
この記事のポイント
- エヌビディアは世界有数の半導体メーカーで、成長性が見込まれている
- エヌビディアの株価は急騰しているが、過剰評価の可能性も存在する
- 多くのアナリストが強気だがが、米国の規制等のリスク要因も検討するべき
- 成長性、アナリストの見解、および市場リスクを考慮した上で慎重な判断を
「エヌビディアの株価が急騰しているのはなぜ?」
「投資するべきタイミングはいつか?」
現在株価が急騰しているエヌビディア(NVIDIA)について、こんな疑問を抱く方も多いかと思います。
エヌビディアは、AIおよびGPUの先駆者であり、その技術は世界の多くの産業で利用されています。
この記事では、エヌビディアの基本情報、リアルタイムの株価、そして今後の株価予想について詳しく解説します。
記事を読むことで、エヌビディアのビジネスの強さを理解し、現在の株価や将来の見通しを把握することができます。それは自身の投資判断をより確信できるようになる、大きなメリットとなるでしょう。
※この記事は2024年2月時点の情報をもとに作成しています。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
目次 ー Contents
何がすごい?エヌビディア(NVIDIA)の基本情報
ハイテク業界で圧倒的な存在感を放つエヌビディア。世界的半導体メーカーとして、ビジネスやテクノロジーに精通した方々にはその名を知らぬ者はいないでしょう。
このセクションでは、エヌビディアがなぜ世界から熱視線を浴びているのか、その理由を探ります。
米国半導体メーカーの代表的企業のひとつ
<エヌビディアと主要テックの出来高比較>

エヌビディアは、半導体業界における重鎮ともいえる存在。米国を代表するパワーハウスであり、驚異的な技術力と市場影響力で業界の標準を築いてきました。業界を牽引する重要な役割を担っており、その一挙手一投足は世界が注視するほどです。
同社の強みの一つは、その革新的な技術開発能力。
ビジュアルコンピューティング技術におけるリーダーシップは、PC向けグラフィックプロセッサ「GeForce」やワークステーション向け「Quadro」、高性能コンピューティング向け「Tesla」など、幅広い製品ラインナップに見ることができます。
これらの製品が各分野で優れたパフォーマンスを発揮し、他社を寄せ付けない独自の地位を築いています。
エヌビディアが半導体業界に与える影響は計り知れません。技術開発のスピード、製品の革新性、市場へのインパクト、すべてが業界の動向を左右するほどの力を持っています。
エヌビディアの動向を追うことは、半導体業界の未来を見つめることと同義といえるでしょう。
世界に9社のみの時価総額1兆ドル超企業のひとつ
2023年5月30日、エヌビディアは時価総額1兆ドルを突破し、世界に9社しか存在しない1兆ドル企業へと躍進しました。これは、エヌビディアが持続的な成長を遂げ、高い価値を市場に認められた結果といえるでしょう。
1兆ドルという巨大な市時価総額を持つ企業は、グローバル経済における巨大な影響力を有しています。個々のビジネス戦略だけでなく、世界経済全体の動向にも大きな影響を及ぼす存在といえます。
エヌビディアが1兆ドル超え企業となったことは、その技術力と事業モデルの強さを改めて証明したことになります。
加えて、エヌビディアの事業領域は、AIやディープラーニングといった先端技術分野に広がり、その技術力とイノベーションのスピードが評価されていることも、時価総額の上昇に寄与しています。
専門家の予想を大幅に超えて売上高予想を50%上方修正した
エヌビディアの2023年第一四半期の売上高は専門家の予想を大きく超えるものでした。その結果、売上高予想が一気に50%上方修正され、当時世界中で大きく報じられています。
市場予想を大きく上回る成績は、エヌビディアの経営戦略の正確さと事業成長の力強さを証明しています。
半導体技術の進歩に伴い、エヌビディアの製品はデータセンター、ゲーム、自動車、AIなど、多岐にわたる分野で必要とされており、その需要は増加傾向にあります。
さらに、新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークやオンライン教育が普及し、家庭での高性能デバイス需要が高まる中、エヌビディアの製品はその利便性と高性能で評価されつつあります。
ここまで確固たる地位を確立すると、このエヌビディアの牙城を崩すのは困難といえるかもしれません。
中国との”半導体戦争”は長期化の様相を呈していますが、それでも多くの専門家が今後もエヌビディアは成長株だと評しています。
機械学習部門のGPU占有率が驚異の95%を達成
エヌビディアの驚異的な躍進とともに特筆すべきは、機械学習部門におけるGPU(Graphics Processing Unit)占有率の飛躍的な伸びです。
エヌビディアのGPU部門の市場占有率は、実に95%ともいわれています。つまり、機械学習領域におけるエヌビディアの支配力は揺るぎないものとなっているといえるでしょう。
AI(人工知能)技術の進展に伴い、機械学習のための大量の計算処理が必要となり、その処理能力を大幅に向上させる役割を果たすのがGPUです。
この領域でエヌビディアが強大な存在感を示しているのは、同社のGPUがその性能の高さと効率性から多くの研究者や企業に選ばれているから。
エヌビディアが提供するAIソフトウェアライブラリ「CUDA」もまた、開発者によるAIアプリケーションの高速化を可能にし、その優位性を強固にしています。
エヌビディアの今後の株価を占ううえで、GPUの動向には目を光らせておきましょう。
ChatGPTの発表後に生成AIブームを牽引する企業として注目
ChatGPTの発表以降、生成AIブームを牽引する企業としてエヌビディアは大きな注目を浴びています。
ChatGPTは、OpenAIによって開発された人工知能で、エヌビディアのGPUを使用して訓練されています。その優れた性能が示す通り、生成AIにとってエヌビディアの技術は欠かせない存在となっています。
さらに、エヌビディア自身もAI生成分野におけるリーダーシップを発揮し、自社開発のAIモデルやフレームワークを開発し続けています。
AI分野の進化に対応した製品とサービスの提供により、エヌビディアは継続的な市場成長の機会を掴みつつあります。
今後は、AI関連のニュースもエヌビディアの株価に大きく影響してくるでしょう。
急落の兆候は?リアルタイムのエヌビディアの株価
ここまで、エヌビディアの驚異的な成長とその背後にある事業展開について解説してきましたが、投資の世界には常にリスクが存在します。特に、株価の急落は大きな損失を招きかねません。
このセクションでは、現在のエヌビディアの株価動向について詳しく見ていきましょう。具体的な株価データ、成長率、収益率等を通じて、エヌビディアの投資価値や将来的な成長性を評価することで、投資のリスクとチャンスをバランスよく把握することが可能です。
2024年2月の株価動向

始値 | 639.74 |
安値 – 高値 レンジ(日) | 636.90-666.00 |
出来高 | 47,657,765 |
前日終値 | 630.27 |
52週レンジ | 204.21-666.00 |
1年トータルリターン | 213.70% |
年初来リターン | 33.60% |
株価収益率(PER) (TTM) | 84.76 |
12ヶ月1株当り利益 (EPS) (USD) (TTM) | 7.81 |
時価総額 (兆 USD) | 1.634 |
発行済株式数 (十億) | 2.470 |
株価売上高倍率(PSR) (TTM) | 36.41 |
直近配当利回り(税込) | 0.02% |
エヌビディアの直近の株式データを見てみると、どの項目も非常に好調であることがわかります。
唯一、配当利回りが低いことが懸念点ですが、エヌビディアは現在成長企業なので利益は再投資に使っています。
そのため、総じて2024年2月時点ではエヌビディアは非常に堅調な成長を続けている企業であるといえます。
以下では、その中でも特筆すべき3項目について詳しく説明します。
1年トータルリターンは213%と高水準
<ヴァンエック半導体ETF(SMH)の構成銘柄上位5社>
銘柄名 | 1年トータルリターン | 年初来リターン |
---|---|---|
NVIDIA (NVDA) | 213.70% | 33.60% |
Broadcom (AVGO) | 109.58% | 9.68% |
Lam Research (LRCX) | 60.39% | 7.08% |
Intel (INTC) | 43.84% | -15.22% |
Texas Instruments (TXN) | -9.86% | -6.61% |
エヌビディア(NVIDIA)の2024年2月時点でのリターンは、1年トータルリターンが213.70%、年初来リターンが33.60%と、他の半導体関連株に比べて非常に高いパフォーマンスを示しています。
その一方で、エヌビディアが直面しているリスク要因としては、半導体製造に必要な材料の供給不足や価格上昇、技術革新のスピードが早い半導体業界での競争激化などが挙げられます。
特に現在は世界的な半導体不足が続いており、この状況はエヌビディアの業績に影響を与える可能性があります。
また、エヌビディアの株価はアナリストの成長予測を大きく反映しており、業績が市場の期待を下回った場合には株価が大きく下落するリスクも存在します。
このような観点から見て、エヌビディア株のリターンは一部のリスクを伴いますが、その確固たる地位と技術力を考慮すると、同社の成長の見込みは依然として高いといえます。
直近1年の成長率は213%と超高水準
銘柄名 | 成長率 (%) |
---|---|
Nvidia (NVDA) | 213.55 |
Broadcom (AVGO) | 104.87 |
Lam Research (LRCX) | 58.47 |
Intel (INTC) | 40.50 |
Texas Instruments (TXN) | -12.67 |
エヌビディア(Nvidia)の直近1年間の成長率は、同業他社を大きく引き離す驚異的な213%を記録しています。この数値は、エヌビディアが卓越した技術力と革新的な製品戦略により、急速に拡大するAIやディープラーニング市場において圧倒的な地位を確立していることを示しています。
AI(人工知能)やディープラーニングの分野では、GPU(グラフィックスプロセッシングユニット)の需要が高まっており、エヌビディアはこの市場ニーズを見越して高性能なGPUを提供しています。そのため、IT技術の発展とともに需要が増大するこの分野において、エヌビディアは競合他社をリードしています。
また、エヌビディアは積極的なR&D投資により、技術革新を常に推進しています。新製品の開発、既存製品の改良により、エヌビディアは市場から信頼を得ており、これが肥大化する成長率を支えています。
しかし、高い成長率は投資リスクを伴うものでもあります。市場環境の変動、競争の激化により影響を受けやすく、また、一時的な過熱感からの調整も考えられます。
株価収益率(PER)は215.1と驚異的だが過剰評価の可能性あり
銘柄名 | 株価収益率 (PER) |
---|---|
Nvidia (NVDA) | 84.76 |
Broadcom (AVGO) | 36.20 |
Lam Research (LRCX) | 30.80 |
Intel (INTC) | 352.44 |
Texas Instruments (TXN) | 22.78 |
エヌビディアの株価収益率(PER)は84.76(2024年2月時点)という数値を示しており、他の競合企業と比較すると明らかに高い水準にあります。
PERは企業の収益力と市場からの評価を示す指標であり、高いPERは市場からの期待値が高いことを示します。しかし、あまりにも高いPERはその企業の株式が過剰評価されている可能性を示唆しています。
したがって、エヌビディアの高いPERはその卓越したビジネスパフォーマンスと将来への高い期待を反映していますが、同時に過剰評価のリスクを孕んでいるとも解釈できます。
この点には投資家として注意が必要です。市場の変動や業界の動向、そしてエヌビディア自身の業績予測などを総合的に考慮しながら、適切な投資判断を行うべきです。
今後の動向は?エヌビディアの株価予想
このセクションでは、エヌビディアの株価の動向について考察します。
米国のアナリストの見解、人工知能(AI)の進化におけるエヌビディアの位置、半導体規制の影響、CPU事業の動きといった要素をもとに予測を立てます。
投資初心者でも理解しやすいよう、各要素を丁寧に解説しているので株価予測の参考としてお役立てください。
アナリストの大半は「強気買い」の姿勢
2024年2月時点では、全体の約70%にも上る36人のアナリストが強気買い、さらに12人が買いのポジションとなっています。中立的な見解を示すアナリストはわずか4人で、売りを推奨するアナリストはいません。
しかしながら、エヌビディアの業績を詳しく見てみると、短期的な業績と株価の評価には乖離が見られます。
過去2年間の売上高は確かに右肩上がりで、その増収率も+57.18%と非常に高い水準にあります。しかし、前期の営業利益は減益に転じており、その減益率は-6.79%となっています。
つまり、売上高は増加している一方で、収益性については減少傾向にあるのです。資本効率を示すROEも低下傾向にあります。
さらに、PSR(株価売上高倍率)をはじめとしたバリュエーション指標から見ても、エヌビディア株は「割高」と判断されています。
とはいえ、この評価が必ずしも株価の下落を示すわけではありません。投資判断にあたっては、エヌビディアの具体的な事業動向や外部環境を深く掘り下げて考察することが求められます。
総じて、アナリストたちの強気な姿勢と一部の財務指標が示す挑戦的な状況を照らし合わせると、投資家はエヌビディア株の短期的な動向と長期的なパフォーマンスの両面を考慮することが重要でしょう。
5つの主要産業のAIにとって欠かせない存在に
エヌビディアはそのGPU技術を活用し、様々な産業にAI技術を広め、それぞれの分野での革新を推進しています。
以下では、エヌビディアが最も影響力を持つと考えられる5つの主要産業を見ていきましょう。
自動車業界
エヌビディアは自動車業界において強力な存在感を放っています。その主要な要素は、DRIVEプラットフォームという独自のソリューションです。
このソリューションは、自動運転技術を開発するためのハードウェアとソフトウェアのツールセットで、先進的なAI技術を活用しています。
ボルボ、メルセデス・ベンツ、Hyundai、ジャガーといった大手自動車メーカーだけでなく、新興のスタートアップ企業であるNio、Xpeng、Lucid、Cruiseといった企業もエヌビディアと提携し、その技術を利用しています。
さらに、自動運転車の市場規模は急成長しており、2027年までには約800億ドルに達すると予測されています。
自動運転が一般化し、その必需品となると、エヌビディアの製品の需要は更に高まる可能性があります。
ヘルスケア業界
ヘルスケア業界におけるエヌビディアの貢献は、DNA情報を解析するためのAI技術と、それを支えるコンピューティングプラットフォーム、「Nvidia Clara」の開発です。
DNA情報は巨大なデータセットであり、その解析には膨大な計算力を必要とします。エヌビディアのAI技術と高性能GPUは、こうしたデータ処理に必要な計算能力を持っています。
この技術は、ゲノムマッピングや創薬といった分野での研究を加速し、新たな医療技術の開発を促進する可能性があります。
技術開発に進展があれば、ヘルスケア業界に大きなインパクトを与え、エヌビディアのビジネスにとっても重要な利益源となり得るので、ヘルスケア領域の動向にも目を光らせておきましょう。
サービス業界
AIの導入は、サービス業界におけるコスト削減や業務効率化の主要な手段となっています。
特にファストフード業界では、マクドナルドが完全自動化の実験店舗を開設したり、ウェンディーズがChatGPTを活用したスクリーンでドライブスルーの注文を取ったりするなど、AI技術の導入が進んでいます。
エヌビディアのAI技術やコンピューティングプラットフォームは、これらのサービス業界が自動化や効率化を達成するための重要な要素となっています。
AIが更に発展し、更に多くの業界がAIを活用するようになると、エヌビディアの株価にもプラスの影響を与えるでしょう。
生成AI業界
生成AIとは、新たな創造的作品や解答を生み出すことが可能なAI技術の一つで、例えば文章、音楽、イラストなどを生成することができます。生成AIは、広告、映画、音楽、ゲーム、教育など、さまざまな業界で用いられています。
エヌビディアは、この生成AI分野で大きな役割を果たしています。自社のGPU技術を活用し、大量のデータを高速に処理することで、より複雑で高品質な生成結果を得るのにエヌビディアのGPUは必要不可欠です。
特にエヌビディアのディープラーニングプラットフォームであるTensorRTや、AIモデルを訓練するためのプラットフォームであるRAPIDSなどは、AI開発者が生成AIをより効率的に開発できる環境を構築しています。
また、エヌビディアはAIアートを生成するGAN(Generative Adversarial Networks)の開発にも力を注いでいます。この技術はAIが独自のアートを生成することを可能にし、よりリアルな人物の顔や風景画などを作り出せます。
このような技術の進歩は、エヌビディアがこの分野で大きな影響力を持つ要因となっているので、生成AIのニュースも常にチェックしておきましょう。
データセンター業界
データセンターは、企業がビッグデータを処理し、AIや機械学習のモデルを訓練するための主要なインフラです。エヌビディアは、データセンターにおける重要な役割を果たしており、高性能なGPUとAIソフトウェアプラットフォームを提供しています。
エヌビディアのGPUは、従来のCPUよりも効率的に大量のデータを処理することができ、AIや機械学習のモデルの訓練においては重要な役割を果たしています。
さらに、エヌビディアは2020年に半導体企業のArmを約400億ドルで買収しました。この買収により、エヌビディアはデータセンターのハードウェアインフラの更なる最適化と、データセンター市場での地位強化を進めています。
データ量の増大とAI技術の進歩に伴い、データセンターの需要は今後も高まるでしょう。そのため、エヌビディアのデータセンター事業は、今後の成長の大きな推進力となる可能性があります。
米国半導体規制の状況に左右される
エヌビディアの事業展開は、米国の対中半導体規制の状況に大きく左右されます。
米国は中国に対して先端半導体の輸出規制を強化しており、これに対して中国は自国のAI市場を発展させるために、テンセント、アリババ、バイドゥ、バイトダンスなどの大手テクノロジー企業を通じてエヌビディアから大量の半導体チップを発注しています。
規制にも関わらず、エヌビディアの主要製品であるA100の価格は中国の地下市場で高騰し、多くの市場関係者はこの流れを、「AIの発展=エヌビディアに依存する必要がある」と解釈しています。
エヌビディアの公式発表では、規制が強化されても業績には影響がないと述べていますが、中国市場でのビジネスチャンスが失われる可能性は常に存在します。
CPU事業の動向には要注目
2021年4月、エヌビディアはCPU市場への参入を発表しました。この動きは、エヌビディアが自社のGPUと組み合わせることで、AIの学習に必要な計算速度を最大10倍に引き上げることを目指しています。
エヌビディアは2023年には自社製CPUをスーパーコンピュータに搭載する計画を持っており、これにより半導体業界の勢力図を塗り替える可能性があります。
このCPU市場への参入によってエヌビディア株は上昇し、これまでCPU市場で強みを持っていたインテルの株価は下落しました。
ただし、この新しいビジネス展開にはリスクも伴います。CPU領域での成果が出なかった場合、エヌビディアの株価は短期的に下落する可能性があります。
そのため、投資家はこのエヌビディアの新たな動向に注目するべきです。
<CPUとGPUの違い>
CPU (Central Processing Unit) | GPU (Graphics Processing Unit) | |
主な用途 | 汎用的な計算タスク | グラフィックスのレンダリングや並列処理のタスク |
コアの数 | 通常2-64のコア | 数百から数千のコア |
計算性能 | 広範な作業に対応する性能 | 高速な並列処理性能 |
メモリ | メモリへの直接アクセス可能 | 専用メモリを使用 |
構造 | 複雑な構造 | 単純で反復的な構造 |
ソフトウェア互換性 | 幅広いソフトウェアと互換性あり | 一部のソフトウェアと互換性あり |
ユースケース | オペレーティングシステム、アプリケーション実行 | ゲーム、動画編集、AI学習、科学技術計算 |
総論:現時点では「買い」予想だが過剰評価の可能性も捨てきれない
エヌビディアは、AI分野におけるイノベーションの推進力として、投資家の間で注目を集めています。
その成長の可能性は5つの主要産業でのAI利用拡大、CPUへの参入、そして半導体規制の状況などから見ても明らかです。
この状況は多くのアナリストから強気の「買い」評価を引き出しています。
しかしながら、常に注意が必要なのが投資の世界です。エヌビディアはすでに非常に高い評価を受けており、その成長の期待が株価にすでに織り込まれている可能性もあります。つまり、株価が過剰評価となっている可能性も捨てきれません。
さらに、エヌビディアが期待されているCPU事業の成否、そして米国と中国の半導体に関する規制状況の変化には細心の注意を払う必要があります。
これらが逆行した場合、エヌビディアの株価には短期的な下落リスクが生じる可能性があります。
以上を総合的に考えると、エヌビディアは投資の対象として魅力的な企業であるといえます。しかし、それは彼らの成功が保証されたものではなく、その動向を常に注視し、必要に応じて戦略を調整することが重要と言えるでしょう。
エヌビディア株の買い方は?口座開設から注文までの手順
エヌビディアの株を購入するためには、証券口座の開設をしなければなりません。
今回は、SBI証券を例として、具体的な手順をご紹介します。なお、一部の手続きはオンライン上で完結しますが、身分証明書の提出が必要な場合もあります。
それぞれの証券会社により、手続きの詳細は異なるため、公式ウェブサイトなどで最新の情報をご確認ください。
手順1.証券口座の開設と選択

口座開設の手続きは基本的にオンラインで行うことが可能です。
まず、証券会社のウェブサイトから申し込みページに進み、メールアドレスと必要な個人情報を入力します。その後、認証コードをメールで受け取り、ウェブサイト上で入力。各種規約の確認を行った後、口座の開設申込みが完了します。
申し込みが完了したら、本人確認書類の提出を行います。SBI証券ではウェブサイトからログインし、本人確認書類の提出を行うことができます。
提出書類の審査が完了すると、「口座開設完了通知」が届きます。最後に初期設定を行えば、証券口座の開設は完了となります。
手順2.購入資金の入金

エヌビディアの株を購入するための次のステップは、証券口座への資金の入金です。
まず、SBI証券の公式サイトにログインします。画面上部の「入出金・振替」をクリックし、「入金指示」画面を表示させます。ここで振込を行う銀行を選び、振込金額と取引パスワードを入力します。
振込指示確認ボタンを押すと、内容確認画面が表示されます。問題がなければ「振込指示」のボタンを押し、銀行のログイン画面に進みます。
銀行のログイン後、入力した内容を再確認し、取引パスワードを入力します。これで即時入金の手続きが完了し、証券口座に資金が反映されます。
なお、すべての銀行が即時入金に対応しているわけではありません。対応していない場合や、地方銀行を利用している方はリアルタイム入金が選択肢となります。また、ゆうちょ銀行を利用している方は振替入金が可能です。
以上、入金の手続きはシンプルですが、証券会社と銀行の両方で手続きが必要な点や、選択する入金方法によっては手数料が発生する可能性もあるため、それぞれの詳細を証券会社のウェブサイト等でよく確認しましょう。
手順3.エヌビディア株の検索

次のステップは銘柄の検索です。
銘柄検索は、「銘柄名」や「銘柄コード」が必ずしも必要ではありません。様々なキーワードを利用して、目的の銘柄を探すことが可能です。「エヌビディア」や「Nvidia」など、ブランド名や話題のキーワードであれば、探している銘柄を素早く見つけられます。
さらに、話題の銘柄や人気の検索ワードが表示される機能もあります。トレンドをリアルタイムで把握することができますので、市場の動向を見る一助となるでしょう。
加えて、検索条件をカスタマイズすることも可能です。検索オプションを活用すれば、自分だけの便利な検索環境を設定できます。設定内容はログアウト後も保持され、次回のログイン時に引き続き利用できます。
以上の便利機能の設定が完了したら「取引」ボタンを押下してください。
手順4.注文方法の選択

エヌビディアの株を購入する次の手順は注文方法の選択です。
まず始めに、行いたい取引の種類を選択します。「現物の買い」か「売り」か、目的に応じたボタンを押下しましょう。
次に「預り区分」を指定します。選択肢は「特定」、「一般」、「NISA預かり」(NISA口座を開設している場合)の三つです。
次に、「株数」欄には購入したい株数を具体的に入力します。購入する単位は、それぞれの株式により異なるため、確認しながら適切な数量を入力することが大切です。
価格設定では、「指値」、「成行」、「逆指値」から注文方法を選びます。指値や逆指値を選んだ場合は、その具体的な価格も入力します。「板入力」ボタンを活用すれば、買い注文と売り注文の状況を見て、価格を設定できて便利です。
最後に、「執行条件」と「期間」を指定します。条件には、「寄指」や「引指」など特定の市場状況を指定することもできます。
以上で、エヌビディアの株を注文する準備は整います。最終的な注文内容を確認した上で、発注を押下しましょう。
エヌビディアの株価に関するよくある質問(FAQ)
現在注目株となっているエヌビディア。それゆえ、多くの疑問が湧いてくるのが当然かと思います。
ここでは、エヌビディアの株価に関してよくある質問をいくつかピックアップし、端的に回答しますので、ぜひ参考にしてください。
エヌビディアの株価は10年後にどうなると予想されますか?
長期的な視点からエヌビディアの株価を評価する場合、多くの市場アナリストは2030年までにエヌビディアの株価が857ドル程度に上昇すると予想しています。
一部のアナリストは、2030年末までには890ドルまで上昇すると予測しています。
エヌビディアの株価が急騰した理由は何ですか?
エヌビディアの株価急騰の一因としては、業績好調が挙げられます。2023年5月25日の第二四半期決算では、業績が予想を上回る約72億ドルを記録。
特に人工知能(AI)チップの需要が旺盛で、2023年度の売上高見通しは前年同期比64%増の約110億ドルとなりました。
エヌビディアのライバル企業はどこですか?
エヌビディアの事業領域は広範で、GPUやAI、データセンターといった分野で多数の競争相手を抱えています。
最も直接的なライバルとしては、グラフィックスカード(GPU)製造で知られるAMDや、CPU市場の大手Intelが挙げられます。加えて、AI分野においてはGoogle、Amazon、Microsoftなどの大手テクノロジー企業とも競合します。
また、データセンター向けの製品開発を積極的に行っているため、Cisco SystemsやIBMといった企業とも競争関係にあります。
エヌビディアの株価は時間外でも確認できますか?
株価の確認は、取引時間に限らず可能です。しかし、実際の取引は証券取引所の定める取引時間内でしか行えません。
なお、米国の証券取引所では時間外取引も行われており、その場合は時間外の株価も参考になります。ただし、時間外取引の情報は注意深く解釈することが求められます。
【まとめ】エヌビディア株の動向と投資のポイント
この記事のポイント
- エヌビディアは世界有数の半導体メーカーで、成長性が見込まれている
- エヌビディアの株価は急騰しているが、過剰評価の可能性も存在する
- 多くのアナリストが強気だが、米国の規制等のリスク要因も検討するべき
- 成長性、アナリストの見解、および市場リスクを考慮した上で慎重な判断を
本記事では、エヌビディアの基本情報からリアルタイムの株価、そして今後の株価予想について解説しました。
エヌビディアは卓越した技術力を持ち、AIや機械学習部門のGPU占有率が驚異の95%という驚異的な数字を示しています。そのため、その株価は堅調に伸びており、高い評価を得ています。
エヌビディアの株価は依然として高水準ですが、過剰評価の可能性も指摘されています。そのため、投資家は市場の動向やエヌビディアの業績、さらには米国半導体規制の状況などに目を光らせておくべきでしょう。
この記事の情報を、投資判断の一助として活用していただきたいと思います。