
株式の理論価格を知る
株式の理論価格は、簡単に言うと、「(将来の)企業収益(EPS : Earing Per Share)✕ 株価収益率(PER: price-earnings ratio)」となります。教科書には、理論EPSの計算方法だとか、純資産倍率(PBR:Price booking Ratio)から割り出す方法とかが書いてありますが、初心者には、難しくて読めば余計に分からなくなることもあります。
初心者投資家であれば、単純に割り切って、「年間収益(EPS)✕(市場の期待値)PER」と考えたほうがいいでしょう。債券投資の場合、10年が一般的な投資期間です。株価についても同様に10年と考えると、PERは10倍になるわけですが、企業収益の成長分を勘案して、多くの株式はPERが10倍以上で取引されています。日本株では、15~17倍、米国株では、18~21倍で取引されています。
「年間収益(EPS)✕(市場の期待値)PER」
これを言い換えれば、
「現在の収益力 ✕(成長性への期待+人気度)」
ということができます。
株価が上昇する株というのは、収益力が伸びてくると予想される銘柄でいろんな人が推奨もしくは保有したいと考えるかということです。
簡単な方法は、世の中で話題に上っているテーマに便乗することです。今でいえば、AIに当たるでしょうか?これは、新聞や投資情報誌でよく取り上げられている投資テーマになります。
ただし、投資テーマというものは常に世の中とともに変わるため、出口戦略が大切です。見極め方の一つですが、あまり株式投資をしていない人までが、その話題を口にした時とされています。1920年代末のブラックマンデーが起こる直前に、靴磨きの少年までもが株式相場の話をしていて、危険を感じて株式を売却して大成功したというのは、有名な逸話です。
テクニカル分析で割高になっている際に売却するというのも一つの方法です。
その株はいつ買うのか?売買タイミングを探る
有望な株銘柄を探し当てたら次は売買のタイミングを考えてみましょう。その株式の人気度を測るうえで、ボリンジャーバンド分析は参考にしていいテクニカル分析です。個人的には、200日の移動平均株価からの偏差倍率を使ったボリンジャーバンド分析はとても役に立つテクニカル分析のひとつとしてよく利用しています。特に、長期的なトレンドを見るときによく使っています。
参考までに、今最も勢いのあるエヌヴィディア(NVDA)を見てみましょう。5年間のチャート見たいので、移動平均は40週(200日)を使っています。偏差は3σ(シグマ)をとっています。
こうしてみると、3シグマ内に収まっています。

同じように、S&P500株価指数についても見てみましょう。

分析の基礎とする移動平均は200日(40週)を使っています。200日(取引日)というのは、約1年弱です。200日というのは、アメリカのテクニカル分析でよく使われる日柄です。
本当はボリンジャーバンドの下限で買うのが良いですが、バンドの幅が広くなり(変動率が大きくなり)、移動平均を超えたところで買うのでも間に合います。
何度も言いますが、売り場は大切です。ボリンジャーバンドの上限に達した時には、売りを考えてみましょう。