
この記事のポイント
- SBI証券と楽天証券を比較すると総合的にはSBI証券に軍配
- 【SBI証券】クレカ積立が高還元!投資信託の保有でもらえるポイント多し
- 【楽天証券】楽天ユーザーや日経新聞を読みたい人におすすめ
- 両方の証券会社を使い分けることでより効率的な投資ができる!
投資家から人気の高い、大手ネット証券のSBI証券と楽天証券。
これから投資を始めるにあたって、どっちの証券会社がいいのか知りたいという人も多いでしょう。
そこで、投資塾編集部はSBI証券と楽天証券の双方を調べつくし、10個の項目においてどちらが優れているのかを採点しました。
本記事を読んでいただければ、「SBI証券と楽天証券のどちらで投資すればいいのか」「両社を使い分けるポイント」などがわかります。ぜひ最後までご覧ください。
目次 ー Contents
【十番勝負】SBI証券と楽天証券を徹底比較
![]() 公式サイト | ![]() 公式サイト | |
① 口座開設数 | 〇 | |
② 取引手数料 | 〇 | |
③ 取扱銘柄数 | 〇 | |
④ 取引ツール | 〇 | |
⑤ 投資情報 | 〇 | |
⑥ 信用取引 | 引き分け | |
⑦ NISA・つみたてNISA | 引き分け | |
⑧ iDeCo | 〇 | |
⑨ IPO | 〇 | |
⑩ ポイント制度 | 引き分け | |
⇒ 詳細を公式サイトで見る | ⇒ 詳細を公式サイトで見る |
SBI証券と楽天証券を取引手数料やNISA・つみたてNISAの取扱い銘柄などの10項目で比較したものが上記の表になります。
ご覧のとおり、総合的にはSBI証券がおすすめ、となります。
ただし、だからと言って楽天証券が劣っているというわけでもなく、もちろん両社を併用するメリットもあります(後述します)。
まずは各サービス内容を比較しながら詳しく確認していきましょう。
① 口座開設数|ネット証券No.1の実力を見せるSBI証券
SBI証券の口座開設数はグループ全体で1,000万口座を突破しており、ネット証券No.1の実績を誇っています。
ただ、楽天証券の口座開設数も2023年4月に900万口座超を達成していることから、SBI証券と楽天証券のどちらも投資家から高く評価され、人気があることがわかります。
② 取引手数料|定額制プランはSBI証券が有利
SBI証券と楽天証券の取引手数料の比較は以下の通りです。
取引金額 | ![]() 公式サイト | ![]() 公式サイト |
5万円 | 55円 | 55円 |
10万円 | 99円 | 99円 |
20万円 | 115円 | 115円 |
50万円 | 275円 | 275円 |
100万円 | 535円 | 535円 |
150万円 | 640円 | 640円 |
3,000万円まで | 1,013円 | 1,013円 |
3,000万円超 | 1,070円 | 1,070円 |
・アクティブプラン ・1日定額コース | ・アクティブプランの場合は100万円までは無料 ・200万円の場合は1,238円 ・300万円の場合は1,691円以降・100万円増えるごとに295円追加 | ・100万円までは無料 ・200万円の場合は2,200円 ・以降100万円増えるごとに1,100円追加 |
1約定ごとに手数料がかかる通常のプランでは、取引手数料体系は全く同じです。
ですが、1日の合計約定金額によって取引手数料が決まるプランでは違いがあります。
(SBI証券はアクティブプラン 楽天証券は1日定額コースと名称は異なりますが、同じ内容のプランです)
SBI証券の「アクティブプラン」の方が楽天証券の「1日定額コース」より取引金額が増えるほど安くなっています。
また、SBI証券のアクティブプランは現物取引・制度信用取引・一般信用取引とそれぞれの取引金額を別々でカウント。
そのため、それぞれ100万円以内の取引は手数料が無料であり、取引を使い分ければ合計300万円までは手数料が無料となります。
特に初心者の場合は高額の取引をすることは少ないかも知れませんが、このような差があることは知っておきましょう。
③ 取扱銘柄数|外国株に興味があるならSBI証券
![]() 公式サイト | ![]() 公式サイト | |
日本株 | 〇 | 〇 |
投資信託 | 2,688本 2024年9月時点 | 2,634本 2024年9月時点 |
ETF | 〇 | 〇 |
REIT | 〇 | 〇 |
外国株 | 米国株・中国株・韓国株・ロシア株・ベトナム株・タイ株・マレーシア株・インドネシア株・シンガポール株 | 米国株・中国株・タイ株・マレーシア株・インドネシア株・シンガポール株 |
SBI証券と楽天証券は両方とも取扱商品が豊富です。
日本株や投資信託、ETF、REITといった幅広い商品を取り扱っています。
ただ、外国株に関してはSBI証券の方が取扱が多いです。
楽天証券も人気の米国株については豊富に取り扱っていますが、SBI証券の方がよりマイナーな外国株を取り扱っているので、外国株に興味がある方は覚えておきましょう。
④ 取引ツール|楽天証券なら「フル板」サービスも無料
取引ツールを比較すると、SBI証券はHYPER SBI 2、楽天証券はマーケットスピードという人気の取引ツールがあります。
両方とも無料で利用することができますが、マーケットスピードでは取引の際に売買注文状況をより詳しく確認できるフル板も無料で利用可能です。
SBI証券でも条件を満たせばフル板を無料で利用できますが、楽天証券は無条件でフル板で利用できるという点で勝っています。
【ワンポイント】フル板とは
通常、株式の注文状況を確認する板情報では基準値を中心に8本程度までしか表示されませんが、フル板では制限値幅まですべて表示することができます。
さらに、売買件数、売買累計、引け注文の値段、引け注文の数量まで表示されるため、より詳細な情報を手に入れることが可能です。

⑤ 投資情報収集|楽天証券なら日経テレコンも無料で読める
投資情報をより多く知りたいのであれば楽天証券がおすすめ。
投資家に必須の四季報はSBI証券、楽天証券両方で無料で読むことができます。
楽天証券の場合は、さらに日経テレコン(楽天証券版)を無料で利用することが可能です。
【ワンポイント】日経テレコンとは
日本経済新聞社が提供するビジネスデータベースサービスのことで、日本経済新聞(朝刊・夕刊)や日経産業新聞、日経MJなどを読むことができます。
また、過去1年分の新聞記事検索や日経速報ニュースなども閲覧できるので、様々な投資情報を無料で手に入れることが可能です。
⑥ 信用取引|取引コストはどちらも同じ
![]() 公式サイト | ![]() 公式サイト | |
制度信用取引金利(買) | 年2.80% | 年2.80% |
制度信用取引貸株料(売) | 年1.10% | 年1.10% |
一般信用取引金利(買) | 年2.80% 日計り年0% | 年2.80% 日計り年0% |
一般信用取引貸株料(売) | 年1.10% 短期年3.90% 日計り年0% | 年1.10% 短期年3.90% 日計り年0% |
信用取引にかかる買方金利と、売方の貸株料の比較は上記の通り。SBI証券と楽天証券は、全く同じコストとなっています。
信用取引コストという面では差はありません。
⑦ NISA・つみたてNISA|双方充実しており引き分け
NISAやつみたてNISAはSBI証券・楽天証券ともに対応しており、取扱銘柄も豊富です。
NISAは両方とも外国株式にも対応しており、幅広い銘柄に投資できます。つみたてNISAに関しても両方とも取扱い銘柄は豊富で、100円から積立することが可能です。
1点違いを挙げるとすれば、楽天証券はNISA口座はIPOに対応していません。NISA口座でIPO投資を行いたいのであれば、SBI証券しか対応していませんので、注意してください。
⑧ iDeCo|eMAXIS Slimシリーズの有無でSBI証券
税制上のメリットがある私的年金制度のiDeCoにもSBI証券と楽天証券は対応しています。
両方とも取扱銘柄数は多いのですが、投資家に人気のある、低コストな投資信託「eMAXIS Slimシリーズ」を楽天証券では取り扱っていません。
eMAXIS Slimシリーズは低コストで世界株式などへの分散投資ができる良質な投資信託であり、長期投資が前提となるiDeCoには特におすすめの商品と言われています。
iDeCoを利用するなら、SBI証券がおすすめです。
⑨ IPO|IPOチャレンジポイントのあるSBI証券
IPOの取扱数を比較すると、SBI証券がネット証券では最多の取扱数となっています。
楽天証券も近年IPOに注力しており、年々取扱数が増加していますが、現時点ではSBI証券に分があります。
また、SBI証券にはIPOチャレンジポイントという制度があり、IPOチャレンジポイントを貯めることで、IPOに当選しやすくなる点もメリットと言えそう。
ちなみにNISA口座でIPO投資ができるのもSBI証券のみとなっています。
⑩ ポイント制度|一長一短あり引き分け
SBI証券と楽天証券は両方とも、投資でポイントを貯めたり、使ったりすることができますが、ポイントの制度はそれぞれ異なります。
■ポイントを利用する |
SBI証券がポイント投資は投資信託しか利用できないのに対して、楽天証券では投資信託のほかに個別株式などにも投資可能です。 |
■ポイントを貯める |
両方ともクレジットカードを使った積立投資でポイントを貯めることができますが、ハイランクのカードを使った場合、SBI証券の方が還元率が高くなっています。 |
また、両社とも投資信託の保有金額に応じてポイントをもらうことができますが、このポイントもSBI証券の方が多いです。
ただ、楽天証券は楽天市場でもサービスを連携しており、一定の条件を満たせば楽天市場での買い物でポイントがアップする仕組みになっており、楽天ユーザーには大きなメリットがあります。
このようにポイント制度に関しては、一長一短があり甲乙つけ難いところです。
SBI証券と楽天証券どっちがおすすめ?
ここまでSBI証券と楽天証券を10項目で比べてきましたが、それぞれに特徴があり、結局のところ「どのような使い方をするか」でおすすめの証券会社は変わってきます。
ここではSBI証券と楽天証券、それぞれにどのような人が向いているのかを整理しました。
自分はどちらが向いているのか考えながら読んでみてください。
SBI証券が向いている人
SBI証券が向いている人は以下のような投資家です。
- IPO投資を行う人
- 外国株式に積極的に投資したい人
- 投資でより多くのポイントを貯めたい人
IPO投資を行うなら、IPOの取扱数が多く、IPOチャレンジポイントがあるSBI証券は外すことができません。
また、5,000銘柄以上の米国株を取り扱っており、米国以外の株式も多く扱っているSBI証券は、様々な外国株式を積極的に運用したい人におすすめです。
さらに、SBI証券はハイランクカードである三井住友カード プラチナプリファードを利用して積立投資を行うとポイント付与率が5.0%(※)と高いため、ポイント還元率を重視する人にもおすすめできます。
※2024年9月10日(火)積立設定締切分(2024年10月1日(火)買付分)までのポイント付与。以降は対象カードごとのカードご利用金額などに応じたポイント付与率になります。
※三井住友カードつみたて投資のご利用金額は、プラチナプリファードの新規入会&利用特典、継続特典の付与条件であるご利用金額の集計対象となりません。
楽天証券が向いている人
続いて楽天証券が向いている人は以下のような投資家です。
- 楽天グループのサービスを利用する機会が多い人
- 日経新聞を無料で読みたい人
楽天グループは証券サービスのほかにも、クレジットカードやECサイト、銀行、携帯電話と様々なサービスを展開しています。
これら全てのサービスで楽天ポイントを貯めたり、利用できるため、普段から楽天グループのサービスをよく利用されている方にとっては、メリットがより大きくなります。
楽天証券を利用することで楽天ポイントをさらに貯めたり、反対にほかの楽天サービスで貯めたポイントを楽天証券で投資するといったことが可能になります。
また、楽天証券に口座を開設すると、無料で日経テレコンを利用することができます。購読すると通常5,000円程度かかる日経新聞が無料で読める点は大きなメリット。
「日経新聞を読みたいけど、購読費が高くて…」と躊躇っているなら楽天証券がおすすめです。
SBI証券と楽天証券を併用する“おトク技”
SBI証券と楽天証券のどちらか一つを選ぶなら…。
そう考えてここまで比較して優劣を決めてきましたが、実は両方とも口座開設しておいて併用する方が便利だったりします。
ここでは、SBI証券と楽天証券を使い分けるポイントや、2つ口座を開設することのメリットを解説していきます。
それぞれの強みを使い分ける
SBI証券と楽天証券はそれぞれに特徴があり、強みが異なっていることは、ここまでご覧になった方なら承知のことだと思います。
それならいっそのこと、それぞれの“強みとなっている部分”を使い分けてしまうというのはどうでしょうか?
一つの口座だけで運用するより、効率的な投資ができるはずです。
使い分け例
- IPO投資や外国株投資をする際にはSBI証券を利用
- 取引の際に詳細な板情報を確認したい時は楽天証券でフル板を利用
- 投資情報を仕入れたい時は楽天証券の日経テレコンを利用 など
また、両社ともクレジットカードを利用した積立投資でポイントがもらえますが、投資できる上限額が設定されており、それ以上はポイントをもらうことができません。
ですが、両社でクレジットカード積立を行うことによって、実質的な上限額を増やすことが可能になります。
クレジットカード積立の例
月10万円積立投資する場合、SBI証券のクレジットカード積立の上限は月10万円ですが、SBI証券5万円、楽天証券5万円と使い分けることで、10万円分のポイントを受け取ることができます。
このように、両方の証券会社を使い分けるメリットは思いの外大きいです。
万が一のトラブルに備える
両方の証券会社に口座を開設することで、万が一のトラブルに備えることができます。
ネット証券は、インターネットを利用して取引を行うことが基本であるため、ネットが快適に利用できるかどうかは投資家にとって死活問題です。
証券会社各社は、スムーズに取引ができるようにサーバーの管理などは厳重に行っていますが、サイバー攻撃など最近では何が起こるかわかりません。
一つの証券会社にトラブルがあっても、別の証券会社で取引が可能であれば、取引機会を逃すといったリスクを最小限にできます。
携帯・スマホなら、複数回線を契約するとその分お金がかかりますが、証券会社は複数口座開設しても費用はかかりません。
あらゆるトラブルに備える意味でも、両方の証券会社に口座を開設しておく意味はあるのです。
楽天証券からSBI証券へ移管する方法とメリット
既に説明した通り、投資信託の保有額に応じてもらえるポイントは楽天証券よりもSBI証券の方がお得です。
そのため、楽天証券で投資信託を保有している場合、SBI証券へその投資信託を移すことができればより多くのポイントをもらえることになります。
異なる証券会社へ投資信託を移すことを「移管」といいます。通常は移管には手数料が発生するのですが、実はSBI証券では移管料をキャッシュバックするプログラムを実施しています。

つまり、実質手数料無料で投資信託を移管することができ、ポイントを多く受け取ることができます。
楽天証券からSBI証券に移管する流れは次のとおり。
- 楽天証券に投資信託振替依頼書を請求し記入後提出する
- 2週間ほどでSBI証券に移管される
- 移管後投資信託の保有額に応じたポイントがもらえる
手続き自体はそれほど難しくありません。

楽天証券へ提出する書類のイメージとしてはこのような感じになっています。手間ではありますが、そこまで難しくはないでしょう。
SBI証券と楽天証券に関するよくある質問
最後にSBI証券と楽天証券に関するよくある質問や疑問にお答えしていきます。多くの方が疑問に思っていることを取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。
初心者にはSBI証券と楽天証券どっちがおすすめ
SBI証券と楽天証券はどちらもサービスの質が高い証券会社で、どちらも投資初心者におすすめできます。
両社の特徴から、投資スタイル別にどちらがおすすめかというと、つみたてNISAなどの積立投資という点では、クレジットカードをつかったポイント還元率が高いSBI証券がおすすめと言えます。
一方で、楽天市場など楽天グループのサービスをよく利用しているのなら、楽天ポイントを利用・貯めることもできる楽天証券をおすすめします。
SBI証券と楽天証券両方で口座開設する時に気をつけることは?
費用は一切かかりませんし、SBI証券と楽天証券の両方で新規口座開設すること自体に、特に問題(デメリット)はありません。
ただし、それぞれの証券会社で取引を行い、一方の口座で利益を得て、もう一方の口座で損失が出た場合には注意が必要です。
この場合、合計としてはプラスマイナスゼロであっても、利益が出ている口座では税金が引かれてしまいます。(源泉徴収有口座の場合)
徴収された税金を取り戻すためには、損益通算のために確定申告が必要となりますのでご注意ください。
【SBI証券・楽天証券比較】まとめ
この記事のポイント
- SBI証券と楽天証券を比較すると総合的にはSBI証券に軍配
- 【SBI証券】クレカ積立が高還元!投資信託の保有でもらえるポイント多し
- 【楽天証券】楽天ユーザーや日経新聞を読みたい人におすすめ
- 両方の証券会社を使い分けることでより効率的な投資ができる!
SBI証券と楽天証券は両方とも投資家によく利用されている人気の証券会社です。
それぞれに特徴や強みがあり、それを知った上で自分に合っていそうな証券会社の口座を開設すると良いでしょう。
また、両方の証券会社を併用するメリットも大いにあるので、どちらも口座開設しておくのも一つの手です。
ぜひ、本記事を参考にSBI証券と楽天証券での口座開設を検討してみてください。