
この記事のポイント
- アメリカの投資信託のおすすめは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」
- アメリカの投資信託の特徴は、将来性の高い国へ投資できること
- 投資信託は、純資産総額が大きい投資信託を選ぶ
- アメリカの投資信託は2024年に下落が予測されている
アメリカの投資信託にはS&P500指数に連動した投資信託や、アメリカ以外の国にも投資できる投資信託などがありますが、興味はあるもののどれに投資すればよいのかわからない方が多いでしょう。
本記事では、アメリカに投資できるおすすめ投資信託や選び方を紹介し、銘柄選びで失敗しない知識を解説します。
アメリカの投資信託の今後の見通しもあわせて解説するため、今後アメリカの株価にあわせて投資信託を選ぶこともできるでしょう。
※この記事は2024年3月時点の情報をもとに作成しています。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
目次 ー Contents
アメリカ(米国株)おすすめ投資信託4選
アメリカのおすすめ投資信託は以下の4つです。
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)【S&P500指数に連動】
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス【NASDAQ100に連動】
- iFreeNYダウ・インデックス【NYダウに連動】
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンド【米国株式市場全体に連動】
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)【S&P500指数に連動】
1年トータルリターン | 55.63% |
信託報酬 | 0.10% |
つみたて投資枠 | 対応 |
投資範囲 | S&P500 |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国株の投資信託で最も人気を集めている銘柄です。三菱UFJアセットマネジメント社が運営しています。
アメリカの優良企業500社を集めた指数「S&P500」へ連動している投資信託は多くありますが、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は信託報酬が最安です。
信託報酬は定期的に安くなり続けているため、S&P500指数に連動している投資信託を選ぶのであれば、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が最有力候補となるでしょう。
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス【NASDAQ100に連動】
1年トータルリターン | 67.33% |
信託報酬 | 0.45% |
つみたて投資枠 | 対応 |
投資範囲 | NASDAQ100 |
iFreeNEXT NASDAQ100インデックスは、NASDAQ100指数に連動している投資信託です。
NASDAQ100は、アメリカの新興国企業の中でも時価総額が大きい100社に投資できる指数で、米国株の中でもハイリスク・ハイリターンが狙いやすい特徴があります。
実際、1年トータルリターンを見てもわかるように、本記事で紹介している投資信託の中では最も高いリターンを記録しています。
iFreeNYダウ・インデックス【NYダウに連動】
1年トータルリターン | 44.28% |
信託報酬 | 0.23% |
つみたて投資枠 | 対応 |
投資範囲 | NYダウ |
iFreeNYダウ・インデックスは、NYダウ指数(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)に連動した投資信託です。
NYダウは米国株の中でも優良企業を30社を算出した指数となっており、1年トータルリターンはS&P500とそれほど差がありません。
NYダウの方がS&P500よりも銘柄数が少ないですが、構成銘柄は似た銘柄が多く含まれているため、どちらか1つを選択しておくのがよいでしょう。
NYダウの構成銘柄は、アメリカに本社を構えていたり、売上の大部分をアメリカで占めていたりする必要があるので、他の国のリスクを受けたくない方はNYダウに連動しているiFreeNYダウ・インデックスの方が向いています。
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド【米国株式市場全体に連動】
1年トータルリターン | 50.66% |
信託報酬 | 0.06% |
つみたて投資枠 | 対応 |
投資範囲 | 米国株式市場全体 |
SBI・V・全米株式インデックス・ファンドは、バンガード社が運営しているETF「VTI」を通じて、CRSPUSトータル・マーケット・インデックスに連動している投資信託です。
CRSP USトータル・マーケット・インデックスは、大型株から小型株まで、米国株式市場全体を投資対象としているので、米国株式市場全体に投資できるようになっています。
信託報酬が米国株の投資信託の中でも安くなっているため、コスト重視の投資をしたい方にはおすすめです。
アメリカの投資信託とは?特徴を解説!
【ワンポイント】投資信託とは
多くの人たちから集めた資金をひとまとめにして、運用のプロが株式や債券などに分散投資して、その運用益を投資家たちに配分することを目的とした金融商品です。
アメリカの投資信託の投資先は、おもに米国株やアメリカの株価指数など。米国の代表的な株価指数に連動する投資成果を目指して運用しているものが多いです。
アメリカの投資信託にはおもに次の3つの特徴があります。
- 将来性が高い市場に投資できる
- 為替の影響を受ける
- 積立NISAやiDeCoに対応している投資信託が多い
将来性が高い市場に投資できる
アメリカは世界最大規模のGDPを誇り、先進国の中で最も経済が発展している国です。
中国や新興国などの台頭から、徐々にアメリカ一強の時代ではなくなっているものの、依然として経済成長を続けており、世界経済はアメリカを中心に動いていることには変わりありません。
日本のように、先進国の中でも徐々に経済成長率が低下している構造にもなっていないので今後の将来性にも期待できるでしょう。
為替の影響を受ける
アメリカは基軸通貨がドルになっているので、日本で取引をすると為替の影響を受けます。
為替の影響を受けると、投資信託の価格変動以外にも損益が変動する要因が増えるため注意が必要です。
米国株を購入する際はドルで購入しなければならないため、ドルを保有していない場合は円をドルへ両替します。購入した米国株を売却するときも、ドルを日本円へ両替しなくてはいけません。
つまり、米国株の購入価格と売却価格が同じでも、米ドル/円の為替レートの変動によって損益が発生する可能性があるのです。
投資信託においても為替の影響は受けてしまうので、今後の米ドル/円の為替見通しもある程度は考慮して投資するのがよいでしょう。
また、詳しくは後述していますが、為替レートの影響を発生させない取引方法として為替ヘッジがあります。為替の大きな変動が怖い方は利用するのも一つの手です。
つみたて投資枠やiDeCoに対応している投資信託が多い
アメリカの投資信託は投資家から人気を集めているものが多いので、つみたて投資枠やiDeCoに対応している銘柄が多いです。
つみたて投資枠やiDeCoは税率の観点からお得に投資できるメリットがあるため、SBI・V・全米株式インデックス・ファンドやeMAXIS Slim米国株式(S&P500)など、できるだけ対応している投資信託を選ぶことで利益を最大化できます。
アメリカの投資信託の選び方
アメリカの投資信託は以下の3つに沿って選ぶのがおすすめです。
- コスト(信託報酬)が低い投資信託を選ぶ
- 純資産総額が大きい投資信託を選ぶ
- 為替ヘッジに対応している投資信託を選ぶ
コスト(信託報酬)が低い投資信託を選ぶ
投資信託を選ぶ際に、各社の運用コストを比較することは重要です。
運用コストには、主に信託報酬(運用管理費用)と売買手数料が含まれます。
信託報酬は基本的にインデックスファンドは安く設定されており、アクティブファンドはファンドマネージャーが積極的に売買を行うため高く設定されています。
本記事で紹介している投資信託の信託報酬は以下の通りです。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.10% |
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | 0.45% |
iFreeNYダウ・インデックス | 0.23% |
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 0.06% |
eMAXISシリーズは定期的にコストを引き下げるアップデートを行っているので、コスト中心で選ぶのであればeMAXISシリーズがおすすめといえるでしょう。
純資産総額が大きい投資信託を選ぶ
純資産総額が大きい投資信託を選ぶことで、多くのメリットを得られます。
そもそも純資産総額とは、投資信託に投資されている総資産を指します。
これには、投資家から集められた資金とその運用によって生じた利益が含まれます。
純資産総額が大きい投資信託は運用コストを分散できるため、個々の投資家が負担するコストが相対的に低くなる可能性があります。
大規模な資産を持つファンドは取引コストを効率的に管理し、個人投資家はより良い条件で投資できるようになるでしょう。
また、純資産総額の大きさは、その投資信託が多くの投資家から支持されている証拠です。
つまり長期にわたって安定した運用を実施できているともいえるため、リスク管理の側面から見ても高く評価できます。
為替ヘッジに対応している投資信託を選ぶ
為替ヘッジとは、為替レートの変動によって生じる損益を受けないようにする取引方法です。
将来の為替レートをあらかじめ決めて投資することで、円高円安に左右されず投資信託の価格変動だけで損益が発生します。
ただ、為替ヘッジには、円と外貨の金利分のコストがかかるというデメリットがあります。
具体的には、金利の高い通貨を売り、金利の低い通貨を買う為替ヘッジを行うとコストがかかってしまうのです。
そして、円は他国と比較して金利が低いので、為替ヘッジによるコストがかかりやすくなります。
また、為替ヘッジは投資信託によって行っていない銘柄があり、本記事で紹介している銘柄はすべて為替ヘッジを行っていません。
アメリカの投資信託の今後の見通しは?
アメリカの投資信託の今後の見通しについて理解するには、以下2つの点を抑えておきましょう。
- 2024年は景気後退によって株価下落が予測されている
- アメリカ以外の投資信託も購入しておくのがおすすめ
2024年は景気後退によって株価下落が予測されている
2024年は、アメリカをはじめ世界的な景気後退が起きると予測されており、それに伴い株価も下落する可能性が高くなっています。
景気後退は、2023年にアメリカで行われていた高金利政策が主な要因となっています。高金利が長く続くと企業の借入コストが上がったり返済コストが上がったりするので、経済は耐えられなくなり、多くの企業業績が悪化する可能性があるのです。
ただ、長期的に米国株式の価格が上昇する前提で投資するならば、景気後退が起きたとしても株価下落によって安く購入できるため、長期投資をする方にとっては大きなデメリットにはならないでしょう。
アメリカ以外の投資信託も購入しておくのがおすすめ
世界では現在、脱米ドル化が進んでいるため、アメリカ以外の投資信託にもあわせて投資しておくという考え方もできます。
2023年時点ではドルを基軸通貨として世界経済が回っており、貿易や送金などでは基本的にドルが使われています。
しかし、ドルへの依存はアメリカの政策によってさまざまなデメリットを受けてしまう恐れが高くなるので、世界中でドルへの依存を減らす動きが強まっているのです。
この時流に乗るとするのであれば、アメリカ一辺倒ではなく、アメリカ以外の国にも目を向けてみるとよいでしょう。
アメリカの投資信託の購入におすすめの証券会社3選
アメリカの投資信託の購入におすすめの証券会社は以下の3つです。
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
SBI証券

口座開設費 | 無料 |
口座維持費 | 無料 |
取引手数料 | 無料(ゼロ革命) |
新NISA | あり |
iDeCo | あり |
投資信託 | 約2,600本 |
外国株 | 米国株アジア株中国株 など |
スマホアプリ | あり |
SBI証券は外国株式も幅広く投資でき、株式以外にも商品や債券などさまざまな銘柄に投資できる王道の証券会社。
日本株の個人取引では、国内シェア率No.1※の実績があります。
取引手数料は国内株式の現物・信用取引をはじめ無料になる商品が多く、投資信託であれば100円から投資できます。
口座開設時にNISAやiDeCoなどの口座も同時に開設できるので、メイン口座に持っておくとよいでしょう。
※2023年3月期上半期(2022年4月〜2022年9月)の委託個人売買代金シェアです。
楽天証券

口座開設費 | 無料 |
口座維持費 | 無料 |
取引手数料 | 無料(ゼロコース) |
新NISA | あり |
iDeCo | あり |
投資信託 | 約2,500本 |
外国株 | 米国株アジア株 など |
スマホアプリ | あり |
楽天証券は楽天ポイントで投資が行える証券会社です。ポイント投資であれば資金を減らさずに投資できるため、投資であまりリスクを負いたくない方におすすめ。
また、楽天カード決済で株式を購入するだけでもポイントが付与されるので、楽天経済圏を最大限に活かせます。
楽天証券では、投資信託探しをする際に「かんたんモード」と呼ばれる機能を活用できます。「かんたんモード」では目的に沿ってどのような資産形成を行えばよいかサポートしてくれるので、初心者の方が銘柄選定で悩まないようになっています。
マネックス証券

口座開設費 | 無料 |
口座維持費 | 無料 |
取引手数料 | 10万:99円 |
新NISA | あり |
iDeCo | あり |
投資信託 | 1,300本以上 |
外国株 | 米国株中国株 |
スマホアプリ | あり |
マネックス証券は、通常の株式取引はもちろん、FXや暗号資産CFDなど、中級者以上の方向けの商品も揃えている取引方法が豊富な証券会社です。
外国株銘柄は約6,000銘柄以上取り扱っているので、外国個別株取引を検討している方にピッタリです。
アメリカの投資信託についてよくある質問
アメリカの投資信託についてよくある質問を集めました。
アメリカの投資信託とETFの違いは?
投資信託とETFの違いは以下の通りです。
- 投資信託:上場していない投資信託
- ETF:上場投資信託
どちらも投資信託になっていますが、上場しているかしていないかの違いがあります。
上場しているETFは証券会社のみで取り扱われていますが、投資信託の場合は証券会社以外に郵便局や銀行などでも取り扱いがあります。
ETFは投資信託とは違い、価格が株式市場とリアルタイムで連動しているためテクニカル的な売買を行うことが可能です。
そしてETFの方が運用コストが低い傾向にあるので、手間はかかりますがコストを最小化したい方にはETFがおすすめです。
アメリカの投資信託が下落した際の対処法は?
アメリカの投資信託が下落した際は、どのような目的で投資しているかにもよりますが長期投資の場合は静観か買い増しがおすすめです。
長期投資においては短期的な下落に左右される必要がなく、長期的なリターンを目的としてるため、自分が売却したい時期になるまではわざわざアクションを起こす必要はありません。
資金に余裕がある方は安くなっているタイミングを利用して買い増しするのもよいでしょう。
アメリカの投資信託はポートフォリオの何割占めてよい?
アメリカの投資信託は、最大でもポートフォリオの40%程度に収めておくのがおすすめといわれています。
いくらアメリカが将来性の高い国だとしても、ポートフォリオの半分以上を占めてしまうと資産の増減が激しくなり、万が一手元資金がなくなったときのリスクが高くなってしまいます。
投資の基本は分散投資のため、さまざまな資産を組み合わせて下落に強いポートフォリオを作りましょう。
アメリカの投資信託-まとめ
この記事のポイント
- アメリカの投資信託のおすすめは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」
- アメリカの投資信託の特徴は、将来性の高い国へ投資できること
- 投資信託は、純資産総額が大きい投資信託を選ぶ
- アメリカの投資信託は2024年に下落が予測されている
アメリカの投資信託は、さまざまな指数に連動しているものがあります。
高リスクを取ってもハイリターンを追求したいのか、低リスクで安定したリターンを追求したいのか、個人の運用方針に沿ってどの投資信託に投資するか決めていきましょう。