコインの運用方法の幅が広がる
ビットコインFXを始めることで、仮想通貨の運用方法の幅が広がります。
ビットコインの運用方法は、現物を保有して値上がりによる売却益が基本でしたが、FXであれば資金調達率と呼ばれる一種の手数料をもらえるときがあったり、ヘッジ目的のポジションを組めたりなど、さまざまな運用ができるより戦略の幅が広がります。
下落相場でも利益が狙える
ビットコインFXは現物取引と違い、下落相場でも利益が狙えます。
FXは現物取引と同じく買いから入る「買い注文(ロング)」と、売りから入る「売り注文(ショート)」の2つがあります。
現物取引では相場が下落局面の場合、なかなか買うのは難しいかもしれません。一方、ビットコインFXですと、さらに下落すると見越して売り注文を出し、安値になったら買い戻して利益を確定させる戦略も立てられます。
レバレッジ取引でハイリターンが狙える
証拠金取引の魅力はレバレッジがあることです。
レバレッジとは自分の証拠金以上の金額で取引ができる仕組みで、例えば証拠金が1万円しかない場合、現物取引であれば1万円分の取引が最大ですが、レバレッジが10倍のルールですと最大10万円分の取引ができるのです。
レバレッジの限度は取引所によって変わりますが、所持金1万円で10万円分の取引ができるとなると、レバレッジは資金効率を上げるための手段になります。
ちなみに、レバレッジ取引では一定の含み損が発生するとポジションが強制的に決済される「強制決済(ロスカット)」という仕組みがあります。
その決済価格はレバレッジを大きくするほどポジションを取った価格と近くなってしまうので、レバレッジ取引をする際は強制決済の線引きとなる「証拠金維持率」をつねに意識しましょう。
ビットコインFXのデメリット
ビットコインFXのデメリットは以下の3つです。
- 取引所によっては追証が発生する
- 仮想通貨を保有することはできない
- 現物取引より損失が発生する可能性が高い
取引所によっては追証が発生する
ビットコインFXの取引を行う際、取引所によっては追証(マージンコール)のリスクが発生します。
追証とは?
保有しているポジションが不利な方向に大きく動いた場合に、口座の証拠金が不足していると判断され、追加の資金を入金するよう求められるルールのこと。
追証が発生すると入金している証拠金以上の損失が発生する可能性が高くなるのでデメリットに挙げましたが、そもそも追証が発生するようなトレードをしていること自体がデメリットの直接的な要因です。
何度も追証が発生するような状況になっている時点で、おそらくそのトレード戦略は失敗です。高い勉強代にならないよう、トレード分析の精度を高めましょう。
仮想通貨を保有することはできない
ビットコインFX(仮想通貨FX、レバレッジ取引)は数字上のやり取りに過ぎず、実際に仮想通貨を保有しているわけではありません。実際に保有したい場合は、現物を購入する必要があります。
ビットコインFXでも長期でポジションを持つことはできますが、ポジションを持つ期間が長ければ長いほど、資金調達率という手数料が課される可能性があり、その分をもったいないと感じる人がいるかもしれません。
そのため、トレードで短期的にお金を増やしたいのか、現物保有で分散投資をしたいのかなど、目的によってどの取引方法が適切かを考える必要があるでしょう。
現物取引より損失が発生する可能性が高い
ビットコインFXでレバレッジ取引をすると、現物取引より損失が発生する可能性があります。
相場が逆方向に動くという点においては、現物取引もFXも同じく含み損が発生しますが、FXの場合は強制決済という仕組みがあるので、一定の水準を超えてしまうと損失が確定してしまいます。
例えば以下のポジションを持ったとします。
- 取引通貨:BTC/USDT
- 注文価格:7万米ドル
- 注文数量:0.1BTC
- レバレッジ:2倍
上記の注文は、0.1BTC注文するので現物取引の場合7万米ドルが必要になります。
しかし、レバレッジ2倍に対応しているサービスでは、証拠金として必要な資金は半分で済みます。(手数料は考えないものとする)
実際に上記のポジションを持った場合、現物取引はいくら価格が下落して含み損が生じても、売却しなければ損失にはならず、今後価格が上昇すれば含み損はなくなります。
しかし、ビットコインFXはレバレッジをかけているので強制決済のルールがあることから、価格が一定の水準に達すると強制的に決済され預け入れた分の証拠金を失うことになります。
つまり、現物取引では相場の反転を自由に待てますが、レバレッジをかけるとそれができなくなるということです。
とはいえ、現物取引でも購入した仮想通貨を損切りできずに塩漬けになってしまうパターンもあり得ます。いずれにせよ、たった一度の取引で資金のほとんどを失ってしまうような取引はしないことです。
ビットコインFXで勝つために見るべき指標【2選】
ビットコインFXで勝つためには分析が必要不可欠です。経済状況やチャートなどさまざまな指標がありますが、今回は次の2つを紹介します。
- Open Interest(未決済建玉)
- FundingRate(資金調達率)
Open Interest(未決済建玉)
Open Interest(OI)は日本語で未決済建玉と呼ばれ、意味は「まだ決済されていないポジション」です。
つまり、あなたがロングのポジションを新規で持った場合、OIの増加(未決済)につながり、ポジションを利食い/損切りして閉じた場合、OIの減少(決済済)につながります。
OIが重要な理由は、OIが増加傾向にある場合は新規でポジションを構築しているトレーダーが多いと考えられ、価格などと組み合わせてみることでロングが増えているのか、ショートが増えているのかなど、他のトレーダーがどのようなポジションを持っているのか分析できるからです。
OIの理解は相場のトレンドを理解するカギとなるため、トレードする際はリアルタイムで確認しておきましょう。取引所のツールやCoinglassなどで確認できます。
FundingRate(資金調達率)
FundingRate(FR)は日本語で資金調達率と呼ばれ、無期限先物取引でポジションを持ったときに支払い/受け取りします。
FRの厳密な仕組みは割愛しますが、FRはプラスになっているかマイナスになっているかで、支払うときと受け取るときがあり、主に以下のように分けられます。
ロングポジ保有者 | ショートポジ保有者 | |
---|---|---|
プラスの場合 | 支払う | 受け取る |
マイナスの場合 | 受け取る | 支払う |
例えばFRがプラスの場合、ロングポジションを保有していると支払い、ショートポジションを保有していると、ロング側が支払ったFRを受け取れます。
FRは市場におけるロングとショートのバランスを維持するために設計されています。
ロングのトレーダーが支払うFRはショートのトレーダーに支払われるため、市場が一方向に偏りすぎるのを防げるのです。
この仕組みにより、過度な投機を抑制し市場の安定性を保ちます。FRの数値は偏っていればいるほど高くなります。
FRをトレードに活かす方法としては、先ほどの例だとFRが大きくプラスに振れている場合、ロングがかなり偏っていると判断でき、市場が楽観的になっている可能性があることを確認できます。
ビットコインFXの始め方、おすすめ取引所【2選】
ビットコインFXの始め方は以下の通りです。
- 仮想通貨取引所で口座開設をする
- 証拠金を入金する
- 売買する銘柄や取引量を決める
仮想通貨取引所の口座開設をする際は、FX(レバレッジ取引)を提供している取引所を選ばないといけないので、注意しましょう。
ここでは、レバレッジ取引が可能な仮想通貨取引所を2つ紹介します。
SBI VCトレード

取引手数料 | 無料 |
最小購入金額 | 1円(時価に連動) |
取扱銘柄数 | 24種類 |
最大レバレッジ(個人) | 2倍 |
強制決済(ロスカット) | 証拠金維持率80%以下 |
追証 | あり |
SBI VCトレードのおすすめポイント
- 仮想通貨を証拠金にできる
- 現物取引よりスプレッドが狭い
SBI VCトレードは、仮想通貨を担保にしてレバレッジ取引が行えます。日本円を入金しなくても保有している仮想通貨を証拠金として扱えるため、資金効率が高いという特徴があります。
また、現物取引より狭いスプレッドを提供していたり、SBIグループで培われたセキュリティ体制を生かしてセキュリティ体制が充実していたりなど、取引以外にも魅力的なポイントが多いです。
GMOコイン

取引手数料 | 無料 |
最小購入金額 | 5円~ |
取扱銘柄数 | 24種類 |
最大レバレッジ(個人) | 2倍 |
強制決済(ロスカット) | 証拠金維持率75%を下回る |
追証 | あり |
GMOコインのおすすめポイント
- 手数料が各種無料
- 8種類の銘柄でレバレッジ取引ができる
GMOコインの「仮想通貨FX」は手数料が各種無料となっており、コストを抑えて取引したい方におすすめできる取引所といえるでしょう。
仮想通貨FXでは8銘柄が取引でき、BTCやETH、LTC、BCHなど、主要銘柄が取引できます。
セキュリティについても、証券、FX会社をもつ東証上場企業の「GMOインターネットグループ」が運営している信頼性があり、安心して取引できます。
ビットコインFXの注意点
ビットコインFXの注意点は以下の2つです。
ビットコインFXで海外取引所を利用するリスク
ビットコインFX(レバレッジ取引)は海外取引所でも行えますが、海外取引所は以下のようなリスクがあります。
- 取引所が破綻すると自己資金を失う可能性がある
- 取引所がハッキングされると自己資金を失う可能性がある
- 詐欺目的で作られた取引所が多い
国内取引所であれば、金融庁から認可を受けておりライセンスを獲得しているため、ハッキングや破綻時に資金を失う可能性は低いと考えられます。
しかし、海外取引所は金融庁の認可外で行われているのですべてが自己責任です。
実際、2022年に世界トップクラスの人気取引所FTXが破綻し、資金が戻ってこない日本人ユーザーもいました。
大切な資金をつまらないことで失わないよう、取引所は慎重に選んでください。
ビットコインFXの少額取引では資産が増えない
ビットコインFX以外にも言えることですが、レバレッジ取引で儲けるには、ある程度の資金力が必要なことも理解しておきましょう。
例えば自己資金1,000円でポジションを取った場合、1回の取引で10%の利益を獲得しても100円にしかなりません。
しかし、100万円のポジションであれば10万円になります。
もちろんレバレッジによって自己資金を高めることは可能ですが、ハイレバレッジは先述した通りおすすめしません。(その点仮想通貨取引所のレバレッジは2倍が多く安心できます)
少額から大きく増やしたいのであれば、FXやバイナリーオプションなど、他の取引も選択肢として考えておくとよいでしょう。
ビットコインを増やしたいのであれば、FXではなく積立投資でコツコツ購入していくのもおすすめです。
【まとめ】ビットコインFX
この記事のポイント
- ビットコインFXとは、仮想通貨の証拠金取引
- レバレッジ取引ができるので現物より安く売買できる
- ビットコインFXは下落相場でも利益が狙える
- ビットコインFXは金融庁で認可された取引所で行うべし
ビットコインFXは、積立投資などと比べると難易度は高いですが、幅広い運用ができたり下落相場で稼げたりなど、利益を獲得するための手段を増やせます。
少額から取引ができるので、興味がある方はまずは少額からはじめて仮想通貨の値動きに慣れていくとよいでしょう。